鍵のかかる部屋

いつき

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鍵のかかった部屋

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大学生の俺は、格安でアパートを借りることができた。

理由は「事故物件」だからだ。とはいえ、家賃は破格で立地もよく、俺はあまり気にしなかった。

初日は特に何も起きなかったが、二日目の夜、異変が起きた。

夜中の2時ごろ、廊下から「カチャ、カチャ……」とドアノブをいじる音がする。

最初は気のせいかと思ったが、次の夜も、またその次の夜も同じ時間に音がする。

さすがに気味が悪くなって、管理人に相談してみた。

「そうか……前の住人も、それ言ってたよ。でも気のせいだったってことで話は終わったんだ。まぁ、鍵はちゃんとかけておけよ」

俺はそれ以降、ちゃんとドアに鍵をかけるようにした。

それからは音がしなくなった。やっぱり鍵をかけてなかったせいだったのかもしれない。

でも、昨日ふと思った。

……おかしいよな。
あの音、「外」からじゃなくて、「中」からしてた気がするんだ。



解説:

この話の怖さは、ドアノブをいじる音が「部屋の中」からしていたことに気づくラストにあります。

物音を「外から来た侵入者の仕業」と思っていた主人公。しかし、最後に「音は中からしていた気がする」と語ります。

つまり、すでに部屋の中に何か(誰か)が潜んでいたということ。

しかも、その「何か」は毎晩、部屋の内側からドアを開けようとしていたのです。

鍵をかけたことで出られなくなったのだとすれば……
主人公は今も知らないだけで、何かと一緒に暮らしていることになります。
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