ツンデレ少女の白馬様っ!

のりごはん

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#3

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なぜ私がカップルが別れると落ち込むのかというと。
過去の片思いが原因だ。

それは中学時代。
とっても大好きな人がいた。

「おい鈴!これ取ってみろよ!」
「もう!!」

私をいつもいじってた人。
でも頭は良くてすごく優しくて面白い人。
野球部のピッチャーで活躍してチームを盛り上げてた。

そう、#1でチラッと出てきた中学時代の恋愛の人である
児玉こだま庸介ようすけ

その人からいじられてたのに、一緒に過ごす度に
好きが増してったのを覚えてる。

悪ふざけで追いかけっこして先生に叱られた。
ぶつかってびっくりして間違えて抱きついてしまった。
筆箱を取り合って戦争した。
なんちゃってキックボクシングして青あざまみれになった。
ボディタッチも多かった。

でも、謎な点がある。
好きバレを何回かしたことがあるんだけど、
その度に私を避けてきたり、無視してくることがあった。
そうされた日は毎日泣いていた。

それでも好きで好きでたまりませんでしたけど。

中学時代は告れなかったけど、
私は決心し、高1の6月に告ったけど撃沈した。

そりゃあれだけ追いかけっこしたり、
いじってくるのって女の子って思ってないよね。

今でも思い出すとモヤモヤというか会いたいというか。
もしかしたらまたどこかでバッタリ、みたいな。

思い出すと止まらないなー。
ここに書ききれないぐらい多い。

んで、今日は日曜日。

ちょっと思い出すとブルーになったりするので
気分転換に近くの薬局にでも向かおうとするか。

新作の化粧品。
私はイエベなのでオレンジ系を。

学生には少し値段張ったけど…まあ欲しかったやつだし
可愛すぎる。これで自分磨き頑張ろう。

薬局を出て住宅街に近い公園を自転車で走らせていると声が聞こえた。

児玉だ。

「…あ!!!お前!待てよ!」

無視したかったけど追いかけられたので反応してしまった

「児玉じゃん、久しぶり」
「今ひま?」
「え、、う、うん」
「ちょっと来て」

黙って児玉に着いていくと、公園の池の河口に着いた。
そこにはびしょ濡れの子猫がいた。

「え…どうしたのこの子」
「わかんねえけど…今お前タオルかなにかある?」
「あ、ハンカチなら」
「貸せ」

ハンカチで身体を拭く児玉。
やたら優しいとこもあるなーと思い出した。

「その子どうするの?」
「家に連れて帰る」
「そう」

そういや児島ん家って猫ちゃん飼ってたな。
まだ若干濡れた子猫を児玉は服の裾で抱えた。

「可愛いね、お世話してもらってね」

私は子猫にそう声をかけた。

「あ、ハンカチ汚れたな、洗って返すな」
「ううん、あげる」
「おう、サンキュ」

すると児玉は口を開いた。

「お前さ」
「うん?」
「なんか、綺麗になったな」
「え…」
「じゃあな」

そういうと児玉は自転車に乗って帰って行った。

いつも酷いことしてくる児島。
なのに今日はなんだかかっこよく思えた。

「あんな優しい児島…初めて」

そうつぶやき、夕日が溶ける住宅街へと入った。

ダメだダメだ。
あんなのに落ちたらまた私が辛くなる。

私には変われる人ができそうなんだから…

いや…でもあいつはやっぱりまだ心残りが…

振られたのに。なんで…

ああ!ダメ!
こんな日はバドミントンしに行くのに限る!

よし、行ってみるか。

もう夕方なのに出かけたくなるのはなんでだ?

自転車でたどり着いたのは駅前の大きい公園。
バドミントン打ちっぱなしもできるので1人に持ってこい。

よし…これで打ちまくろう。
そして、柊木とのダブルスのために。

「…来い」

私は思い切りスマッシュをする。
形はなんだかイマイチだけど、綺麗に打ててる。

思わず夢中になりすぎて、横飛びで打ったところ…

グキっ!!!!

足を捻ってしまった。

ちょっとベンチに座って休憩を取った。

もしかして、私またあの児玉にハマるんじゃ…?
いやいや、思わせぶりしてきた人間にハマりたくない。
変われそうな人と一緒になりたいのに…

ずっとモヤモヤした気持ちが頭から離れなかった。

今日は少しでも素振りができたから帰ることにした。







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