勇者になんかなりたくないけど異世界では勇者だった!

オレオ

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ルセラ編

31話 異世界なんて温泉なんて入りたくないけど

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 ダンジョン内で見つけた温泉に皆がこうふんするなかアイズが温泉に飛び込み水しぶきを上げた。

「おいアイズ!」

 十夜とアレスが同時に叫んだ。

「アイズくんもう少し落ち着いて入ってくださいよ」

「すまんすまん」

「そうだぞ。俺が飛び込んだ時は人がいなかったからの良かったものの」

「十夜くんそれも危ないのでこれからは控えてくださいね」

 温泉に浸かって顔をまっかにしたクロノスが真面目に答えた。

「ははは!いいじゃねーか!」

 隣の温泉からポセイドンの声が聞こえた。

「てめーは一人だからいいんだよ!」

「アレスうるさいっす!」

 少し離れた場所からヒュプノスがアレスに怒った。
 そんなヒュプノスや他の女子たちは皆仲良く同じ温泉に入っていた。

「ほんとアレスには手を焼いてるっす」

 ヒュプノスが呆れたように皆に向き直る。

「見てる限り逆に仲が良いのでは?」

 ヒュプノスの向い側にいたアルテミスが言った。

「仲が良い兄妹代表の私から見てもお二人は仲が良いと思います。ほら喧嘩するほどなんとやらです」

「マリンそれを言うなら喧嘩するほど仲が良いですよ」

 アルテミスがマリンにジト目で言った。

「仲良いですかー?あんな男めんどくさいだけっすよー」

「レ、レイさんも仲が良いと思いますよね?」

「そうなんじゃないですかね」

 レイがミオンの言葉にどこか気のない返事をした。

「ん?...レイちゃんなんかありました?」

「え!そんな事ないですよ!あははのぼせちゃいましたので少し上がります」

 レイが少し焦ったような反応をした。

「あ、そうなんっすか...」

 レイが上がった後ヒュプノスがレイを目で少し追った。

「なんかレイちゃん悩み事でもあるんっすかね?」

「そ、そう言えば朝からレイちゃんと十夜さんに距離があったような」

「あの二人いつも凄く仲良いってお兄ちゃんが言っていましたし、何かあったに違いありません」

 マリンがヒソヒソと話し始めた。

「後で十夜くんに聞いてみるっす」

 その頃男達は、

「十夜くんこの町にいても何も始まりませんしすぐに追っても来るかもしれないので他の町に行く計画を立てましょう」

「わかった」

「ではまず私たちが前いた西の国ルセラ、そしてその国のミリオンに私達がいました」

「ミ、ミリオン?」

「どうした十夜?」

 十夜がさっきから首をかしげたり頭を悩ませていたのでアイズが気になり十夜に聞いた。

「いや、ミリオンって何かわかんなくて」

「わかんないって...もしかして十夜!お前今の今まで町の名前すらしらなかったのか!?」

「す、すまん」

「びっくりしましたよ。また本を貸すのでそれで勉強でもしてください」

 呆れた顔でガイアが言った。

「すまんメティス、話を続けてくれ」

「はい。私達が今いるのはミリオンから少し離れた町アリックです。これから完全に大国を出ることになると思います。その場合どこに向かいましょうか」

「メティス!俺達のレベルは60越えだ!もう魔王倒せんじゃねぇか!」

 アレスがメティスに叫んだ。

「そういや皆はなんで魔王を倒したいんだ?」

 皆が少し下を向いて黙った。

「俺たちは魔王軍に家族を殺された」

 少しの沈黙の後ポセイドンが重い口を開き話し始めた。

「はい。魔王軍の炎に家や家族を全て焼かれました。ここにいる十王教のメンバーはそんな人の集まりなんです」

 ポセイドンに続いてクロノスが言った。

「それでゼウス復活を望んでいたのです」

「私がお茶を好きな理由は殺された母が好きでしたので母を忘れないようにと」

 ガイアが下を向いて話した。

「へっ!いつまで昔の事考えてんだ!もう終わった事だ!死んだやつはみんな弱い。この世界は強い者には弱い者が負けるそう言うルールになってる」

 皆を元気づけようとしたのかアレスがその場で立ち上がった。

「こんな事言ってますが1番悲しんでたのはアレス君ですよ」

「ガイアてめーは少し口閉じてろ...」

 いつものように怒鳴らなかったアレスを見て十夜は心を痛めた。

「私たちの世界は魔王サタンの魔王軍のせいで土地争いが激しくなりましたし食料も年々取れる量が減っています」

 メティスが真剣な顔で十夜に言った。

「その上先程のキメラやら協力な魔物が出てきたりしてるし、移動範囲も力を持たない者には減らされてる。今は魔王と敵対しているドラゴンがいるようだが、それでも被害は大きい。だから王国が国民を守ったりしてるんだ」

 メティスに続いてアイズが語った。

「俺は国民を怯えさせる存在なのか」

 十夜が悲しそうに言った。

「メティス!確かドラゴンがどうとかってさっきアイズが言ってただろ!そのドラゴンってどれぐらい強いんだ!」

「強さは魔王に劣らないとはきいていますが、それがどうかしましたか?」

「魔王に劣らないか...よし!そいつのところ行くぞ!」

 十夜は立ち上がり皆に提案した。

「正気か!?ドラゴンと戦う気か!?」

 アイズが驚きその場に立ち上がる。

「誰が戦うって言った。俺はドラゴンに仲間になってもらう!それが俺たちがやるべき事だ!」

「相手はジークフリードと言うなの化け物。話して分かるような相手じゃないかもですよ?」

 十夜の言葉にクロノスが言った。

「やってみなくちゃわかんねーだろ」

「私も十夜くんの意見に賛成です」

 メティスが立ち上がった。

「リーダーが言うんじゃ仕方がないですね」

 十夜とメティスの事を信じクロノスが立ち上がった。
 そしてそれを見て皆が立ち上がる。

 「どうなっても知らねぇからな!」

 そう言って最後にアイズが納得した。
 こうして十夜達の次の目的が決まった。
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