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12.王子と庶民の密会
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数日前にアシュレー様より受けた依頼のためウィルが研究所に迎えに来た。
「久しぶり……」
甘そうなバターブロンドにすみれ色の瞳。姉とパーツは似てるが、がっしりとした骨格に太い眉が男らしさを主張している。
貴族と思えないほどコロコロ変わる表情が面白いけど、少し頬を染めた顔を見ていると今日は怒りが湧いてくる。
教授に性別がバレて、何も言い訳が思いつかないうちにウィルは帰ってしまった。
次来たらどう話せばいいかな。
本音で語ればウィルならわかってくれるかもしれない。
学問を続けるには女じゃ駄目なんだって。
でも女物の服が送られてきて、ウィルはそれっきり研究所に来なかった。
領の仕事で忙しいんだろうと教授は言ってくれたけど、このタイミング。
私が女だと知った途端。
ウィルが悪いんじゃない。
12歳を過ぎると女性と男性は別れて生活するようになる。未婚のウィルが、女である私がいる場所を避けるのは当然だ。
でもウィルなら性別なんか気にしないで研究の話ができると思っていた。
性別を勘違いするに任せていたのは私だし、女性でも学問ができると思わせられなかった私が悪い。
そう、自責の念に駆られていたのに。
ところがどうだ。
男の格好をした私を見て、何故頬を染めている。
研究所に来なくなったのはもっとくだらない理由な気がしてきた。
ウィルとろくに会話をせず廊下を歩く。角の近くに赤い巻毛の衛兵が立っていて無愛想にこちらを見ている。
ウィルが名乗ると敬礼して近くの部屋へと案内してくれる。緊張で足が重くなる。
そこには衛兵と、もう一人椅子に座った人物がいた。
「どうぞ座って。私の名はシャルル・ド・ラ・ジュイエ。」
シャルル殿下と目があった途端心臓が緊張と恐怖でギュッとなったが、なんとか叫び声を挙げずにすんだ。
庶民に王族はきつい!
優しい口調で話しかけられても足のガクガクだ。
なにせ思いっきり背中を叩いたり、口に指を突っ込んだりしたのだ。極刑を言い渡されてもおかしくない。
しかし以前見つけたときと変わらず可愛らしい。アシュレー様が王女様のような凛とした美しさだとしたら、シャルル殿下は儚げな深窓のお姫様だ。
アシュレー様より年上の19歳らしい。このフランツ王国唯一の王子にして王位継承権第一位だ。
婚約者で公爵令嬢のアシュレー様であっても、女子ゆえに結婚するまで会うことは簡単じゃない。
そこで男(の子)として認識されている私を使って婚約破棄を引き出すつもりなのだ。
でも庶民のクーが王子に偶然会える機会なんて前回が奇跡的だっただけでありえない。だから今日は表向き公爵家ウィリアムが面会ということになっている。
シャルル殿下に会いに行くと聞かされたとき不敬罪で捕まるのか、やはり罠かと思った。
でもウィルは私のことを根拠も無く信じてくれた。
ここで信頼を返さねば男が廃る!男じゃないけど。
「図書館でのシャルル殿下に対する言動が乱暴だったと、とても反省しています!!!」
ウィルに促され自己紹介したあと、王子に向かって深く頭を下げた。
「あの時会えたのが君で良かった。適切な処置だったと医者も驚いていたよ。だから謝らないで。
今日はお礼が言いたくて来てもらったんだ。」
………お礼を言われた!!!
顔を上げてみると王子が微笑んでいる。めちゃ可愛い!!!
どうやら本当に捕まらないみたいだ。庶民が救助のためとはいえ王族に手を上げたのに。王子寛大!万歳!
せっかくなので気になっていたことを聞く。
「シャルル殿下、もしよろしければどうしてあんな物を召し上がったか教えてもらえますか?」
「………あんな物……とは?」
「ボロン鉱やエステル液ですよ。」
すると王子は何かを止めるようにサッと手を上げた。同時に隣に座っていたウィルが立ち上がる。何かと思って視線を辿ると、黒髪の衛兵が剣に手をかけ後ろに立っていた。
この人、王子が倒れていたときに来た人だ!!でもって私を逮捕しようとした人!!!
「どうしてボロン鉱やエステル液を口にしたと思ったの?」
「だって、シャルル殿下が吐いた物に入ってたから」
手袋から吐瀉物を取り除き溶媒で分離。ボロン鉱は固めて遷移度を測定。エステル液は酸化度と蒸気圧から同定したと説明する。
ウィルが「クーはトマス・カレン教授の助手をしています。」と言葉を添えてくれる。
王子も納得したようで黒髪衛兵に下がるよう命じてくれた。
「王立研究所でも原因物資は何かの鉱物だろうとしか特定できていない。さすが優秀すぎて国を追われた科学魔術師と噂されるだけのことはある。」
教授の噂も気になるが、それよりも……原因物質?つまり意図して口にしたわけではない。事故?それとも………暗殺?
だとしたら黒髪衛兵がさっき私を警戒したのもしかたない。
「わかったよ。アシュレー嬢が君への面会に応じた理由が。
探偵さんは優秀なようだ。」
私もわかった。婚約破棄を引き出すには一回会うだけじゃ絶対無理だ。アシュレー様は暗殺の件を調べるという理由で王子に接触させる気なんだ。
暗殺されかかったとか庶民が知っていい問題じゃないが、私ではなく教授の手を借りているつもりかもしれない。
でもやってやる。
私が真相を見つけてみせる。
「いつボロン鉱が口に入ったか、わかっていますか?」
「昼食に使われていたチーズから鉱物が見つかったから、多分その時に食べてしまったのだと思う。」
ボロン鉱には毒性は無いので、毒味のときに気が付かれなかったんだろう。
吐瀉物中のボロン鉱はもの凄く粒の小さい粉末だった。反応性を上げるために細かい物を使っているのだと思っていたが、食べても分からなくする目的もあったんだろう。
今度かさ増しに使ってみようかな。王家御用達ボロン鉱。
「食べてから倒れるまではどのくらいの時間ですか?
エステル液は何に含まれていたかわかっていますか?
」
矢継ぎ早の質問にも快く答えてくれた王子。
昼食後すぐに図書館へ来たらしい。倒れるまでの時間はほぼ一時間。エステル液は携帯していた葡萄酒に含まれていたであろうこと。
「そういえば、葡萄酒を飲む前にジュリエット・メディンヌ嬢と少し話をしたかな。館庭で声をかけられた。」
ジュリエット・メディンヌ。アシュレー様に助けられたときの会話にそんな名前が出てきた気がする。
まだ学生、と言うことは未婚のはずなのに何故王子に話しかけたのだろうか。
もしかして、その時に葡萄酒とエステル液がすり替わった?
「メディンヌ嬢はすぐに従者につれていかれたが、どうも様子が変だったのでガスパーに様子を見てもらった。」
ガスパーというのは黒髪衛兵のことだった。後ろで頷く気配がする。
衛兵がメディンヌ嬢の監視に行っている間に葡萄酒、おそらくエステル液を飲み重合反応が起こり、窒息するに至ったらしい。
「昼食に使ったチーズをいくつかもらえませんか?ボロン鉱が入っているか確認したいです。
確認が取れたらその卸しの業者を調査したいので許可をもらえますか?」
「構わない。業者の調査に関してはピエール衛兵に同行させよう。扉を守ってくれている彼だ。」
「いいんですか?シャルル殿下の護衛だとしたら、御身を離れるのはまずいんじゃ……」
「大丈夫。業者には探りを入れるべきかもと思っていたところだから。君が直接捜査すると、君が狙われるかもしれないからね。」
お礼を言って退室しようとすると、王子も立ち上がりすっと手を上げた。
その手は私の頭に優しくポンポンと触れた。
「ありがとう、小さな探偵さん。」
「久しぶり……」
甘そうなバターブロンドにすみれ色の瞳。姉とパーツは似てるが、がっしりとした骨格に太い眉が男らしさを主張している。
貴族と思えないほどコロコロ変わる表情が面白いけど、少し頬を染めた顔を見ていると今日は怒りが湧いてくる。
教授に性別がバレて、何も言い訳が思いつかないうちにウィルは帰ってしまった。
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本音で語ればウィルならわかってくれるかもしれない。
学問を続けるには女じゃ駄目なんだって。
でも女物の服が送られてきて、ウィルはそれっきり研究所に来なかった。
領の仕事で忙しいんだろうと教授は言ってくれたけど、このタイミング。
私が女だと知った途端。
ウィルが悪いんじゃない。
12歳を過ぎると女性と男性は別れて生活するようになる。未婚のウィルが、女である私がいる場所を避けるのは当然だ。
でもウィルなら性別なんか気にしないで研究の話ができると思っていた。
性別を勘違いするに任せていたのは私だし、女性でも学問ができると思わせられなかった私が悪い。
そう、自責の念に駆られていたのに。
ところがどうだ。
男の格好をした私を見て、何故頬を染めている。
研究所に来なくなったのはもっとくだらない理由な気がしてきた。
ウィルとろくに会話をせず廊下を歩く。角の近くに赤い巻毛の衛兵が立っていて無愛想にこちらを見ている。
ウィルが名乗ると敬礼して近くの部屋へと案内してくれる。緊張で足が重くなる。
そこには衛兵と、もう一人椅子に座った人物がいた。
「どうぞ座って。私の名はシャルル・ド・ラ・ジュイエ。」
シャルル殿下と目があった途端心臓が緊張と恐怖でギュッとなったが、なんとか叫び声を挙げずにすんだ。
庶民に王族はきつい!
優しい口調で話しかけられても足のガクガクだ。
なにせ思いっきり背中を叩いたり、口に指を突っ込んだりしたのだ。極刑を言い渡されてもおかしくない。
しかし以前見つけたときと変わらず可愛らしい。アシュレー様が王女様のような凛とした美しさだとしたら、シャルル殿下は儚げな深窓のお姫様だ。
アシュレー様より年上の19歳らしい。このフランツ王国唯一の王子にして王位継承権第一位だ。
婚約者で公爵令嬢のアシュレー様であっても、女子ゆえに結婚するまで会うことは簡単じゃない。
そこで男(の子)として認識されている私を使って婚約破棄を引き出すつもりなのだ。
でも庶民のクーが王子に偶然会える機会なんて前回が奇跡的だっただけでありえない。だから今日は表向き公爵家ウィリアムが面会ということになっている。
シャルル殿下に会いに行くと聞かされたとき不敬罪で捕まるのか、やはり罠かと思った。
でもウィルは私のことを根拠も無く信じてくれた。
ここで信頼を返さねば男が廃る!男じゃないけど。
「図書館でのシャルル殿下に対する言動が乱暴だったと、とても反省しています!!!」
ウィルに促され自己紹介したあと、王子に向かって深く頭を下げた。
「あの時会えたのが君で良かった。適切な処置だったと医者も驚いていたよ。だから謝らないで。
今日はお礼が言いたくて来てもらったんだ。」
………お礼を言われた!!!
顔を上げてみると王子が微笑んでいる。めちゃ可愛い!!!
どうやら本当に捕まらないみたいだ。庶民が救助のためとはいえ王族に手を上げたのに。王子寛大!万歳!
せっかくなので気になっていたことを聞く。
「シャルル殿下、もしよろしければどうしてあんな物を召し上がったか教えてもらえますか?」
「………あんな物……とは?」
「ボロン鉱やエステル液ですよ。」
すると王子は何かを止めるようにサッと手を上げた。同時に隣に座っていたウィルが立ち上がる。何かと思って視線を辿ると、黒髪の衛兵が剣に手をかけ後ろに立っていた。
この人、王子が倒れていたときに来た人だ!!でもって私を逮捕しようとした人!!!
「どうしてボロン鉱やエステル液を口にしたと思ったの?」
「だって、シャルル殿下が吐いた物に入ってたから」
手袋から吐瀉物を取り除き溶媒で分離。ボロン鉱は固めて遷移度を測定。エステル液は酸化度と蒸気圧から同定したと説明する。
ウィルが「クーはトマス・カレン教授の助手をしています。」と言葉を添えてくれる。
王子も納得したようで黒髪衛兵に下がるよう命じてくれた。
「王立研究所でも原因物資は何かの鉱物だろうとしか特定できていない。さすが優秀すぎて国を追われた科学魔術師と噂されるだけのことはある。」
教授の噂も気になるが、それよりも……原因物質?つまり意図して口にしたわけではない。事故?それとも………暗殺?
だとしたら黒髪衛兵がさっき私を警戒したのもしかたない。
「わかったよ。アシュレー嬢が君への面会に応じた理由が。
探偵さんは優秀なようだ。」
私もわかった。婚約破棄を引き出すには一回会うだけじゃ絶対無理だ。アシュレー様は暗殺の件を調べるという理由で王子に接触させる気なんだ。
暗殺されかかったとか庶民が知っていい問題じゃないが、私ではなく教授の手を借りているつもりかもしれない。
でもやってやる。
私が真相を見つけてみせる。
「いつボロン鉱が口に入ったか、わかっていますか?」
「昼食に使われていたチーズから鉱物が見つかったから、多分その時に食べてしまったのだと思う。」
ボロン鉱には毒性は無いので、毒味のときに気が付かれなかったんだろう。
吐瀉物中のボロン鉱はもの凄く粒の小さい粉末だった。反応性を上げるために細かい物を使っているのだと思っていたが、食べても分からなくする目的もあったんだろう。
今度かさ増しに使ってみようかな。王家御用達ボロン鉱。
「食べてから倒れるまではどのくらいの時間ですか?
エステル液は何に含まれていたかわかっていますか?
」
矢継ぎ早の質問にも快く答えてくれた王子。
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ジュリエット・メディンヌ。アシュレー様に助けられたときの会話にそんな名前が出てきた気がする。
まだ学生、と言うことは未婚のはずなのに何故王子に話しかけたのだろうか。
もしかして、その時に葡萄酒とエステル液がすり替わった?
「メディンヌ嬢はすぐに従者につれていかれたが、どうも様子が変だったのでガスパーに様子を見てもらった。」
ガスパーというのは黒髪衛兵のことだった。後ろで頷く気配がする。
衛兵がメディンヌ嬢の監視に行っている間に葡萄酒、おそらくエステル液を飲み重合反応が起こり、窒息するに至ったらしい。
「昼食に使ったチーズをいくつかもらえませんか?ボロン鉱が入っているか確認したいです。
確認が取れたらその卸しの業者を調査したいので許可をもらえますか?」
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「いいんですか?シャルル殿下の護衛だとしたら、御身を離れるのはまずいんじゃ……」
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