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1章 ファーストライブ
40話 ハッピーエンドじゃないから
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しばらくすると会場は明るくなり、どんどん
人が体育館を出ていく。
「えっと、俺が知ってる話と違うんだけど」
「うん、それを思ってるのは類だけじゃないよ」
舞は呆れながらに答えた
「でも、レベル高かったよね」
「まぁ、本当に小学生かって思った」
「劇は必ずハッピーエンドじゃないといけないってことはないしな」
舞の明るい声に類と俺も賛同する。
校舎内をぐるりとみて周り、
寮に戻った俺たち。
私と類はソファに座り込み、俺はダイニングの椅子に座る。
約2時間後、雪希はグッタリした表情で帰ってきた。
「おかえり、雪希」
「ただいま、舞」
舞は席を立とうとしたが類の方が早くだったので、舞は座り直した。
「おつかれ、雪希」
「ありがとう、類」
雪希はソファに座る。
「祝賀会でもやったのか?」
「いや、やってないよ。
まぁそんな雰囲気じゃ
なかったから」
「なにかあったの?」
類の声に雪希はため息をつき
「まぁ、祝賀会をやるはずだったんだけど
保護者からクレームが出てね、それの対応に先生は追われちゃって
僕たちも先生がいないのに祝賀会は、って空気になって解散に
なった」
「なんでクレームなんて」
蓮の問いに雪希はポツリと呟いた
「ハッピーエンドじゃないから」
「は?」
「どういうこと?」
その答えに類も私も意味がわからなかった。
「劇は美女と野獣を僕たちらしく
アレンジした話だけどそれが気に入らなかったらみたい」
私の頭には?しか浮かばない
「祝賀会やるのに僕と真希さんあと数人で
先生を呼びに行ったんだけど、保護者の対応に追われててさ。なんでバッドエンドなんだ、小学生の劇ならハッピーエンドにするべきだったって。」
「なに、その偏見」
ボソッと呟いた類はすぐに口に手を当て、
気まずそうに雪希を見る。
「僕ね、この練習期間でみんなと距離を縮められたと思ったんだ。」
雪希の声は震える。
「自分たちでシナリオ考えて、衣装を作って、練習して、すごく楽しくて嬉しくて」
膝の上で握っている拳に涙がつく。
「でも、あれを見ちゃったら、僕たちの努力を、過程を、嬉しさとか達成感とか
全部否定されたみたいで。僕たちのエゴみたいで」
「教室に戻った時、それを言ったら今まで輝いていたみんなの瞳から光が消えたように見えて、白けて、やめようかってことになってみんなどんどん荷物持って帰っちゃって。」
何もいえないでいると
「じゃあ俺たちでやろうよ」
「明後日にでも」
初めに言ったのは類だ、
「類、蓮」
「雪希がやりたかったのとは違うかもしれないけど、俺たちだけの祝賀会をやろうよ」
「ジュースで乾杯したり、
スイーツ食べたり?」
便乗して言うと、2人して首を縦に振る。
雪希は涙を拭い笑顔になったり
そして次の日私たちの番がやってきた、
人が体育館を出ていく。
「えっと、俺が知ってる話と違うんだけど」
「うん、それを思ってるのは類だけじゃないよ」
舞は呆れながらに答えた
「でも、レベル高かったよね」
「まぁ、本当に小学生かって思った」
「劇は必ずハッピーエンドじゃないといけないってことはないしな」
舞の明るい声に類と俺も賛同する。
校舎内をぐるりとみて周り、
寮に戻った俺たち。
私と類はソファに座り込み、俺はダイニングの椅子に座る。
約2時間後、雪希はグッタリした表情で帰ってきた。
「おかえり、雪希」
「ただいま、舞」
舞は席を立とうとしたが類の方が早くだったので、舞は座り直した。
「おつかれ、雪希」
「ありがとう、類」
雪希はソファに座る。
「祝賀会でもやったのか?」
「いや、やってないよ。
まぁそんな雰囲気じゃ
なかったから」
「なにかあったの?」
類の声に雪希はため息をつき
「まぁ、祝賀会をやるはずだったんだけど
保護者からクレームが出てね、それの対応に先生は追われちゃって
僕たちも先生がいないのに祝賀会は、って空気になって解散に
なった」
「なんでクレームなんて」
蓮の問いに雪希はポツリと呟いた
「ハッピーエンドじゃないから」
「は?」
「どういうこと?」
その答えに類も私も意味がわからなかった。
「劇は美女と野獣を僕たちらしく
アレンジした話だけどそれが気に入らなかったらみたい」
私の頭には?しか浮かばない
「祝賀会やるのに僕と真希さんあと数人で
先生を呼びに行ったんだけど、保護者の対応に追われててさ。なんでバッドエンドなんだ、小学生の劇ならハッピーエンドにするべきだったって。」
「なに、その偏見」
ボソッと呟いた類はすぐに口に手を当て、
気まずそうに雪希を見る。
「僕ね、この練習期間でみんなと距離を縮められたと思ったんだ。」
雪希の声は震える。
「自分たちでシナリオ考えて、衣装を作って、練習して、すごく楽しくて嬉しくて」
膝の上で握っている拳に涙がつく。
「でも、あれを見ちゃったら、僕たちの努力を、過程を、嬉しさとか達成感とか
全部否定されたみたいで。僕たちのエゴみたいで」
「教室に戻った時、それを言ったら今まで輝いていたみんなの瞳から光が消えたように見えて、白けて、やめようかってことになってみんなどんどん荷物持って帰っちゃって。」
何もいえないでいると
「じゃあ俺たちでやろうよ」
「明後日にでも」
初めに言ったのは類だ、
「類、蓮」
「雪希がやりたかったのとは違うかもしれないけど、俺たちだけの祝賀会をやろうよ」
「ジュースで乾杯したり、
スイーツ食べたり?」
便乗して言うと、2人して首を縦に振る。
雪希は涙を拭い笑顔になったり
そして次の日私たちの番がやってきた、
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