虹色の薔薇が咲く場所は

如月 りん

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3章 サードライブ

146話 モテない

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「みんな・・・」
「殴りたいならどうぞ、責任が取れるなら」 「せ、責任?」  
戸惑いをよそに続ける。

「私たちは近々大きな公演があるんです
小さなイベントでも大きなイベントでも
全力で挑む。これはRainbow Roseの
みんなで決めていることです。
まぁ当たり前ですけど。
そもそも怪我してステージに出れなかったら?この先のスケジュールが狂ったら?」

「せ、責任って・・・」
「そんな大袈裟な」
怯んでいる先輩達にすかさず
「大袈裟じゃありませんよ。
出演者だけでできてるわけじゃないんです。ステージ、ドラマ、雑誌、何かをするたびにたくさんの人の協力があるんです。
みんな成功させようと必死なんです 

それを指示されたからって理由で暴行を
加えた。沢山の人の努力を無駄にして
その責任、取れるんですか?
もしかしなくても法的制裁と社会的制裁
があると思いますけど。
それでも私を殴りますか?」
(お願い、これで引いて)

願いは届かず
「う、うるせえ!調子に乗りやがって」
拳は飛んでくる
(ダメだったか)

「え!?」
拳をひらりと交わした私に驚く
「なに、それでおしまいですか?
遠慮しなくていいんですよ」
と、あえて挑発した。
(一気に火をつけた方が
終わるの早そう)
と次々にくる攻撃を交わす。
(こっちが手を出したら炎上しそう。
いや、でも正当防衛?)

「あの、話聞いてもらってもいいですか?」
そういうと手はとまる。

先輩達は疲れたのか息が上がっていた。
私は普通。
「なんで疲れてないのよ」
「そりゃあ、交わすだけですし」
(あと、現役アイドルだから)

「先輩、仮に私がここで折れたとして会長に
やましい気持ちなく報告できますか?
それで感謝されて心から喜べますか?
純粋に会長の隣で笑えますか?」

疑心暗鬼なのか先輩の顔色は優れない。
(後、ひと押しかな)

「先輩、好きならアタックすれば
いいじゃないですか。、会長は在学期間が
一年切っているんです。
裏でこんなことをするよりデートに
誘ったり一緒になにかした方がよっぽど
有意義ですよ。
私は会長を会長としか見てませんし、
恋愛感情は微塵もありません」
「本当?」

思わずため息をつく
「さっきからそう示していたつもり
なんですけど」
安心した顔が心底ムカつく

(いろいろ引っ掻き回してなんなのこの先輩、でもよく考えれば実害はこれといってないし
あれも解決したし、怪我とかしてないし。
あとは会長が私に向ける目を
この先輩に向けてくれたらな。
他の先輩達も考えを変えてくれたらな)

「先輩たち、モテないですよね」
う"っ・・・と辛そうな声を出して胸を
押さえた。
(だろうな、あと思ったより反応が素直。
かわいい。先輩に対して可愛いは失礼だけど)

「な、なんでわかるんだよ!」
1人の反論に
「当たり前じゃないですか、頼まれて暴力
なんて、モテるわけないでしょう?
大抵の女子は論外です。
暴力は誰かを守るため。私欲のために
使うなんて女子じゃなくても
印象最悪です。
あと、誰か香水つけてますか?
さっきから匂いがキツイんですけど。
香水はつけすぎると悪臭になりますよ」

指摘が皆さんにクリティカルヒットして
動かなくなった。
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