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新章
十六話 イケメンのえくぼ
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「星野さん。星野さん」
身体が揺すられている……
あれ? 俺は……
「姫野さん……?」
「ふふっ。もうっ、護衛として着いてきて頂いたのに、寝ていたら意味ないじゃないですか~」
そう、いつの間にか寝ていた。
確か、夜神くんの妹、夜神瞳ちゃんと話してて……
「あれ? 瞳ちゃんは?」
何時ものように穏やかな微笑みを向けて来る姫野さん。
その真隣に番いの様に寄り添う夜神くん……
なにがあったか知らないが、随分と仲良くなったようで何よりである。
……事後った?
まぁどうでも良いんだけど。
「何やら、星野さんの瞳に冷たいものを感じるのですが……」
ぷくっと膨れながら、優しく身体を支えてくれる姫野さん。
その後ろにいる落ち着き払った夜神くん。
……気持ち悪い。
ぺチンっ!
「っ!」
姫野さんの手を払ってしまった。
「ご、ごめん。でも、もうダメだろ? ソレで、瞳ちゃんは?」
「……っ! ……」
姫野さんが何かを言いかけて辞めた事には気づいたが、敢えて突かない。
……終わりにする。そう決めた。
ソレに、傲慢な話だが、姫野さんが俺以外と仲良くしている所を目にしたら、熱かった何かが冷めてしまった。
……もう良いだろう。
「妹は訳ありでね。人が多い所を好まないんだ。僕たちが来る前に部屋の奥に避難したんじゃないかな?」
「避難?」
口を閉じて絶望色に染まる姫野さんの代わりに、夜神くんが答えてくれる。
やっぱり良い奴だ。
姫野さん彼に託したことを一ミリの後悔もない。
「ん? もしかして、お気に召したのかい? でも、瞳は……」
「ゲスな勘繰りは辞めてくれよ。そんなんじゃない。ただちょっと……」
ただちょっと……終止、悲しそうにしていたから気になっただけ。
俺が何かやらかしたんじゃ無いかと……
リスティーも良く怒らせるし……
いや、少し話しただけの女の子、気にする必要も無いか。
それより、今は早くリスティーに会いたい。
この胸の空く気持ちをリスティーで埋めたいって言ったら怒りそうだから……ネネにぶつけようかな?
リスティー……
「いや、良いんだ。それより、縁談は上手く行ったみたいだね」
「ソレはお蔭さまさ」
キラリとえくぼを作るイケメンに最早イラッともしない。
どうでもいい。
『あの娘』が言っていた気がする。
『他人は他人。自分は自分。違うのは当たり前です』
と、あんまり覚えてないけど、言われても無いかもしれないけど、何故かソレだけは心にしっくりとはまった。
「ソレで、これからどうするの? 俺としては――」
帰りたい。
「――帰ります」
「「え?」」
俺が言う前に、確固たる意思の篭った声で、姫野さんが断言。
腕を掴まれ、
「今日はもう、帰らせて頂きます。良いですね?」
「あ、うん。構わないさ」
強引に引っ張られる。
そのまま部屋を出ようとしたとき……
ギィ~
部屋の奥へ続く扉が開き、真っ暗な暗がりから、瞳ちゃんが顔だけ出した。
「星野様……また、来てくださいますか?」
「っ! ……貴方はッ!」
瞳ちゃんの姿を見て驚愕している姫野さんに首を傾げつつ、
「良いよ。何か用事があるなら駆け付ける。夜神くんを通せば良いし、これからは何時だって会えるよ」
「っはい! ありがとうございます……星野様」
「固いな。もっと気楽で良いよ。お兄ちゃんとか」
お兄ちゃん。
良い響き。
「あ、はい。ふふ……。また、お会いしましょう。お兄様」
「まだ、固いけど……」
お兄様も良い響きだ。
問題ない。
「わかった。またね」
「早く行きましょう。星野さん」
「あれ? 姫野さんなんか怒ってる?」
「怒ってません」
「怒ってるよね? 絶対怒ってるよね!?」
「嫉妬しているだけです!」
嫉妬って……それ怒ってるやん。
身体が揺すられている……
あれ? 俺は……
「姫野さん……?」
「ふふっ。もうっ、護衛として着いてきて頂いたのに、寝ていたら意味ないじゃないですか~」
そう、いつの間にか寝ていた。
確か、夜神くんの妹、夜神瞳ちゃんと話してて……
「あれ? 瞳ちゃんは?」
何時ものように穏やかな微笑みを向けて来る姫野さん。
その真隣に番いの様に寄り添う夜神くん……
なにがあったか知らないが、随分と仲良くなったようで何よりである。
……事後った?
まぁどうでも良いんだけど。
「何やら、星野さんの瞳に冷たいものを感じるのですが……」
ぷくっと膨れながら、優しく身体を支えてくれる姫野さん。
その後ろにいる落ち着き払った夜神くん。
……気持ち悪い。
ぺチンっ!
「っ!」
姫野さんの手を払ってしまった。
「ご、ごめん。でも、もうダメだろ? ソレで、瞳ちゃんは?」
「……っ! ……」
姫野さんが何かを言いかけて辞めた事には気づいたが、敢えて突かない。
……終わりにする。そう決めた。
ソレに、傲慢な話だが、姫野さんが俺以外と仲良くしている所を目にしたら、熱かった何かが冷めてしまった。
……もう良いだろう。
「妹は訳ありでね。人が多い所を好まないんだ。僕たちが来る前に部屋の奥に避難したんじゃないかな?」
「避難?」
口を閉じて絶望色に染まる姫野さんの代わりに、夜神くんが答えてくれる。
やっぱり良い奴だ。
姫野さん彼に託したことを一ミリの後悔もない。
「ん? もしかして、お気に召したのかい? でも、瞳は……」
「ゲスな勘繰りは辞めてくれよ。そんなんじゃない。ただちょっと……」
ただちょっと……終止、悲しそうにしていたから気になっただけ。
俺が何かやらかしたんじゃ無いかと……
リスティーも良く怒らせるし……
いや、少し話しただけの女の子、気にする必要も無いか。
それより、今は早くリスティーに会いたい。
この胸の空く気持ちをリスティーで埋めたいって言ったら怒りそうだから……ネネにぶつけようかな?
リスティー……
「いや、良いんだ。それより、縁談は上手く行ったみたいだね」
「ソレはお蔭さまさ」
キラリとえくぼを作るイケメンに最早イラッともしない。
どうでもいい。
『あの娘』が言っていた気がする。
『他人は他人。自分は自分。違うのは当たり前です』
と、あんまり覚えてないけど、言われても無いかもしれないけど、何故かソレだけは心にしっくりとはまった。
「ソレで、これからどうするの? 俺としては――」
帰りたい。
「――帰ります」
「「え?」」
俺が言う前に、確固たる意思の篭った声で、姫野さんが断言。
腕を掴まれ、
「今日はもう、帰らせて頂きます。良いですね?」
「あ、うん。構わないさ」
強引に引っ張られる。
そのまま部屋を出ようとしたとき……
ギィ~
部屋の奥へ続く扉が開き、真っ暗な暗がりから、瞳ちゃんが顔だけ出した。
「星野様……また、来てくださいますか?」
「っ! ……貴方はッ!」
瞳ちゃんの姿を見て驚愕している姫野さんに首を傾げつつ、
「良いよ。何か用事があるなら駆け付ける。夜神くんを通せば良いし、これからは何時だって会えるよ」
「っはい! ありがとうございます……星野様」
「固いな。もっと気楽で良いよ。お兄ちゃんとか」
お兄ちゃん。
良い響き。
「あ、はい。ふふ……。また、お会いしましょう。お兄様」
「まだ、固いけど……」
お兄様も良い響きだ。
問題ない。
「わかった。またね」
「早く行きましょう。星野さん」
「あれ? 姫野さんなんか怒ってる?」
「怒ってません」
「怒ってるよね? 絶対怒ってるよね!?」
「嫉妬しているだけです!」
嫉妬って……それ怒ってるやん。
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