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第二部
車内の秘事
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父さんと母さんは変わらず元気だった。着いたのがちょうど昼頃だったから、そのまま四人で外食をし、夕飯の買い物ついでにスーパーに来ていた。
特に母さんは張り切って、夕飯を僕の好きなものにするんだと、父さんを引き連れて先立って歩いていく。僕とナギはそのテンションに微妙についていけず、二人で適当にお菓子でも見繕おうとお菓子コーナーにいた。
「兄さん、ポッキー買おうよ」
「じゃ、折角だし色んな種類買おうか」
極細やチョコがたっぷりついたもの、夏限定の塩チョコなど五種類ほど手にして、父さんたちを探して歩き回る。
よかった。帰り道でちょっと様子がおかしかったけれど、こうしているといつも通りじゃないか。もしかしたら、僕に彼女がいたら、どうすればいいのか聞きたかっただけかもしれない。
モテない兄でごめん、と心の中で謝って、合流出来た両親の持つカゴの中にポッキーを入れていく。
スーパーを出て、父さんの運転する車に乗り込んだ。助手席に母さんが座って、後ろに二人で乗る。外食のために少し遠出したから、ここから家に帰るのに四十分はかかるだろう。
「あれ……?」
とん、と膝に重みを感じ見てみれば、右に座っていたナギが、僕の膝に頭を預けて眠っていた。まだ幼さの残る顔に、やっぱりまだ高校生だもんなぁと知らずのうちに笑みが零れた。
「あら、ナギ寝ちゃったの?」
「リヒトが帰ってくるの、楽しみにしてたもんなぁ」
「ね。昨日なんて寝付けなかったみたいよ?」
両親が話すのを聞いて「そうなんだ」とまたナギに視線をやる。全く、シートベルトくらいしなよ。と思わなくもないが、ぐっすり寝ているみたいだし、今日は迎えにも来てくれたし、せめて家に着くまではこのまま眠らせてあげよう。
僕も着くまで少し休もうかと目を閉じ、背中をシートに預け――
「んー」
身じろぎしたナギの顔が僕のほうへ向く形になり、吐息がジャージ越しに内ももにかかった。それに足が動きそうになるが、動けばナギが起きると思い、僕は息を殺してなんとか動かないように注意をする。
「……っ」
ナギの右手が股の間から伸び、やわやわと身体の中心を探るような動きをする。やがてソレに辿り着いた手は、形をなぞるような動きになり、僕は流石に「ナギ……っ」と声を出した。
「リヒト、ナギがどうかした?」
母さんが声をかけてきた。僕はナギが、と言いかけ、気づく。
ナギがはっきりと目を開けているのを。その口が、静かにと告げている。
こんなところで何を言えばいい? ナギが僕にこんなことをしてるって? 弟が兄を襲っている?
言えるわけがない。
「なん、でもない、よ……っ。ちょっと寝てる、ね」
「えぇ。着いたら起こすわね」
俯いて、寝てるフリを通そうとするが、緩く勃ったソレをナギが逃すわけはなかった。右手で器用にジャージからソレだけを取り出すと、なんの躊躇いもなく舌先で裏スジをゆっくり舐め取っていく。
「ひう……っ」
口を塞ごうにも手を動かすわけにもいかず、僕はナギから与えられる快楽にされるがままになる。そのまま鈴口辺りを舌が撫で、また裏スジを舐められる。
くちゅ、と音が鳴るたびにひやりとしたが、車内にかかるラジオと二人の話し声で、思ったよりは聞こえていないのが救いだった。
「んっ、んう……っ」
中から熱が迫り上がる感覚に、流石にそれだけはと足に力を入れて耐えようとした。けれどもナギの動きは遠慮することなく、むしろ僕を嘲笑うかのように、高みへと導いてしまった。
「……っく」
ナギが口でそれを受け止め、こくりと嚥下する音が聞こえた。
僕は両親が近くにいるのに射精したこと、その相手が弟だったこと、しかもまさかそれを飲まれるだなんて……。その罪悪感に耐えられず、ナギの名前を呼ぶのも忘れて、ただただ目を閉じる。
ジャージが戻され、ナギが「ん」とわざとらしい声を上げて体を起こした。
「あれ? ごめん、兄さん。寝てたみたい」
「……うん。僕も今起きたからいい、よ」
車が家の前に停まる。僕は荷物を降ろすのを手伝って、もう少し寝るよと母さんに言って、自分の部屋へと駆け込むようにして扉を閉めた。
特に母さんは張り切って、夕飯を僕の好きなものにするんだと、父さんを引き連れて先立って歩いていく。僕とナギはそのテンションに微妙についていけず、二人で適当にお菓子でも見繕おうとお菓子コーナーにいた。
「兄さん、ポッキー買おうよ」
「じゃ、折角だし色んな種類買おうか」
極細やチョコがたっぷりついたもの、夏限定の塩チョコなど五種類ほど手にして、父さんたちを探して歩き回る。
よかった。帰り道でちょっと様子がおかしかったけれど、こうしているといつも通りじゃないか。もしかしたら、僕に彼女がいたら、どうすればいいのか聞きたかっただけかもしれない。
モテない兄でごめん、と心の中で謝って、合流出来た両親の持つカゴの中にポッキーを入れていく。
スーパーを出て、父さんの運転する車に乗り込んだ。助手席に母さんが座って、後ろに二人で乗る。外食のために少し遠出したから、ここから家に帰るのに四十分はかかるだろう。
「あれ……?」
とん、と膝に重みを感じ見てみれば、右に座っていたナギが、僕の膝に頭を預けて眠っていた。まだ幼さの残る顔に、やっぱりまだ高校生だもんなぁと知らずのうちに笑みが零れた。
「あら、ナギ寝ちゃったの?」
「リヒトが帰ってくるの、楽しみにしてたもんなぁ」
「ね。昨日なんて寝付けなかったみたいよ?」
両親が話すのを聞いて「そうなんだ」とまたナギに視線をやる。全く、シートベルトくらいしなよ。と思わなくもないが、ぐっすり寝ているみたいだし、今日は迎えにも来てくれたし、せめて家に着くまではこのまま眠らせてあげよう。
僕も着くまで少し休もうかと目を閉じ、背中をシートに預け――
「んー」
身じろぎしたナギの顔が僕のほうへ向く形になり、吐息がジャージ越しに内ももにかかった。それに足が動きそうになるが、動けばナギが起きると思い、僕は息を殺してなんとか動かないように注意をする。
「……っ」
ナギの右手が股の間から伸び、やわやわと身体の中心を探るような動きをする。やがてソレに辿り着いた手は、形をなぞるような動きになり、僕は流石に「ナギ……っ」と声を出した。
「リヒト、ナギがどうかした?」
母さんが声をかけてきた。僕はナギが、と言いかけ、気づく。
ナギがはっきりと目を開けているのを。その口が、静かにと告げている。
こんなところで何を言えばいい? ナギが僕にこんなことをしてるって? 弟が兄を襲っている?
言えるわけがない。
「なん、でもない、よ……っ。ちょっと寝てる、ね」
「えぇ。着いたら起こすわね」
俯いて、寝てるフリを通そうとするが、緩く勃ったソレをナギが逃すわけはなかった。右手で器用にジャージからソレだけを取り出すと、なんの躊躇いもなく舌先で裏スジをゆっくり舐め取っていく。
「ひう……っ」
口を塞ごうにも手を動かすわけにもいかず、僕はナギから与えられる快楽にされるがままになる。そのまま鈴口辺りを舌が撫で、また裏スジを舐められる。
くちゅ、と音が鳴るたびにひやりとしたが、車内にかかるラジオと二人の話し声で、思ったよりは聞こえていないのが救いだった。
「んっ、んう……っ」
中から熱が迫り上がる感覚に、流石にそれだけはと足に力を入れて耐えようとした。けれどもナギの動きは遠慮することなく、むしろ僕を嘲笑うかのように、高みへと導いてしまった。
「……っく」
ナギが口でそれを受け止め、こくりと嚥下する音が聞こえた。
僕は両親が近くにいるのに射精したこと、その相手が弟だったこと、しかもまさかそれを飲まれるだなんて……。その罪悪感に耐えられず、ナギの名前を呼ぶのも忘れて、ただただ目を閉じる。
ジャージが戻され、ナギが「ん」とわざとらしい声を上げて体を起こした。
「あれ? ごめん、兄さん。寝てたみたい」
「……うん。僕も今起きたからいい、よ」
車が家の前に停まる。僕は荷物を降ろすのを手伝って、もう少し寝るよと母さんに言って、自分の部屋へと駆け込むようにして扉を閉めた。
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