27 / 459
友宮の守護者編
知略の女神、動く
しおりを挟む
一日経って、結城たちは再び刺松市の丘の上に登っていた。しかし昨日とは一転して、空気はかなり重い。
なぜかと言えば、結城に肩車された媛寿がこれまでにないほど落ち込んでいたからだ。彼女は今にも雨が降りそうなくらいにどんよりとして、結城の頭に顔を埋めていた。
「う~、う~」
おまけに時々思い出したように結城の髪を引っ張った。
(痛いんだけど……)
結果として、結城が立てた座敷童子の力を応用した潜入作戦は失敗に終わった。どうやっても友宮邸の中には入れなかったのだ。玄関は言わずもがな、壁の上、裏口、人が出入りできそうなところから侵入しようとしても、見えない壁のようなものに遮られてしまった。
媛寿も座敷童子としての意地が出てしまい、途中でコンビニの300円クラスのアイスクリームを要求し、食べて気合を入れてから再挑戦したものの、最後まで潜入は適わなかった。
さすがにプライドが傷ついたのか、撤収してから一晩経っても媛寿は落ち込んだままだった。
機嫌が悪いわけではないので凶運に見舞われてはいないのだが、いつも元気一杯な媛寿がこうも暗い雰囲気だと、結城はもちろん、他の三人も調子が狂っていた。
「元気出しなよ、媛寿。ああいうことも偶にはあるよ」
「う~ん……」
「僕のところに来た時もダンボール箱から出られなかったって言ってたじゃない?」
「あれはただの箱だもん…封印されてたもん…」
「では、トモミヤの屋敷には封印のような力が施されている、ということになりますね?」
アテナは覗いていた双眼鏡から手を離し、代わりに脇に置いていたコンビニの袋を持って結城と媛寿の元までやって来た。
「エンジュ、いつまでもそんな気持ちでいるのは心身に毒ですよ。あなたの行動によってトモミヤは封印らしき力を有することが分かりました。これはあなたがもたらした成果です。どのようなことにも必ず有益な情報があるものなのですよ。とりあえず食べて、気を取り直しなさい」
柔和な微笑を浮かべ、アテナはコンビニ袋一杯に入った昼食と間食用の食べ物を差し出した。
アテナの励ましに少し気が楽になったのか、ようやく顔を上げた媛寿は涙目ではあったが、
「うん……」
と頷いた。
「そうだよ、媛寿。いつまでも落ち込んでいるなんてらしくないよ。ほら、これでも食べて」
結城は右手をコンビニ袋に突っ込み、適当なものを掴んで頭の上の媛寿に差し出した。
「うん。ありがと、ゆうき」
媛寿は結城が掴んだ『午亥棒カルビ味』を受け取り、袋を破ってシャクシャクとかじり始めた。彼女に食べる気力が戻ってきただけ、結城は安堵して胸を撫で下ろした。頭にスナック菓子特有の粉が落ちるのは少しいただけなかったが。
「でもこれは佐権院警視や九木刑事が言っていた以上に厄介なことかもしれませんね」
「ええ、情報の遮断だけではなく侵入者も通さないとは、侮り難い堅牢さです」
改めて丘の上から見下ろす友宮邸は、昨日と寸分違わず、刺松市にその威容を君臨させている。ただ見るだけなら優美な邸宅のはずだが、今の結城には得体の知れないものが住まう魔の空間にさえ思えていた。
「媛寿でも入れなかったとなると相当難しいか。マスクマンは何かいい方法ある?」
「NΨ6→EΓ22↓(訳:いま知り合いの動物たちに探らせているが、媛寿で入れなかったなら望み薄だぞ)」
「そう、ありがとう。シロガネは?」
「ひ、み、つ」
「そ、そう。ありがとう」
妖しく唇に指を当てるシロガネを見て、結城はそれ以上聞くのは止しておこうと思った。おそらくエロいことを考えていると直感が告げていたからだ。
「ユウキ、スマホを貸してもらえますか?」
再び双眼鏡で友宮邸の様子を窺おうとしていた結城に、アテナは不意に手を差し出してきた。
「スマホ?」
「電話をかけます」
「? 分かりました」
彼女が誰に電話をかけるのか見当が付かなかったが、結城はポケットからスマートフォンを取り出し、差し出されたアテナの手に置いた。
アテナは手早く番号を打ち込むと、スマートフォンを耳に当て連絡先からの応答を待った。
『はい。こちら資料課の九木です。またなんか探しモンですか? いいかげんにして欲しいな~。こっちはいくら資料課でヒマだからって便利屋じゃないんだから』
「……資料課の所属だったのですね、クキ」
電話口から何やらバタバタと物が崩れるような音が伝わってきた。連絡先の相手は相当に驚いたようだ。
『ア、アテナ様!? えっ、うそっ!? これ内線でかかってきてる!? 署内にいるの!?』
「まだ私の力を侮っていますね、クキ。神が知りえる人物・場所であるなら、電話番号など無用で連絡が可能です。内線表示されている理由は分かりませんが」
アテナの言葉を聞いて結城は少し納得していた。彼女が打ち込んだ電話番号は、どう考えても数字が少なすぎた。どうやら神様にとって知っているところなら全部内線で繋がるらしい。
『あ、あはは。いや、その、お見それしました』
「ところで、所属をいつもはぐらかしていたのは資料課だったからなのですね?」
『め、名誉のために言っときますが、決して左遷とかじゃないですからね? 何かとオレのダウジングを当てにするとこ多いから、資料課なら他部署との軋轢とかは最小限で済むからってことで―――』
「それで資料課送りになりましたか。出世は絶望的になりましたね」
『うぐっ!』
電話越しに九木は心の傷を抉られたようだ。結城はちょっとだけ九木の境遇が哀れに思えてしまった。悪い人間ではないはずなのだが。
「まぁ、そんなつまらないことはどうでも良いのです」
『ぐふっ! い、いちいちクリティカルな……』
「あなたに用意してもらいたい物があるのです」
『えっ? ああ、そういうこと。てっきり電話でオレの心を拷問するためかと』
「本当はサゲンインに頼めれば良かったのですが、彼はなかなかの上役ですからお忙しいでしょう。なので仕方なくあなたを通すことにしたまでです。資料課であるなら暇でしょうから都合が良い」
『ぐわはっ!』
スマートフォンから盛大な音が響き渡り、その場にいた全員が、九木がいよいよ床に倒れ伏したのが容易に想像できた。
「今から言う物を早急に用意してください」
『うぅ…オ、オレが力尽きるまでに言ってもらえませんか?』
「いいですか? まずは―――」
アテナはいくらかの品を九木に要求したが、結城はその数々を聞いて首を捻った。そこから想起される作戦は、知略の女神アテナとしてはなぜか似つかわしくないと思えたからだ。
なぜかと言えば、結城に肩車された媛寿がこれまでにないほど落ち込んでいたからだ。彼女は今にも雨が降りそうなくらいにどんよりとして、結城の頭に顔を埋めていた。
「う~、う~」
おまけに時々思い出したように結城の髪を引っ張った。
(痛いんだけど……)
結果として、結城が立てた座敷童子の力を応用した潜入作戦は失敗に終わった。どうやっても友宮邸の中には入れなかったのだ。玄関は言わずもがな、壁の上、裏口、人が出入りできそうなところから侵入しようとしても、見えない壁のようなものに遮られてしまった。
媛寿も座敷童子としての意地が出てしまい、途中でコンビニの300円クラスのアイスクリームを要求し、食べて気合を入れてから再挑戦したものの、最後まで潜入は適わなかった。
さすがにプライドが傷ついたのか、撤収してから一晩経っても媛寿は落ち込んだままだった。
機嫌が悪いわけではないので凶運に見舞われてはいないのだが、いつも元気一杯な媛寿がこうも暗い雰囲気だと、結城はもちろん、他の三人も調子が狂っていた。
「元気出しなよ、媛寿。ああいうことも偶にはあるよ」
「う~ん……」
「僕のところに来た時もダンボール箱から出られなかったって言ってたじゃない?」
「あれはただの箱だもん…封印されてたもん…」
「では、トモミヤの屋敷には封印のような力が施されている、ということになりますね?」
アテナは覗いていた双眼鏡から手を離し、代わりに脇に置いていたコンビニの袋を持って結城と媛寿の元までやって来た。
「エンジュ、いつまでもそんな気持ちでいるのは心身に毒ですよ。あなたの行動によってトモミヤは封印らしき力を有することが分かりました。これはあなたがもたらした成果です。どのようなことにも必ず有益な情報があるものなのですよ。とりあえず食べて、気を取り直しなさい」
柔和な微笑を浮かべ、アテナはコンビニ袋一杯に入った昼食と間食用の食べ物を差し出した。
アテナの励ましに少し気が楽になったのか、ようやく顔を上げた媛寿は涙目ではあったが、
「うん……」
と頷いた。
「そうだよ、媛寿。いつまでも落ち込んでいるなんてらしくないよ。ほら、これでも食べて」
結城は右手をコンビニ袋に突っ込み、適当なものを掴んで頭の上の媛寿に差し出した。
「うん。ありがと、ゆうき」
媛寿は結城が掴んだ『午亥棒カルビ味』を受け取り、袋を破ってシャクシャクとかじり始めた。彼女に食べる気力が戻ってきただけ、結城は安堵して胸を撫で下ろした。頭にスナック菓子特有の粉が落ちるのは少しいただけなかったが。
「でもこれは佐権院警視や九木刑事が言っていた以上に厄介なことかもしれませんね」
「ええ、情報の遮断だけではなく侵入者も通さないとは、侮り難い堅牢さです」
改めて丘の上から見下ろす友宮邸は、昨日と寸分違わず、刺松市にその威容を君臨させている。ただ見るだけなら優美な邸宅のはずだが、今の結城には得体の知れないものが住まう魔の空間にさえ思えていた。
「媛寿でも入れなかったとなると相当難しいか。マスクマンは何かいい方法ある?」
「NΨ6→EΓ22↓(訳:いま知り合いの動物たちに探らせているが、媛寿で入れなかったなら望み薄だぞ)」
「そう、ありがとう。シロガネは?」
「ひ、み、つ」
「そ、そう。ありがとう」
妖しく唇に指を当てるシロガネを見て、結城はそれ以上聞くのは止しておこうと思った。おそらくエロいことを考えていると直感が告げていたからだ。
「ユウキ、スマホを貸してもらえますか?」
再び双眼鏡で友宮邸の様子を窺おうとしていた結城に、アテナは不意に手を差し出してきた。
「スマホ?」
「電話をかけます」
「? 分かりました」
彼女が誰に電話をかけるのか見当が付かなかったが、結城はポケットからスマートフォンを取り出し、差し出されたアテナの手に置いた。
アテナは手早く番号を打ち込むと、スマートフォンを耳に当て連絡先からの応答を待った。
『はい。こちら資料課の九木です。またなんか探しモンですか? いいかげんにして欲しいな~。こっちはいくら資料課でヒマだからって便利屋じゃないんだから』
「……資料課の所属だったのですね、クキ」
電話口から何やらバタバタと物が崩れるような音が伝わってきた。連絡先の相手は相当に驚いたようだ。
『ア、アテナ様!? えっ、うそっ!? これ内線でかかってきてる!? 署内にいるの!?』
「まだ私の力を侮っていますね、クキ。神が知りえる人物・場所であるなら、電話番号など無用で連絡が可能です。内線表示されている理由は分かりませんが」
アテナの言葉を聞いて結城は少し納得していた。彼女が打ち込んだ電話番号は、どう考えても数字が少なすぎた。どうやら神様にとって知っているところなら全部内線で繋がるらしい。
『あ、あはは。いや、その、お見それしました』
「ところで、所属をいつもはぐらかしていたのは資料課だったからなのですね?」
『め、名誉のために言っときますが、決して左遷とかじゃないですからね? 何かとオレのダウジングを当てにするとこ多いから、資料課なら他部署との軋轢とかは最小限で済むからってことで―――』
「それで資料課送りになりましたか。出世は絶望的になりましたね」
『うぐっ!』
電話越しに九木は心の傷を抉られたようだ。結城はちょっとだけ九木の境遇が哀れに思えてしまった。悪い人間ではないはずなのだが。
「まぁ、そんなつまらないことはどうでも良いのです」
『ぐふっ! い、いちいちクリティカルな……』
「あなたに用意してもらいたい物があるのです」
『えっ? ああ、そういうこと。てっきり電話でオレの心を拷問するためかと』
「本当はサゲンインに頼めれば良かったのですが、彼はなかなかの上役ですからお忙しいでしょう。なので仕方なくあなたを通すことにしたまでです。資料課であるなら暇でしょうから都合が良い」
『ぐわはっ!』
スマートフォンから盛大な音が響き渡り、その場にいた全員が、九木がいよいよ床に倒れ伏したのが容易に想像できた。
「今から言う物を早急に用意してください」
『うぅ…オ、オレが力尽きるまでに言ってもらえませんか?』
「いいですか? まずは―――」
アテナはいくらかの品を九木に要求したが、結城はその数々を聞いて首を捻った。そこから想起される作戦は、知略の女神アテナとしてはなぜか似つかわしくないと思えたからだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
みなしごだからと婚約破棄された聖女は実は女神の化身だった件について
青の雀
恋愛
ある冬の寒い日、公爵邸の門前に一人の女の子が捨てられていました。その女の子はなぜか黄金のおくるみに包まれていたのです。
公爵夫妻に娘がいなかったこともあり、本当の娘として大切に育てられてきました。年頃になり聖女認定されたので、王太子殿下の婚約者として内定されました。
ライバル公爵令嬢から、孤児だと暴かれたおかげで婚約破棄されてしまいます。
怒った女神は、養母のいる領地以外をすべて氷の国に変えてしまいます。
慌てた王国は、女神の怒りを収めようとあれやこれや手を尽くしますが、すべて裏目に出て滅びの道まっしぐらとなります。
というお話にする予定です。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる