136 / 459
化生の群編
奪還者
しおりを挟む
「お嬢、大丈夫か!」
「お、お嬢様、ご、ご無事ですか~!」
結城と媛寿の遣り取りに呆然としていた雛祈は、桜一郎と千冬の声でハッと我に返った。
「桜一郎! 千冬! あれを拘束して!」
すぐ目の前には村長宅を襲撃してきた異形が倒れている。媛寿の一撃で完全に脳を揺さぶられたのか、動く気配は微塵もない。この好機を逃すなどあり得ないと思い、雛祈はすぐに従者である二人に命じた。
「あ~、首いてっ。雛祈ちゃん、村長は?」
「あっ!」
起き上がってきた稔丸に言われ、雛祈は急いで村長を探しに駆け出した。異形に壁に叩きつけられたとあっては、相当な怪我を負っている可能性が高い。何か裏事情も知っていることを加味すると、命を落とされては非常に困る。
破壊された居間を通り抜け、反対側の庭に出た雛祈は周りを見渡して村長を探す。
すぐに倒れている村長は見つかったが、その状態は雛祈が想像していたものとは全く違っていた。
壁に激突して外に放り出されたために体のあちこちを負傷していたが、そのほとんどが止血され、ガーゼと包帯で応急処置されていた。見ると傍らには救急箱やAEDが置かれていた。
雛祈は不可解に思ったが、すぐに謎は解けた。異形が攻め込んできてから一連の戦闘で、結城と媛寿の姿は見かけなかった。つまり結城と媛寿は雛祈たちに加勢するまでの間、負傷した村長の手当てをしていたということだ。
「村長さんは息を吹き返したけど、怪我がひどいから早く病院に―――ひっ!」
雛祈を追って結城がやってきたが、振り向いた雛祈にいきなり睨まれたために思わず息を呑んだ。
雛祈は殺意さえ含んでいそうな視線で結城を射抜こうとしている。いろいろな感情がない交ぜになっているが、一つは悔しかったからだ。
雛祈たちが異形への応戦で手一杯だったとはいえ、結城たちは負傷した村長の救命のために行動した。雛祈でさえ戦闘が終結するまで村長のことを忘れていたのに、結城は村長を救うという選択肢を除外していなかった。もし結城たちが手当てをしていなかったら、村長は助からなかったかもしれない。その意識の差が出てしまったのが、雛祈にはたまらなく悔しかった。
そしてもう一つ、雛祈には憤慨している理由があった。結城たちが村長の応急処置をしている間、雛祈たちは異形と戦っていたわけだが、それは裏を返せば囮に使われたのと同じだった。結城にはそんなつもりは一切無かったが、形としては雛祈たちに異形を任せ、村長を救い、最後には異形を仕留めるという成果を上げている。いわゆる美味しいトコ取りをされたのだ。
雛祈としては何一つ面白くない結末だったが、実際に結城たちの功績をまざまざと見せ付けられてしまっては、文句など言えるはずもない。なので、ありったけの殺意を込めて結城を睨みつけるのがせいぜいだった。
そんな雛祈の心情など全く知る由もなく、結城は目の前で睨みつけてくる、髪がボサボサに乱れた少女に困惑するばかりだった。
眼と表情筋が痛くなるくらい睨みつけていた雛祈だったが、ふと視界の端に捉えたものが気になって表情を緩めた。
いつの間にか結城の後ろに来ていた媛寿が、サングラスとコーヒーシガレット(ミルクコーヒー味のタバコ型ラムネ菓子)をくわえた出で立ちで、雛祈のことを見つめている。そして一緒に持ってきたのだろうか、結城たちが隠れていた段ボール箱を後ろに置き、それを拳で軽くノックするような仕草を見せた。
それを見た雛祈はビクリと体を震わせた。段ボール箱は形が大きくひしゃげていた。理由は雛祈が箱から飛び出す際、力を込めて払いのけたからだ。
媛寿が言いたいことは、雛祈には充分に分かった。暗に『段ボールを台なしにしたのをどうしてくれるのか?』と示しているのだ。
雛祈は一転して冷や汗が出てきた。座敷童子から恨みを買ったとあっては、どんな不運が襲いくるか、想像するだに恐ろしい。まして、媛寿は上位の座敷童子であるため、降りかかる不運は比例して大きくなる。いまここで命に関わるような出来事が起こっても、何ら不思議ではないのだ。
蛇に睨まれた蛙の如く、今度は雛祈が媛寿に見つめられ、動けなくなっていた。
「? あっ、媛寿。いつの間に?」
雛祈の様子を変に思った結城が後ろを振り返り、媛寿の姿を確認した。
「あれ? 今度は『満月にほえろ!』ごっこ?」
「ちーがーうー! これは『エスカルゴ13』!」
結城と話し始めたことで、媛寿から発せられる気が緩み、雛祈はその場にへなへなと座り込んだ。助かったわけではないが、近いうちに菓子折りでも準備する必要があると真剣に思案していた。
「ところで媛寿、さっき僕が目を瞑ってる間に何投げたの? すごい爆発だったけど」
「でっかいはなびー!」
両手をいっぱいに伸ばして大きさを表現する媛寿。だが、その会話を聞いていた雛祈は、眉をひくひくと痙攣させた。投げられたのは花火などと生易しい物ではなく、正真正銘の手榴弾だったのだから。
一体どこで入手したのか、雛祈には皆目見当が付かなかったが、何も言わないでおこうと心に決めていた。サングラスを少しずらして見せた媛寿のジト目が、『バラしたら許さん』と告げていたからだ。
「花火玉か何か注文してたの!? でも打ち上げ用の筒とかなかったはずだけど……」
「あてな様になげてもらう~」
「お、怒られたりしないかな~、それ」
「なっ!? お前は―――ぐあぁ!」
他愛のない話をしていた二人だったが、桜一郎の急な叫び声が耳に届き、すぐさま異形を倒した場所まで取って返した。雛祈も同じく異変を察知し、従者たちの元へ駆け出した。
「あぁっ!」
今度は千冬の叫び声が響き渡る。
急いで戻ってきた三人は、そこでまた別の異形を目撃した。結城と媛寿は初見だったが、雛祈にはしっかりと見覚えがあった。青黒い妖と人間が混ざり合ったような、斑の怪物。雛祈たちが森で遭った正体不明の妖怪だった。桜一郎に斬り落とされた左腕が、それをはっきりと証明していた。
桜一郎と千冬は攻撃を受けたのか、地面に倒れて呻いている。おそらく相当うまく奇襲を仕掛けたのだろうと、雛祈は推察した。
「シャアアッ!」
斑の怪物は鋭い牙を剥きだし、結城たちを威嚇する。
「うっ!」
「くっ!」
そのまま戦闘に突入するかと思いきや、斑の怪物は継ぎ合わせの異形を担ぎ上げると、一跳びで丘を下りていった。威嚇をしたのは異形を連れて行くための隙を作るためだったらしい。ほんの一分にも満たない、あまりに急な出来事だった。
捕らえた敵を取り逃がすという大失態となってしまったが、雛祈は内心安堵していた。仮に戦闘を継続することになっていれば、手持ちの装備だけでどこまで対応できたか分からない。時間が経てば、先に倒していた異形も復活していた可能性もある。そうなれば、この場での全員の生存率は非常に低くなっていただろう。
敵は鬼の末裔に拮抗しうる戦闘力を持ち、高い知性さえ兼ね備えている。この先に一切の油断はすまいと、雛祈は心に決めた。
「ふっは~、恐かった~。あれがマスクマンの言ってた怪物かな?」
腰が抜けたように結城はその場に座り込んだ。
雛祈はそれとなく結城に視線を向けた。結城がなぜ村長宅に来ていたのか不明ではあるが、結果として助けられたのは事実だった。その点はやはり腹立たしいことに変わりはない。
ただ、もし結城がいなかった場合、村長は命が危うく、雛祈たちもこの程度で済んでいなかったかもしれない。それが、結城が介入したことで回避された。
(この男にそれほどの力があるの?)
結城への評価は変わらず、変えるつもりもないが、雛祈は目の前で座り込んでいる凡人に、不思議とそんな疑問が浮かんできた。たとえ座敷童子が補助として付いているとしても、だ。
「ゆうきゆうき! あのひと、はやくびょういん!」
「あっ、そうだった!」
媛寿に言われ、結城は慌てて立ち上がり、村長の元へ駆けていった。媛寿もどこから出したのか、組み立て式の担架を引き擦って後を追う。
「お嬢!」
「お、お嬢様~!」
結城たちが走っていくのを見つめていた雛祈に、回復した桜一郎と千冬が駆け寄ってきた。二人とも不意は突かれたが、それほど負傷はしていないようだ。
「すまない。奴を連れ去られた」
「お、お嬢様、も、申し訳ありません」
「いまは私より村長を優先させて! 私が病院に連絡を取るから、桜一郎と千冬は村長を運んで! くれぐれも慎重に!」
「分かった!」
「す、すぐに!」
雛祈の命を受け、二人も村長の元へ向かう。それを見送りながら雛祈は、
(これで勝ったと思わないでよ)
と、心の中で呟いていた。
「いや~、とんだ訪問になっちゃったね~」
かなり遅れて稔丸が雛祈の前にやって来た。先程の戦闘もどこ吹く風とばかりに、ハンカチでサングラスを拭いている。
「ところで雛祈ちゃん。あの座敷童子連れてる人のこと、説明してくれるよね?」
稔丸は拭き終ったサングラスをかけ、雛祈にそっと視線を送った。それは美味しい儲け話を見つけた商売人の目だった。
雛祈はもう一つ厄介なことが増えてしまい、物凄く嫌そうな顔をした。
「お、お嬢様、ご、ご無事ですか~!」
結城と媛寿の遣り取りに呆然としていた雛祈は、桜一郎と千冬の声でハッと我に返った。
「桜一郎! 千冬! あれを拘束して!」
すぐ目の前には村長宅を襲撃してきた異形が倒れている。媛寿の一撃で完全に脳を揺さぶられたのか、動く気配は微塵もない。この好機を逃すなどあり得ないと思い、雛祈はすぐに従者である二人に命じた。
「あ~、首いてっ。雛祈ちゃん、村長は?」
「あっ!」
起き上がってきた稔丸に言われ、雛祈は急いで村長を探しに駆け出した。異形に壁に叩きつけられたとあっては、相当な怪我を負っている可能性が高い。何か裏事情も知っていることを加味すると、命を落とされては非常に困る。
破壊された居間を通り抜け、反対側の庭に出た雛祈は周りを見渡して村長を探す。
すぐに倒れている村長は見つかったが、その状態は雛祈が想像していたものとは全く違っていた。
壁に激突して外に放り出されたために体のあちこちを負傷していたが、そのほとんどが止血され、ガーゼと包帯で応急処置されていた。見ると傍らには救急箱やAEDが置かれていた。
雛祈は不可解に思ったが、すぐに謎は解けた。異形が攻め込んできてから一連の戦闘で、結城と媛寿の姿は見かけなかった。つまり結城と媛寿は雛祈たちに加勢するまでの間、負傷した村長の手当てをしていたということだ。
「村長さんは息を吹き返したけど、怪我がひどいから早く病院に―――ひっ!」
雛祈を追って結城がやってきたが、振り向いた雛祈にいきなり睨まれたために思わず息を呑んだ。
雛祈は殺意さえ含んでいそうな視線で結城を射抜こうとしている。いろいろな感情がない交ぜになっているが、一つは悔しかったからだ。
雛祈たちが異形への応戦で手一杯だったとはいえ、結城たちは負傷した村長の救命のために行動した。雛祈でさえ戦闘が終結するまで村長のことを忘れていたのに、結城は村長を救うという選択肢を除外していなかった。もし結城たちが手当てをしていなかったら、村長は助からなかったかもしれない。その意識の差が出てしまったのが、雛祈にはたまらなく悔しかった。
そしてもう一つ、雛祈には憤慨している理由があった。結城たちが村長の応急処置をしている間、雛祈たちは異形と戦っていたわけだが、それは裏を返せば囮に使われたのと同じだった。結城にはそんなつもりは一切無かったが、形としては雛祈たちに異形を任せ、村長を救い、最後には異形を仕留めるという成果を上げている。いわゆる美味しいトコ取りをされたのだ。
雛祈としては何一つ面白くない結末だったが、実際に結城たちの功績をまざまざと見せ付けられてしまっては、文句など言えるはずもない。なので、ありったけの殺意を込めて結城を睨みつけるのがせいぜいだった。
そんな雛祈の心情など全く知る由もなく、結城は目の前で睨みつけてくる、髪がボサボサに乱れた少女に困惑するばかりだった。
眼と表情筋が痛くなるくらい睨みつけていた雛祈だったが、ふと視界の端に捉えたものが気になって表情を緩めた。
いつの間にか結城の後ろに来ていた媛寿が、サングラスとコーヒーシガレット(ミルクコーヒー味のタバコ型ラムネ菓子)をくわえた出で立ちで、雛祈のことを見つめている。そして一緒に持ってきたのだろうか、結城たちが隠れていた段ボール箱を後ろに置き、それを拳で軽くノックするような仕草を見せた。
それを見た雛祈はビクリと体を震わせた。段ボール箱は形が大きくひしゃげていた。理由は雛祈が箱から飛び出す際、力を込めて払いのけたからだ。
媛寿が言いたいことは、雛祈には充分に分かった。暗に『段ボールを台なしにしたのをどうしてくれるのか?』と示しているのだ。
雛祈は一転して冷や汗が出てきた。座敷童子から恨みを買ったとあっては、どんな不運が襲いくるか、想像するだに恐ろしい。まして、媛寿は上位の座敷童子であるため、降りかかる不運は比例して大きくなる。いまここで命に関わるような出来事が起こっても、何ら不思議ではないのだ。
蛇に睨まれた蛙の如く、今度は雛祈が媛寿に見つめられ、動けなくなっていた。
「? あっ、媛寿。いつの間に?」
雛祈の様子を変に思った結城が後ろを振り返り、媛寿の姿を確認した。
「あれ? 今度は『満月にほえろ!』ごっこ?」
「ちーがーうー! これは『エスカルゴ13』!」
結城と話し始めたことで、媛寿から発せられる気が緩み、雛祈はその場にへなへなと座り込んだ。助かったわけではないが、近いうちに菓子折りでも準備する必要があると真剣に思案していた。
「ところで媛寿、さっき僕が目を瞑ってる間に何投げたの? すごい爆発だったけど」
「でっかいはなびー!」
両手をいっぱいに伸ばして大きさを表現する媛寿。だが、その会話を聞いていた雛祈は、眉をひくひくと痙攣させた。投げられたのは花火などと生易しい物ではなく、正真正銘の手榴弾だったのだから。
一体どこで入手したのか、雛祈には皆目見当が付かなかったが、何も言わないでおこうと心に決めていた。サングラスを少しずらして見せた媛寿のジト目が、『バラしたら許さん』と告げていたからだ。
「花火玉か何か注文してたの!? でも打ち上げ用の筒とかなかったはずだけど……」
「あてな様になげてもらう~」
「お、怒られたりしないかな~、それ」
「なっ!? お前は―――ぐあぁ!」
他愛のない話をしていた二人だったが、桜一郎の急な叫び声が耳に届き、すぐさま異形を倒した場所まで取って返した。雛祈も同じく異変を察知し、従者たちの元へ駆け出した。
「あぁっ!」
今度は千冬の叫び声が響き渡る。
急いで戻ってきた三人は、そこでまた別の異形を目撃した。結城と媛寿は初見だったが、雛祈にはしっかりと見覚えがあった。青黒い妖と人間が混ざり合ったような、斑の怪物。雛祈たちが森で遭った正体不明の妖怪だった。桜一郎に斬り落とされた左腕が、それをはっきりと証明していた。
桜一郎と千冬は攻撃を受けたのか、地面に倒れて呻いている。おそらく相当うまく奇襲を仕掛けたのだろうと、雛祈は推察した。
「シャアアッ!」
斑の怪物は鋭い牙を剥きだし、結城たちを威嚇する。
「うっ!」
「くっ!」
そのまま戦闘に突入するかと思いきや、斑の怪物は継ぎ合わせの異形を担ぎ上げると、一跳びで丘を下りていった。威嚇をしたのは異形を連れて行くための隙を作るためだったらしい。ほんの一分にも満たない、あまりに急な出来事だった。
捕らえた敵を取り逃がすという大失態となってしまったが、雛祈は内心安堵していた。仮に戦闘を継続することになっていれば、手持ちの装備だけでどこまで対応できたか分からない。時間が経てば、先に倒していた異形も復活していた可能性もある。そうなれば、この場での全員の生存率は非常に低くなっていただろう。
敵は鬼の末裔に拮抗しうる戦闘力を持ち、高い知性さえ兼ね備えている。この先に一切の油断はすまいと、雛祈は心に決めた。
「ふっは~、恐かった~。あれがマスクマンの言ってた怪物かな?」
腰が抜けたように結城はその場に座り込んだ。
雛祈はそれとなく結城に視線を向けた。結城がなぜ村長宅に来ていたのか不明ではあるが、結果として助けられたのは事実だった。その点はやはり腹立たしいことに変わりはない。
ただ、もし結城がいなかった場合、村長は命が危うく、雛祈たちもこの程度で済んでいなかったかもしれない。それが、結城が介入したことで回避された。
(この男にそれほどの力があるの?)
結城への評価は変わらず、変えるつもりもないが、雛祈は目の前で座り込んでいる凡人に、不思議とそんな疑問が浮かんできた。たとえ座敷童子が補助として付いているとしても、だ。
「ゆうきゆうき! あのひと、はやくびょういん!」
「あっ、そうだった!」
媛寿に言われ、結城は慌てて立ち上がり、村長の元へ駆けていった。媛寿もどこから出したのか、組み立て式の担架を引き擦って後を追う。
「お嬢!」
「お、お嬢様~!」
結城たちが走っていくのを見つめていた雛祈に、回復した桜一郎と千冬が駆け寄ってきた。二人とも不意は突かれたが、それほど負傷はしていないようだ。
「すまない。奴を連れ去られた」
「お、お嬢様、も、申し訳ありません」
「いまは私より村長を優先させて! 私が病院に連絡を取るから、桜一郎と千冬は村長を運んで! くれぐれも慎重に!」
「分かった!」
「す、すぐに!」
雛祈の命を受け、二人も村長の元へ向かう。それを見送りながら雛祈は、
(これで勝ったと思わないでよ)
と、心の中で呟いていた。
「いや~、とんだ訪問になっちゃったね~」
かなり遅れて稔丸が雛祈の前にやって来た。先程の戦闘もどこ吹く風とばかりに、ハンカチでサングラスを拭いている。
「ところで雛祈ちゃん。あの座敷童子連れてる人のこと、説明してくれるよね?」
稔丸は拭き終ったサングラスをかけ、雛祈にそっと視線を送った。それは美味しい儲け話を見つけた商売人の目だった。
雛祈はもう一つ厄介なことが増えてしまい、物凄く嫌そうな顔をした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
みなしごだからと婚約破棄された聖女は実は女神の化身だった件について
青の雀
恋愛
ある冬の寒い日、公爵邸の門前に一人の女の子が捨てられていました。その女の子はなぜか黄金のおくるみに包まれていたのです。
公爵夫妻に娘がいなかったこともあり、本当の娘として大切に育てられてきました。年頃になり聖女認定されたので、王太子殿下の婚約者として内定されました。
ライバル公爵令嬢から、孤児だと暴かれたおかげで婚約破棄されてしまいます。
怒った女神は、養母のいる領地以外をすべて氷の国に変えてしまいます。
慌てた王国は、女神の怒りを収めようとあれやこれや手を尽くしますが、すべて裏目に出て滅びの道まっしぐらとなります。
というお話にする予定です。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる