141 / 196
22章
140.プレゼント
しおりを挟む
ワープポイントを使って洞窟があった場所へ。
だが、そこには何もなく、雪原が広がっているだけ。
ロクは辺りを見渡し首を傾げる。
「ここにあったはずなんだが……」
「渡者、場所間違えたんじゃないのか?」
ま、俺は場所さえ覚えてないけどな~。とルーパルドは渇いた笑いを浮かべた。
だから責められないとでも言うような言い方だ。ルーパルドも少しは吹っ切れたのだろう。
昔のままだったらもっと意味もなく怒っていそうだ。
「あってますよ」
「うお!」
ひょっこり現れた召使。ルーパルドは声を上げ、ロクは瞬時に距離をとった。
ちなみにイナトは微動だにしていない。イナトは召使を見て、質問を投げかける。
「ということは、もしかして救世主専用洞窟でしょうか」
「はい。スタート国に現れるはずの洞窟が、なぜかこの国に出現してしまったようです」
私の近くで「バグ、というやつですね」と小声でそう説明してくれた。3人に言ってもわからないから私にこっそりそう言ったのだろう。
召使もこの世界をゲーム世界として認識しているのだろうか。ゲーム世界としての認識でなくても、救世主を助ける側の神や召使など限られた人だけ知っているのかもしれない。
「洞窟をお探しですか?」
「いえ、もしかしたらこの付近で召使さんいるかなーと思って」
「なるほど。……ここのマップのアップグレードはまだでしたからね」
早速マップをアップグレード。意外とアップグレード用の素材は簡単だ。出会う魔物を倒し続けていたら余るほどの素材だ。
「ここまでお疲れ様でした。もう一息ですね」
「これも召使さんのサポートあってですよ」
「ありがとうございます。今後も出来る限りサポートをさせていただきますよ」
それでは。と召使は姿を消した。
最初から助けてくれているが、会話はほどほど。自身のことも話さないので、どんな人か今もよくわかっていない。
「仕事人ってやつ?」
「あれくらい淡白だとそう思いますよね。でも、気をつけてくださいね。意外とああいうタイプの方が執着強いですよ」
ルーパルドに言われ、この世界ならあり得そうだと思いちょっと怖くなった。
「やだなー。流石にそんなこと、ないでしょ……」
そうでないと困る。これ以上私に好意を向けてくる男はいらない。ゲームだったら選びたい放題だ~なんて喜べたはずなのに。浮気もきっとし放題だろう。と言っても、どんなシステムか知らないのだが。
さすがに生身……と言って良いかわからないが、私が自分で体験している風になっているのだから、自重は必要だ。元の世界に帰ったら満喫させてもらおう。
「ところで、ダンジョンの場所はわかりましたか?」
イナトに言われてマップを開く。すると、すぐにそれらしきものを見つけた。魔族の巣窟ど真ん中。デカデカとダンジョンと書かれている。何で突然こんなに雑なんだろう。
元々ネーミングセンスが微妙だったり、男がちょろすぎるとかあったりはしていたけれども……
私のマップは皆に見えないため、イナトの持っている地図で場所を指差す。
「ここだね」
すると、ルーパルドは顔を引き攣った。
「魔族に見つからずダンジョン攻略とか無理じゃないです?」
「メカクレオンの素材でどうにからないか?」
「ああ、そういえばそんなのあったね」
箱のアイテムボックスに入れっぱなしの素材。まさかここで役に立つかもしれないだなんて。
「ちょうどいいですし、今日のところは休みましょうか。メカクレオンの素材をどう使うかも考えなければいけませんし」
◇
箱に入った後、私は1人1人にアクセサリーを渡していく。
「はい、どうぞ」
ダサいだのなんだの言われたらどうしようなんて考えていたが、皆喜んでくれたようだ。まあ、これも私が救世主だからだろう。多分。
「俺からもこれをやる」
ロクは親指につける用の指輪をくれた。それを見た途端、慌てるルーパルド。
「は!? 渡者がアクセサリーを?!」
「渡してないの俺だけじゃね!?」とルーパルドは"負けた"とでも言うかのように口を大きく開け、衝撃を受けている。
つい最近イナトからブレスレットを貰ったし、自分だけ渡していない。と思うのはしょうがない。だが、そんなにアクセサリーを貰っても、効果を発揮するのは一部だけ。
装備を整理した方がいいかも……いや、装備できるスロットが増えれば問題ない気もする。レベルアップしたらスロット増えないかな。
「あの、これをどうぞ」
突然ポーチから取り出されたネックレス。男物のようだが、ルーパルドの私物だろうか。
「なんか、男は女物を、女は男物を身につけると良いとか唆されて、ついペア用の買っちゃって」
照れるルーパルド。それを隣でジト目で見ているロク。
「俺のは渡者の証のやつだ。指輪の方が落としにくいと思ったんだ。あの金髪のだって実用的なやつだろ」
ロクとしては、お前だけ機能性じゃなく恋愛向けのアクセサリーを渡すなんて。と言っていそうに見える。実際の心の声はわからないが、強ち間違っていないのではないかと思われる。
だが、そこには何もなく、雪原が広がっているだけ。
ロクは辺りを見渡し首を傾げる。
「ここにあったはずなんだが……」
「渡者、場所間違えたんじゃないのか?」
ま、俺は場所さえ覚えてないけどな~。とルーパルドは渇いた笑いを浮かべた。
だから責められないとでも言うような言い方だ。ルーパルドも少しは吹っ切れたのだろう。
昔のままだったらもっと意味もなく怒っていそうだ。
「あってますよ」
「うお!」
ひょっこり現れた召使。ルーパルドは声を上げ、ロクは瞬時に距離をとった。
ちなみにイナトは微動だにしていない。イナトは召使を見て、質問を投げかける。
「ということは、もしかして救世主専用洞窟でしょうか」
「はい。スタート国に現れるはずの洞窟が、なぜかこの国に出現してしまったようです」
私の近くで「バグ、というやつですね」と小声でそう説明してくれた。3人に言ってもわからないから私にこっそりそう言ったのだろう。
召使もこの世界をゲーム世界として認識しているのだろうか。ゲーム世界としての認識でなくても、救世主を助ける側の神や召使など限られた人だけ知っているのかもしれない。
「洞窟をお探しですか?」
「いえ、もしかしたらこの付近で召使さんいるかなーと思って」
「なるほど。……ここのマップのアップグレードはまだでしたからね」
早速マップをアップグレード。意外とアップグレード用の素材は簡単だ。出会う魔物を倒し続けていたら余るほどの素材だ。
「ここまでお疲れ様でした。もう一息ですね」
「これも召使さんのサポートあってですよ」
「ありがとうございます。今後も出来る限りサポートをさせていただきますよ」
それでは。と召使は姿を消した。
最初から助けてくれているが、会話はほどほど。自身のことも話さないので、どんな人か今もよくわかっていない。
「仕事人ってやつ?」
「あれくらい淡白だとそう思いますよね。でも、気をつけてくださいね。意外とああいうタイプの方が執着強いですよ」
ルーパルドに言われ、この世界ならあり得そうだと思いちょっと怖くなった。
「やだなー。流石にそんなこと、ないでしょ……」
そうでないと困る。これ以上私に好意を向けてくる男はいらない。ゲームだったら選びたい放題だ~なんて喜べたはずなのに。浮気もきっとし放題だろう。と言っても、どんなシステムか知らないのだが。
さすがに生身……と言って良いかわからないが、私が自分で体験している風になっているのだから、自重は必要だ。元の世界に帰ったら満喫させてもらおう。
「ところで、ダンジョンの場所はわかりましたか?」
イナトに言われてマップを開く。すると、すぐにそれらしきものを見つけた。魔族の巣窟ど真ん中。デカデカとダンジョンと書かれている。何で突然こんなに雑なんだろう。
元々ネーミングセンスが微妙だったり、男がちょろすぎるとかあったりはしていたけれども……
私のマップは皆に見えないため、イナトの持っている地図で場所を指差す。
「ここだね」
すると、ルーパルドは顔を引き攣った。
「魔族に見つからずダンジョン攻略とか無理じゃないです?」
「メカクレオンの素材でどうにからないか?」
「ああ、そういえばそんなのあったね」
箱のアイテムボックスに入れっぱなしの素材。まさかここで役に立つかもしれないだなんて。
「ちょうどいいですし、今日のところは休みましょうか。メカクレオンの素材をどう使うかも考えなければいけませんし」
◇
箱に入った後、私は1人1人にアクセサリーを渡していく。
「はい、どうぞ」
ダサいだのなんだの言われたらどうしようなんて考えていたが、皆喜んでくれたようだ。まあ、これも私が救世主だからだろう。多分。
「俺からもこれをやる」
ロクは親指につける用の指輪をくれた。それを見た途端、慌てるルーパルド。
「は!? 渡者がアクセサリーを?!」
「渡してないの俺だけじゃね!?」とルーパルドは"負けた"とでも言うかのように口を大きく開け、衝撃を受けている。
つい最近イナトからブレスレットを貰ったし、自分だけ渡していない。と思うのはしょうがない。だが、そんなにアクセサリーを貰っても、効果を発揮するのは一部だけ。
装備を整理した方がいいかも……いや、装備できるスロットが増えれば問題ない気もする。レベルアップしたらスロット増えないかな。
「あの、これをどうぞ」
突然ポーチから取り出されたネックレス。男物のようだが、ルーパルドの私物だろうか。
「なんか、男は女物を、女は男物を身につけると良いとか唆されて、ついペア用の買っちゃって」
照れるルーパルド。それを隣でジト目で見ているロク。
「俺のは渡者の証のやつだ。指輪の方が落としにくいと思ったんだ。あの金髪のだって実用的なやつだろ」
ロクとしては、お前だけ機能性じゃなく恋愛向けのアクセサリーを渡すなんて。と言っていそうに見える。実際の心の声はわからないが、強ち間違っていないのではないかと思われる。
0
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】甘やかな聖獣たちは、聖女様がとろけるようにキスをする
楠結衣
恋愛
女子大生の花恋は、いつものように大学に向かう途中、季節外れの鯉のぼりと共に異世界に聖女として召喚される。
ところが花恋を召喚した王様や黒ローブの集団に偽聖女と言われて知らない森に放り出されてしまう。
涙がこぼれてしまうと鯉のぼりがなぜか執事の格好をした三人組みの聖獣に変わり、元の世界に戻るために、一日三回のキスが必要だと言いだして……。
女子大生の花恋と甘やかな聖獣たちが、いちゃいちゃほのぼの逆ハーレムをしながら元の世界に戻るためにちょこっと冒険するおはなし。
◇表紙イラスト/知さま
◇鯉のぼりについては諸説あります。
◇小説家になろうさまでも連載しています。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーレムです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!
碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった!
落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。
オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。
ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!?
*カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております
推しの幸せをお願いしたら異世界に飛ばされた件について
あかね
恋愛
いつも推しは不遇で、現在の推しの死亡フラグを年末の雑誌で立てられたので、新年に神社で推しの幸せをお願いしたら、翌日異世界に飛ばされた話。無事、推しとは会えましたが、同居とか無理じゃないですか。
ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされ
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
第二回ドリコムメディア大賞一次選考通過作品。
ドジな公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間、前世の記憶を取り戻したのだ。
そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強騎士の恋愛物語になるはずです。でも、その騎士も訳アリで…。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。
皆様のお陰でHOTランキング第4位になりました。有難うございます。
小説家になろう、カクヨムでも連載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる