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5章 水の町
29.水の町
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アズミからの提案を朝リビングで全員に話した。
イナトは「あの賢さなら何かしら糸口を見つけられるかもしれない」と頷く。
しかし、ルーパルドとロクは「本当に頼れるのか?」と疑心暗鬼。
この中でアズミに会ったことがあり、実際力を使ったのを見ていたのはイナトのみ。
私を含め3人は、目の前で知識を披露してもらったことはない。
ロクに関しては出会ったことすらない。
だから仕方ないことなのだろうが、まさかルーパルドも反対派なことには驚いた。
「ルーパルドはなんでアズミの合流に乗り気じゃないの?」
「失礼を承知で言いますけど、旅を怖いと言う理由で途中で投げ出したお人ですよ? 一度会ったことはありますけど、コミニュケーションも取れるかどうか怪しいですし」
「ルーパルド、結構バッサリ言うね……」
ルーパルドがこんなにもストレートに物を言うとは思っていなかった。
もし私も途中で辞めたいと言っていたら、白い目で見られていたのだろうか。
イナトがチュートリアルで出会う男で良かったのかもしれない。いや、そもそもそのつもりで製作者は作っていた可能性もあるが。
「コミニュケーションについては、チャットを使えばなんとかなるよ」
アズミの愚痴には男の愚痴が多く含まれていた。
その点から、アズミに男の人が苦手なのかと聞いてみたところ、苦手だとはっきりと答えた。
事情はわからないが、何かしら苦手になるきっかけがあったのだろう。
あの時は大男にいきなり挨拶されて、怖かったのかもしれない。
「ルーパルドが怖かったんだと思うよ。アズミは男の人が苦手って言ってたから」
「団長は大丈夫だったんじゃないですか?」
「アズミは背の高い男性が特に苦手だと言っていた。僕より背の高いルーパルドに苦手意識を持つのはおかしくない」
「身長のせい……」
男の人の身長は高ければ高いほど良しとされているイメージがある。ルーパルドも私と同じ思考だったのだろう。あり得ないとでも言いたげな表情だ。
「背の高い男が苦手なやつだっているだろ」
ロクの発言にルーパルドは口元に手を当て難しい顔をしていた。まだ信じられないようだ。
「女は背の高い細マッチョが好きだって俺や団長に寄ってくる女性は皆言ってたのに」
「好みはそれぞれだからね……」
「じゃ、じゃあリン様はどうなんです?」
「私? 私はいいと思うよ。背の高い細マッチョ」
「なんか、可もなく不可もなく感あるなぁ」
背の高さはあまり気にしたことはない。私より高ければそれでいい気もしている。まぁ、小さくても好きと思える要素があれば、身長を気にすることもないだろう。
ちなみに、この中で1番背が高いのはルーパルド。次にイナト、そしてロク。とはいえ、全員私よりも断然高い。
ルーパルドなんかは少し屈んで私の話を聞いてくれることもあるレベルだ。大きいのも考えものかもしれない。
「……話が脱線していますよ。アズミについて、意見が分かれてしまいましたが、決定権は救世主様にあると僕は思います」
「まぁ、私が旅をする必要があるからね」
「リンが決めたのならそれでいい。俺は俺の意見を述べただけだ」
「俺が悪いみたいになってないか?」
「大丈夫大丈夫。ルーパルドは何か他に意見ある?」
「……ないですよ。救世主さまに従います」
「じゃ、決まりね。ここの地域の探索を終えたらアズミを迎えにいくね」
気がかりなのは、私以外男であること。
だが、提案したのはアズミだしきっと何か考えがあるのだろう。
◇
箱から出て着実にワープポイントの解放を終わらせていく。
暑くなってきたらすぐに宝石を取り替えてもらうようにしたため、かなり快適だ。
このままさっさとワープポイントの解放を終わらせてアズミと合流しよう。
「次のワープポイントは町の中です」
「村じゃなく町?」
「ええ。水の豊かな場所ですよ」
水が綺麗で、その水のおかげで町の中は暑さを感じにくのだとイナトが説明してくれた。
ルーパルドも追加で説明してくれる。
「地域の水が全部そこにあるんじゃないかってレベルの水の量です。だから人も住み着くんじゃないんですかね」
村は廃れ、その町に住み着く人が多くいるのだそう。ただ、外から来た人と元から居た人とでは壁があるらしい。
元々町に住んでいた人々は裕福な人が多く、外からくる人は貧困生活を送っていることが多いからだとか。
とはいえ、王が住んでいる街よりかはお金の流れは控えめだ。
「他と交流がないから他にはない物があったりするんですよね。娯楽ものは特に」
「例えばどんなの?」
「見たことのない小説や漫画が売ってるとか。俺の同期の彼女が欲しいってずっと言ってるらしいです。全国回るし買ってこようか聞いてみたんですけど、それは恥ずかしいって拒否られました」
「恥ずかしい? どんな内容なんだろう……」
イナトもルーパルドも知らないらしく首を横に振る。
どんな物を読みたがっているのかバレるのが恥ずかしいのか、それとも男に買わせるのは恥ずかしいのか、捉え方によって変わる。
まぁ、町に入ればわかることだろう。
楽しみが増えたおかげか、足取りは軽かった。
イナトは「あの賢さなら何かしら糸口を見つけられるかもしれない」と頷く。
しかし、ルーパルドとロクは「本当に頼れるのか?」と疑心暗鬼。
この中でアズミに会ったことがあり、実際力を使ったのを見ていたのはイナトのみ。
私を含め3人は、目の前で知識を披露してもらったことはない。
ロクに関しては出会ったことすらない。
だから仕方ないことなのだろうが、まさかルーパルドも反対派なことには驚いた。
「ルーパルドはなんでアズミの合流に乗り気じゃないの?」
「失礼を承知で言いますけど、旅を怖いと言う理由で途中で投げ出したお人ですよ? 一度会ったことはありますけど、コミニュケーションも取れるかどうか怪しいですし」
「ルーパルド、結構バッサリ言うね……」
ルーパルドがこんなにもストレートに物を言うとは思っていなかった。
もし私も途中で辞めたいと言っていたら、白い目で見られていたのだろうか。
イナトがチュートリアルで出会う男で良かったのかもしれない。いや、そもそもそのつもりで製作者は作っていた可能性もあるが。
「コミニュケーションについては、チャットを使えばなんとかなるよ」
アズミの愚痴には男の愚痴が多く含まれていた。
その点から、アズミに男の人が苦手なのかと聞いてみたところ、苦手だとはっきりと答えた。
事情はわからないが、何かしら苦手になるきっかけがあったのだろう。
あの時は大男にいきなり挨拶されて、怖かったのかもしれない。
「ルーパルドが怖かったんだと思うよ。アズミは男の人が苦手って言ってたから」
「団長は大丈夫だったんじゃないですか?」
「アズミは背の高い男性が特に苦手だと言っていた。僕より背の高いルーパルドに苦手意識を持つのはおかしくない」
「身長のせい……」
男の人の身長は高ければ高いほど良しとされているイメージがある。ルーパルドも私と同じ思考だったのだろう。あり得ないとでも言いたげな表情だ。
「背の高い男が苦手なやつだっているだろ」
ロクの発言にルーパルドは口元に手を当て難しい顔をしていた。まだ信じられないようだ。
「女は背の高い細マッチョが好きだって俺や団長に寄ってくる女性は皆言ってたのに」
「好みはそれぞれだからね……」
「じゃ、じゃあリン様はどうなんです?」
「私? 私はいいと思うよ。背の高い細マッチョ」
「なんか、可もなく不可もなく感あるなぁ」
背の高さはあまり気にしたことはない。私より高ければそれでいい気もしている。まぁ、小さくても好きと思える要素があれば、身長を気にすることもないだろう。
ちなみに、この中で1番背が高いのはルーパルド。次にイナト、そしてロク。とはいえ、全員私よりも断然高い。
ルーパルドなんかは少し屈んで私の話を聞いてくれることもあるレベルだ。大きいのも考えものかもしれない。
「……話が脱線していますよ。アズミについて、意見が分かれてしまいましたが、決定権は救世主様にあると僕は思います」
「まぁ、私が旅をする必要があるからね」
「リンが決めたのならそれでいい。俺は俺の意見を述べただけだ」
「俺が悪いみたいになってないか?」
「大丈夫大丈夫。ルーパルドは何か他に意見ある?」
「……ないですよ。救世主さまに従います」
「じゃ、決まりね。ここの地域の探索を終えたらアズミを迎えにいくね」
気がかりなのは、私以外男であること。
だが、提案したのはアズミだしきっと何か考えがあるのだろう。
◇
箱から出て着実にワープポイントの解放を終わらせていく。
暑くなってきたらすぐに宝石を取り替えてもらうようにしたため、かなり快適だ。
このままさっさとワープポイントの解放を終わらせてアズミと合流しよう。
「次のワープポイントは町の中です」
「村じゃなく町?」
「ええ。水の豊かな場所ですよ」
水が綺麗で、その水のおかげで町の中は暑さを感じにくのだとイナトが説明してくれた。
ルーパルドも追加で説明してくれる。
「地域の水が全部そこにあるんじゃないかってレベルの水の量です。だから人も住み着くんじゃないんですかね」
村は廃れ、その町に住み着く人が多くいるのだそう。ただ、外から来た人と元から居た人とでは壁があるらしい。
元々町に住んでいた人々は裕福な人が多く、外からくる人は貧困生活を送っていることが多いからだとか。
とはいえ、王が住んでいる街よりかはお金の流れは控えめだ。
「他と交流がないから他にはない物があったりするんですよね。娯楽ものは特に」
「例えばどんなの?」
「見たことのない小説や漫画が売ってるとか。俺の同期の彼女が欲しいってずっと言ってるらしいです。全国回るし買ってこようか聞いてみたんですけど、それは恥ずかしいって拒否られました」
「恥ずかしい? どんな内容なんだろう……」
イナトもルーパルドも知らないらしく首を横に振る。
どんな物を読みたがっているのかバレるのが恥ずかしいのか、それとも男に買わせるのは恥ずかしいのか、捉え方によって変わる。
まぁ、町に入ればわかることだろう。
楽しみが増えたおかげか、足取りは軽かった。
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