クズを選んだクズな私〜1〜

中田 恵樹

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クズとの出会い

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高校には受験すらしなかった私は、中学を卒業し誕生日を迎えて16歳になりレストランでアルバイトをして実家で暮らしていた。
出会い系サイトにハマっていた私は、そこで慎一郎君という彼氏と出会う。
まぁ、またその人が大学生だったんですが、やることも話してくれる内容も子供っぽくて…主婦の中でアルバイトをしている私は見た目も中身も老けてしまったんですかね、『大学のサークルのメンツとこないだBBQ行った時にみんなでマッパで川遊びしたんだけど超面白くてさー』と言われても、何が楽しいのか理解ができなかった。
っていうかマッパで川遊びって!
小学生なの?
と、少し小馬鹿にしながら話を聞いていました。
3ヶ月くらい付き合ったのかな。
体の相性は合わず、物足りなさを感じていた16歳という若さの武器を持つ私は他にも2名ほど男がいた。
1人はゆきくん。17歳。売れないホストで彼女持ち。遊び相手としてはまぁよしだけど、売れないだけあって決してイケメンではない(好みによる)
もう1人はひろくん。22歳。一人暮らしの会社員。歌がうまくてわがままを聞いてくれるお兄ちゃん的存在。
大人なお友達の関係ですが、当時の私は浮気をしている自覚がなかった。
慎一郎君に飽きを感じ、大人の男がいいなぁと思い始めていたときに連絡をくれたのが智史21歳、某大手会社のアルバイトをしている車持ちだった。
慎一郎君と同い年だったから、比べてしまい、智史がとても大人に思えた。
連絡もかなりマメで、おはようからおやすみまでずっとメールが来ることが友人に自慢できる!と、あっさり乗り換えを決意。
慎一郎君に電話で『好きな人ができたから別れて欲しい』と伝えるといきなり号泣し、「なんで!?俺悪いところあったら直すよ!なんで急にそんな…」と泣きながら訴えられるも眈々と『子供っぽいところがなんか合わないなぁって。私はそういうノリについていけない』と、子供の私が伝えると「頑張ってリードするような男になるよ!」とかなんとか…実際にそう言っても友達との付き合い方が180度変わるのを受け入れられるとは思えないし気を使いすぎる同士が一緒にいても時間の無駄だと思うとひどく冷たい言葉を言った私に1時間ほど別れたくないと駄々を捏ねる。
『私じゃ慎一郎君を幸せにすることはできない。他の人を選んだ方がいい』などと、クズ男が使う台詞をさらりと言ってみた。すると、「…もう俺がどんなに頑張ってもダメなんだな…ごめんな、かっこ悪い俺で」と身を引く決意をしてくれた。
いやほんと最低なフリ方しましたね。
そしてゆきくんにも『新しい彼氏ができるからもう連絡してこんといて』と伝えると、急に怒り始めた。
「は?なんなのお前。俺はお前のために彼女と別れたんだけど?なんで勝手に他の男探してんの?」と。
いやいや、そもそも付き合うつもりはないってお互いに言ってたのよ。なのに何言ってんのこの人?好きとかそんなん言うたことも言われたこともありませんけど?なんでキレてるの…?と頭の中で思いつつ『ゆきくんに私の行動制限する権利があるとでも?図々しくない?』とひとまとめにした想いを伝えると「お前最低だな。お前みたいな女願い下げだよ!」と言われた。先にも書きましたが好きとか付き合おうとか一切言われてないし、なんなら彼女と別れたのもここで初耳です。それなのに何故ここまで怒られたのかは未だにわかりません…。だから売れないホストなんだろうな。(偏見)
ひろくんには『彼氏と別れて他の人と付き合うかもー』と伝えると「おぉ、良かったじゃん、たまには俺とも遊んでな」と大人の対応をいただきました。
12月、智史と初めて会うことになったのは私が普段の店舗ではなく池袋の店舗にヘルプに行っていた日だった。
休憩中にメールをしていた時「俺今日休みだから、帰り迎えに行ってあげようか?」の言葉がきっかけだった。
車で迎えに来てもらえるなんて大人のようだ!と舞い上がる。シフト終わりに池袋駅で待っていると電話が鳴る。
「もしもし?もう直ぐ着くよ。俺の車のマフラーの音聞こえるかな?」とふかし始める。見た目にそぐわない車に乗ってるなぁ…と言う印象がありつつも、スカイラインというスポーツカーに乗って颯爽と迎えに来てくれるのはやはり嬉しい気持ちが勝る。
車に乗り込み、車内で会話をしつつご飯を食べに行くことに。
注文の仕方、食事中のテーブルマナーなどを見つつ、『なかなかいいのでは?』などと上から目線で品定めをする。
食事をご馳走してもらい、車に戻り自宅付近まで送ってもらい車内で少し他愛のない会話をする。
そして、不意にキスされた。
手が早い…って今の自分なら思います。
だがしかし、16歳の私は『こいつ私のこと好きなのか?』とか思ってしまう青臭さ。
友人たちの彼氏は車は持っていない。車持ちの彼氏を持つ自分ってオシャレじゃない?って言う感覚で選んだ智史。本当に人を好きになることをせずに、鉛筆のように使えなくなったら新しいものと交換すればいいと思っていた若かりし思考。本当におめでたい女でした。
が、この智史という男…
見た目は清潔感のある真面目そうな青年。
だけどその画面の裏にはとんでもない本性を隠し持っていたんです…。
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