だらだらとした映画語り

因幡雄介

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映画コラム

『ミッドサマー』 失恋したあなたに送る【80点】

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【あらすじ】



 長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」が高い評価を集めたアリ・アスター監督の第2作。

 不慮の事故により家族を失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れた。

 彼らの目的は奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。

 太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福な場のように思えた。

 しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始め、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく。

 ダニー役を「ファイティング・ファミリー」のフローレンス・ピューが演じるほか、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「パターソン」のウィリアム・ジャクソン・ハーパー、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールターらが顔をそろえる。



【因幡さんの映画語り】



 閉鎖的な祭りで起こるフェスティバルスリラー。

 日本のホラー漫画でいうと、山奥の村で行われる奇妙な因習みたいなもの。

 ミッドサマーとは「夏至」という意味がある。

 舞台はスウェーデンで、白夜なので、太陽が沈むことなくずっと明るい。

 ちなみに監督は『ヘレディタリー 継承』を撮った人である。



 冒頭、女子大生ダニーは、双極性障害の妹と、妹によって殺された父と母を失います。

 家族をなくしたダニーは、彼氏のクリスチャンにますます依存するようになり、スウェーデンの奥地で行われる90年に1度の祭りにまでついていきます。(クリスチャンは優柔不断な性格)

 この時期スウェ―デンは白夜であり、太陽が夜中になっても沈みません。

 祭りは華やかな雰囲気で始まり、外部からきた他の人たちもなごんでいました。

 ある儀式を見るまでは・・・。

 

 残酷シーン、グロ描写はあるものの、終始明るい太陽と、花飾りをつけた笑顔の村の人たちのおかげで、怖いと思うことはない。(演出も明るい)

 むしろ神秘的に思えるという、不思議な体験ができるだろう。

 ホラーから陰鬱な空気を取ると、奇妙な光景になるものだ。

 この物語から想像するのは『ウィッカ―マン』である。



 有名な胸くそ映画である。

 私も最後のシーンを見て、「あっ、これ、ウィッカーマンのオマージュだわ」と思った。

 監督は参考にしていないと言っているみたいだが、パターンがそっくりだった。(それでこの映画を取り上げるとき、『ウィッカーマン』がよく例に出される)

 見たことない方は、一度見てみるといいだろう。

 ちなみにウィッカーマンはニコラス・ケイジ主演のリメイク版映画もある。



 こちらの方はラジー賞(最低映画)を取り、悪評だが、流れは同じなので、ニコラス・ケイジが好きなら見てみてもいいだろう。(今の差別意識の強いアメリカでは上映不可能な内容)

 

 最後に出てくる熊さんは、この映画を紹介するときに、よくネタにされている。

 ダニーは大爆笑していたが、それはもう孤独ではない証拠だろう。
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