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大神林にて 全力と決着
仕切直しが済んで戦いが再開した。基本的に迎撃のみだったさっきまでと違い鬼熊・破壊猪・ディグリからも攻撃してくる。
接近してきた僕に鬼熊が立ち上がって前足を叩きつけてくるから、僕は迷わず飛び込んで鬼熊の股の間を滑り抜けた。ドゴン!! っていう音とともに粉砕された地面を見て、あれが当たったら致命傷だったなっていう怖さが頭をかすめるけど、それ以上に僕にそんな一撃を振るってくれたっていう思いで背中がゾワッとする。
でも我慢して鬼熊の膝を殴ろうとしたら、鬼熊は後ろ足を跳ね上げて蹴ってきた。僕はとっさに腕で防御するけど、体勢が悪く踏ん張れないから吹き飛ばされて地面を転がる。その勢いが弱まり起きあがったら僕の周りが木の葉に囲まれていた。視線を感じた方を見るとディグリが手を伸ばしながら僕を鋭い目で見ていて、僕がディグリを見てすぐに手が下ろされ無数の木の葉が僕に殺到してくる。僕はとっさに魔法を発動させた。
「緑盛魔法・超育成・樹根魔盾!!」
魔法によって樹根魔装の肩と背中の部分が変形・展開して盾になる。僕は顔と頭は腕で防御して、殺到してくる木の葉の中をディグリに向かって体勢を低くしながら突き進んでいく。横と後ろと上から来る木の葉は盾が防ぐし、前から来る奴だけならそこまで量が多くないから鎧と腕で防御して多少傷つくのを覚悟しておけば怖くない。
それに切り傷程度ならすぐに治せるから気にしなくて良いし、じっとしてたら絶対に破壊猪が突進してくるから、常に動き回らないとあっと言う間に終わる。そんなのはイヤだ。無数の木の葉を突き抜けてディグリを探すと、すぐ横から声が聞こえてきた。
「思イ切リノ良イ、良イ判断デス」
「え? うわっ!!」
ディグリの声が聞こえたと思ったら、また吹き飛ばされる。たぶん盾の上から殴られたんだと思うけど、このままだと僕が体勢を整える前に三体からの攻撃を受けて吹き飛ばされ続ける事になるからまずい。とにかく少しで良いから時間がいる。僕は吹き飛ばされながら腰の小袋から種を取り出すと、地面に着地した時に種を埋めて魔法を発動させる。
「緑盛魔法・超育成・射種草!!」
三体から次の攻撃を受ける前に成長させて、種を当たるかどうかは考えずに射てるだけ射って三体を牽制する。そのかいあってなんとか体勢を整える事ができたから、今度は僕が三体を攻撃する番だ。
「緑盛魔法・超育成・多重射種草!!」
牽制として射てるだけ射ち出されて地面に埋まった種で魔法を発動させると、広場に何本も射種草が生える。これには三体もさすがに驚いたみたい。僕が一番近くに生えた射種草をポンと叩くと一斉射撃が始まった。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドン。
一斉射撃が終わるとズキンって頭に痛みが走ったけど痛みには前世で慣れてるから大丈夫。魔力の少ない僕がこれだけの大規模に発動させるのは無茶だったね。しかも赤のクトーと決闘した時と違っていろいろ消耗してるから、なおさら身体に負担がかかったはず。まあ、後悔はして無いから良いか。……着弾して煙が立ち込めた場所から三体が動かない。僕が不思議に思ってると、首筋がチリチリして身体が震えてきた。煙の中を歩いてくる存在に、僕の身体が怖がってるみたいだ。
「ヒ弱ナ身体ヲ補ウ戦イ方ハ本当ニスバラシイデス。……私シハ貴方ニ、謝ラナケレバナリマセン。貴方ガ、ドコマデモ本気ダッタニモカカワラズ、覚悟ガアッタニモカカワラズ、私シニハ、ドチラモ足リテナカッタ。モウシワケアリマセン」
「……はは」
ディグリが立ち止まると、その横に鬼熊と破壊猪も並んだ。そして二体がディグリと一緒に頭を下げて戻すと、三体から膨大な魔力が放たれて僕は衝撃で吹き飛ばされ樹にぶつかった。三体が高位の魔獣ですごいって事は知ってたけど、想像以上過ぎて声も出ない。
「ココカラハ、本当ニ全力デス」
三体の圧力で身体が潰れて気持ちが折れそうになる。でも、このまま終わりたくない。負けたくない。僕だってやれる。そう思って震えながら立ち上がったら支えにしてた樹の気配がザワッて揺れた。僕が驚いていると隣の樹もそのまた隣の樹も揺れて、まるで僕を応援してくれてるみたいにドンドン気配が強くなっていく。……ああ、そうか。
「僕は負けたくない。勝ちたい。だから……、力を貸してくれる?」
同調してわかる限りの植物の気配が強くなった。なんで僕に植物達がこれだけの力を貸してくれるのかわからないけど、ただただうれしい。
「この勝負の結果で、どれくらいの被害が出るかわからないけど、動けるようになったら絶対に元に戻すよ。緑盛魔法・純粋なる緑!!!」
僕の手に周り植物から、いや僕に力を貸してくれる全ての植物から少しずつ力が集まってきて、鮮やかな新緑を思わせる緑色の球体ができあがる。三体を見れば鬼熊と破壊猪は最強の一撃を放つために、身体へ極限まで力を溜めて身体の形が変わっていた。ディグリは僕と違って自分自身の魔力を圧縮する時の余波で地面が割れるくらいの魔弾を作り上げた。
僕は純粋なる緑の威力を上げていって制御が難しくなり、手が傷ついていくけどどうでも良くて、ただ、目前に迫っている真剣勝負の一瞬に向けて集中する。三体もそれは同じようで、広場には限界まで張りつめた空気だけが満ちていく。そして、不意に舞い落ちた木の葉が放つカサッという微かな音で僕達は動いた。
「ああぁぁぁぁ!!!!」
「ガアァァァァ!!!!」
「ブオォォォォ!!!!」
「ハアァァァァ!!!!」
その日、一番の轟音と激震が起きて決着が着いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
接近してきた僕に鬼熊が立ち上がって前足を叩きつけてくるから、僕は迷わず飛び込んで鬼熊の股の間を滑り抜けた。ドゴン!! っていう音とともに粉砕された地面を見て、あれが当たったら致命傷だったなっていう怖さが頭をかすめるけど、それ以上に僕にそんな一撃を振るってくれたっていう思いで背中がゾワッとする。
でも我慢して鬼熊の膝を殴ろうとしたら、鬼熊は後ろ足を跳ね上げて蹴ってきた。僕はとっさに腕で防御するけど、体勢が悪く踏ん張れないから吹き飛ばされて地面を転がる。その勢いが弱まり起きあがったら僕の周りが木の葉に囲まれていた。視線を感じた方を見るとディグリが手を伸ばしながら僕を鋭い目で見ていて、僕がディグリを見てすぐに手が下ろされ無数の木の葉が僕に殺到してくる。僕はとっさに魔法を発動させた。
「緑盛魔法・超育成・樹根魔盾!!」
魔法によって樹根魔装の肩と背中の部分が変形・展開して盾になる。僕は顔と頭は腕で防御して、殺到してくる木の葉の中をディグリに向かって体勢を低くしながら突き進んでいく。横と後ろと上から来る木の葉は盾が防ぐし、前から来る奴だけならそこまで量が多くないから鎧と腕で防御して多少傷つくのを覚悟しておけば怖くない。
それに切り傷程度ならすぐに治せるから気にしなくて良いし、じっとしてたら絶対に破壊猪が突進してくるから、常に動き回らないとあっと言う間に終わる。そんなのはイヤだ。無数の木の葉を突き抜けてディグリを探すと、すぐ横から声が聞こえてきた。
「思イ切リノ良イ、良イ判断デス」
「え? うわっ!!」
ディグリの声が聞こえたと思ったら、また吹き飛ばされる。たぶん盾の上から殴られたんだと思うけど、このままだと僕が体勢を整える前に三体からの攻撃を受けて吹き飛ばされ続ける事になるからまずい。とにかく少しで良いから時間がいる。僕は吹き飛ばされながら腰の小袋から種を取り出すと、地面に着地した時に種を埋めて魔法を発動させる。
「緑盛魔法・超育成・射種草!!」
三体から次の攻撃を受ける前に成長させて、種を当たるかどうかは考えずに射てるだけ射って三体を牽制する。そのかいあってなんとか体勢を整える事ができたから、今度は僕が三体を攻撃する番だ。
「緑盛魔法・超育成・多重射種草!!」
牽制として射てるだけ射ち出されて地面に埋まった種で魔法を発動させると、広場に何本も射種草が生える。これには三体もさすがに驚いたみたい。僕が一番近くに生えた射種草をポンと叩くと一斉射撃が始まった。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドン。
一斉射撃が終わるとズキンって頭に痛みが走ったけど痛みには前世で慣れてるから大丈夫。魔力の少ない僕がこれだけの大規模に発動させるのは無茶だったね。しかも赤のクトーと決闘した時と違っていろいろ消耗してるから、なおさら身体に負担がかかったはず。まあ、後悔はして無いから良いか。……着弾して煙が立ち込めた場所から三体が動かない。僕が不思議に思ってると、首筋がチリチリして身体が震えてきた。煙の中を歩いてくる存在に、僕の身体が怖がってるみたいだ。
「ヒ弱ナ身体ヲ補ウ戦イ方ハ本当ニスバラシイデス。……私シハ貴方ニ、謝ラナケレバナリマセン。貴方ガ、ドコマデモ本気ダッタニモカカワラズ、覚悟ガアッタニモカカワラズ、私シニハ、ドチラモ足リテナカッタ。モウシワケアリマセン」
「……はは」
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僕は純粋なる緑の威力を上げていって制御が難しくなり、手が傷ついていくけどどうでも良くて、ただ、目前に迫っている真剣勝負の一瞬に向けて集中する。三体もそれは同じようで、広場には限界まで張りつめた空気だけが満ちていく。そして、不意に舞い落ちた木の葉が放つカサッという微かな音で僕達は動いた。
「ああぁぁぁぁ!!!!」
「ガアァァァァ!!!!」
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その日、一番の轟音と激震が起きて決着が着いた。
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