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大神林の奥にて 悪食と黄色
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濁った目で僕をギロリとにらんでいる魔樹がブルリと震え幹からメキメキと音をたてる。見ていると樹皮が金属のような光沢を放ち元々焦げ茶だった色が黒に変わっていった。そして全身が金属化した姿の魔樹がニタリと笑う。
とりあえず射種草を射ち込んでみたけど予想通り表面で止まった。ただ、少しはめり込んでるから全く効かないわけじゃないか。……何とかなりそうだね。魔樹の方もその事に気づいてまた怒りだし触手の先を僕に向け戦闘開始になった。
「ギャイイイィィイイ!!!!」
叫びながら触手を伸ばしてくる。というか、魔樹の声がうるさいからできるだけ早く決着をつけよう。
「緑盛魔法・超育成・緑盛網・樹根触腕」
僕に向かってくる魔樹の触手を周りの植物達の枝・蔓・根で縛ってもらう。でも、魔樹に栄養を独占されて弱くなっていて数で周りの植物達の枝・蔓・根の方が勝っているのに、魔樹の触手が逆に植物達の枝・蔓・根を縛り上げたり引きちぎったりと完全に押されていた。
この状況を何とかする方が先だと判断した僕は腰の小袋の一つを取り外して手に持ち水生魔法で生み出した水に浸してもみ込むと、水がどんどん濃い緑色になっていく。小袋に入っていたのは僕手製の薬草団子で、それを溶かして濃い薬液を作り出す。これでいけるかな?
「緑盛魔法・強薬水液」
僕の魔法でより薬効を強めた強薬水液が魔樹を避けて飛び散り、強薬水液を浴びた植物達は緑色に光り急速に成長していく。本当なら周りの植物達が生命力を取り戻したら取り戻した分だけ魔樹が根で吸い取るんだろうけど、今の金属のように硬質化した魔樹は根からの吸収はできないはず。この考えが正しいなら魔樹の次の行動は読める。…………うん、僕の予想は合ってたみたいだね。
「ギィィィィイイ!!!!」
魔樹が触手を刺して周りの植物達から直接吸収しようとしたけど、力を取り戻した植物達が逆に魔樹の触手を縛り上げる。僕に周りの植物達から触手は任せてっていう意思が伝わってきた。それじゃあ僕は攻めるか。魔樹は植物達のはずだから試すならこれだな。僕は魔樹の苛立った声を聞きながら別の小袋から取り出した種を足もとに埋める。…………一応別の種もいっしょに埋めておこう。
「緑盛魔法・超育成・緑喰」
魔法を発動させると、すぐに発芽してどんどん成長していきすぐに蕾ができる。そして蕾ができて少し経つと、全体が震え出し一瞬グッと沈んでからポンッと地面から飛び出して三又に別れた根でしっかりと立った。この緑喰は植物らしくない特徴が二つあり、その一つ目が自力で移動できるという事だ。
何度か屈伸をして自分の状態を確かめた緑喰は落ち着くと、魔樹に向かって走っていき蕾が開き魔樹に噛みついた。この緑喰の行動を見てわかるように、二つ目の特徴は食植植物という事で、一見小さな花に見えるけど硬金樹でも食べる悪食である。
「ギャイイイアアアアィィィィ!!!!」
魔樹は自分が食べられるっていう状況に慌てたのか今までで一番大きな声をあげた。そんな中でも緑喰は、魔樹の幹をガリゴリ噛み砕いて食べてる。ただ緑喰がニヤケながら食べてるのが気になる。そんなに魔樹はおいしいの? それとも歯応えとか大量に食べれるのがうれしいのかな?
魔樹が触手で緑喰を排除しようとしても、新しく生やした触手を周りの植物達は枝・蔓・根で縛っていく。そうして魔樹が苦戦してる間に緑喰は噛み砕いて魔樹の中に入ってさらに食い荒らす。魔樹も植物達だから痛覚はないだろうけど、内部から食われるのはヒドかったかも。
まあ、魔樹も周りの植物達から色々奪ってたから、自分が奪われても文句は言えないよね。そして内部を食い荒らされた魔樹は、強度が無くなり自立できなくなったのか根元付近からビキビキと音を立てながら倒れた。僕は根の方を攻撃するために、小袋から今度は黄色い実を取り出した。
「緑盛魔法・溶かす黄」
僕の魔法で手に持った黄色い実から霧が発生して僕を覆い隠す。黄色い霧の放出が止まり風に流されずに立ち昇ると、緑喰によって剥き出しにされた魔樹の断面に向かっていく。黄色い霧が触れた部分はジュウという音と共に溶け始める。
ちなみにこの黄色い実は僕が森の中を散歩している時に見つけた物で、村長や父さん達に聞いても名前は知らないみたい。前に使った赤い実や青い実と見た目はそっくりな同じ種類の植物達なんだけど、ほんの少しの環境の違いで実の色・特性が変化する珍しい植物だ。
それぞれの性質を言うと赤い実はとにかく辛味成分が多く青い実は鎮静作用が強い。そして黄色い実は果肉・果汁ともに強酸性になる。射種草がほとんど効かない金属みたいな奴でも溶かせば問題ないから、黄色い霧をどんどん魔樹の根に送り込んでいき根の先の方まで溶かす。少しして霧が全部魔樹の根の内部に入るとジュウっていう溶ける音が聞こえなくなった。
よし、これで根が無くなったから、あとは緑喰が幹から上を食べ終わるのを待てば魔樹は終わりのはずだね。確認のために緑喰が順調に魔樹の幹を食べ進んでいるのを見てたら、魔樹の幹の中から何かの石みたいなのがゴロンと出てきた。なんで幹の中から石みたいなのが出てきたのか不思議に思っていると、それが不自然に動き魔樹の幹にあった目と口と同じものが割れるようにできる。
「ギイイイ!!!!」
「はあ……」
やっぱりただの石じゃなかったか。僕は石のようなものの表面が波打ち触手が飛び出て向かってくるのを見ながらそう思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
とりあえず射種草を射ち込んでみたけど予想通り表面で止まった。ただ、少しはめり込んでるから全く効かないわけじゃないか。……何とかなりそうだね。魔樹の方もその事に気づいてまた怒りだし触手の先を僕に向け戦闘開始になった。
「ギャイイイィィイイ!!!!」
叫びながら触手を伸ばしてくる。というか、魔樹の声がうるさいからできるだけ早く決着をつけよう。
「緑盛魔法・超育成・緑盛網・樹根触腕」
僕に向かってくる魔樹の触手を周りの植物達の枝・蔓・根で縛ってもらう。でも、魔樹に栄養を独占されて弱くなっていて数で周りの植物達の枝・蔓・根の方が勝っているのに、魔樹の触手が逆に植物達の枝・蔓・根を縛り上げたり引きちぎったりと完全に押されていた。
この状況を何とかする方が先だと判断した僕は腰の小袋の一つを取り外して手に持ち水生魔法で生み出した水に浸してもみ込むと、水がどんどん濃い緑色になっていく。小袋に入っていたのは僕手製の薬草団子で、それを溶かして濃い薬液を作り出す。これでいけるかな?
「緑盛魔法・強薬水液」
僕の魔法でより薬効を強めた強薬水液が魔樹を避けて飛び散り、強薬水液を浴びた植物達は緑色に光り急速に成長していく。本当なら周りの植物達が生命力を取り戻したら取り戻した分だけ魔樹が根で吸い取るんだろうけど、今の金属のように硬質化した魔樹は根からの吸収はできないはず。この考えが正しいなら魔樹の次の行動は読める。…………うん、僕の予想は合ってたみたいだね。
「ギィィィィイイ!!!!」
魔樹が触手を刺して周りの植物達から直接吸収しようとしたけど、力を取り戻した植物達が逆に魔樹の触手を縛り上げる。僕に周りの植物達から触手は任せてっていう意思が伝わってきた。それじゃあ僕は攻めるか。魔樹は植物達のはずだから試すならこれだな。僕は魔樹の苛立った声を聞きながら別の小袋から取り出した種を足もとに埋める。…………一応別の種もいっしょに埋めておこう。
「緑盛魔法・超育成・緑喰」
魔法を発動させると、すぐに発芽してどんどん成長していきすぐに蕾ができる。そして蕾ができて少し経つと、全体が震え出し一瞬グッと沈んでからポンッと地面から飛び出して三又に別れた根でしっかりと立った。この緑喰は植物らしくない特徴が二つあり、その一つ目が自力で移動できるという事だ。
何度か屈伸をして自分の状態を確かめた緑喰は落ち着くと、魔樹に向かって走っていき蕾が開き魔樹に噛みついた。この緑喰の行動を見てわかるように、二つ目の特徴は食植植物という事で、一見小さな花に見えるけど硬金樹でも食べる悪食である。
「ギャイイイアアアアィィィィ!!!!」
魔樹は自分が食べられるっていう状況に慌てたのか今までで一番大きな声をあげた。そんな中でも緑喰は、魔樹の幹をガリゴリ噛み砕いて食べてる。ただ緑喰がニヤケながら食べてるのが気になる。そんなに魔樹はおいしいの? それとも歯応えとか大量に食べれるのがうれしいのかな?
魔樹が触手で緑喰を排除しようとしても、新しく生やした触手を周りの植物達は枝・蔓・根で縛っていく。そうして魔樹が苦戦してる間に緑喰は噛み砕いて魔樹の中に入ってさらに食い荒らす。魔樹も植物達だから痛覚はないだろうけど、内部から食われるのはヒドかったかも。
まあ、魔樹も周りの植物達から色々奪ってたから、自分が奪われても文句は言えないよね。そして内部を食い荒らされた魔樹は、強度が無くなり自立できなくなったのか根元付近からビキビキと音を立てながら倒れた。僕は根の方を攻撃するために、小袋から今度は黄色い実を取り出した。
「緑盛魔法・溶かす黄」
僕の魔法で手に持った黄色い実から霧が発生して僕を覆い隠す。黄色い霧の放出が止まり風に流されずに立ち昇ると、緑喰によって剥き出しにされた魔樹の断面に向かっていく。黄色い霧が触れた部分はジュウという音と共に溶け始める。
ちなみにこの黄色い実は僕が森の中を散歩している時に見つけた物で、村長や父さん達に聞いても名前は知らないみたい。前に使った赤い実や青い実と見た目はそっくりな同じ種類の植物達なんだけど、ほんの少しの環境の違いで実の色・特性が変化する珍しい植物だ。
それぞれの性質を言うと赤い実はとにかく辛味成分が多く青い実は鎮静作用が強い。そして黄色い実は果肉・果汁ともに強酸性になる。射種草がほとんど効かない金属みたいな奴でも溶かせば問題ないから、黄色い霧をどんどん魔樹の根に送り込んでいき根の先の方まで溶かす。少しして霧が全部魔樹の根の内部に入るとジュウっていう溶ける音が聞こえなくなった。
よし、これで根が無くなったから、あとは緑喰が幹から上を食べ終わるのを待てば魔樹は終わりのはずだね。確認のために緑喰が順調に魔樹の幹を食べ進んでいるのを見てたら、魔樹の幹の中から何かの石みたいなのがゴロンと出てきた。なんで幹の中から石みたいなのが出てきたのか不思議に思っていると、それが不自然に動き魔樹の幹にあった目と口と同じものが割れるようにできる。
「ギイイイ!!!!」
「はあ……」
やっぱりただの石じゃなかったか。僕は石のようなものの表面が波打ち触手が飛び出て向かってくるのを見ながらそう思った。
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◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
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