╂AVALON-ROAD╂【地の章】

ガンガルガン

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第1幕【出逢い:レダ王国】

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......










…暑゙い…


もうどのくらい歩いただろうか…

オーリオロンの禿鷲は俺の頭の遥か上で様子を伺っている

俺が旨そうに見えるのか?

よしてくれ…
残念だが諦めるんだな。まだ俺はまだ死ぬ気はないんでね


ラスリルの茎を折り、口にふくませる
少しは喉の渇きがおさまるってもんだ

それにしてもどこまで歩けばいいのか…

ふぅ
このままじゃほんとに倒れちまいそうだ

ゆらゆらと揺らめく蜃気楼は喉の渇きを忘れさせ死への泉に誘(イザナ)うようだ

禿鷲はまさにそれを待っているのだ

「ちっ」


空に向かって石を投げつけると、禿鷲は諦めたのか西の方へ飛んでいった

ん?


またまぼろしか?

何気なくその先に目をやると、かすかに煙が見えるではないか!

何度も何度も目を細め事実を確認する

ああ‥やっとまともな飯と酒にありつけそうだ

そう思うと足取りも軽くなりそこへ向かった





―街中―

「いらっしゃ~い!旅の人!ホルステンの干し肉なンかどうだい?こいつは旅の必需品だぜ~」


ここは活気があり、かなり大きな街だ
人があふれ飛び交う掛け合い、一歩歩けば声を掛けられかなりのにぎわいを示していた
また独特のなまりが心地よく通り抜けるのが気持ちいい

気に入った

「あンた!これ食いなっ。腹減ってンだろ~。」といってアモラの実を投げてくる

「ありがとう。」

俺はにこりと会釈をした

一口かじると忘れていた味覚を思い出す

「…うまい。」

一気にむさぼるように食べてしまった

女将は満面の笑みを浮かべ
「ひょっとしてあンた!何も食ってないンだろ。入っていきな!別に金なンか取りゃしないよ。おいで、ほら!」

俺はますますこの街が気に入ったようだ
呼ばれるまま、店の中に入っていった



女将は飯を作ってくれている

「この国はなんていうところだ?」と聞くと

「この国を知らないのかい?よっぽどの田舎から来たンだろうね~。ここはレダ王国、トラキアへ繋ぐ商売の拠点だよ。あンたはどこへ行くのかい?」

どこ?……か

俺の旅には行く宛もない
ただ忘れられた古しえのエピタフ(石版)を探している

黙っていると続けて女将がいう

「ここの王様はとても素晴らしいお方だよ。王様は戦争を嫌い、まず国民のために命を惜しまないような聡明な方だよ。ただねぇ…

ちょっとあンた聞いてンの?」
調理場から顔を覗かせる

「あぁ、聞いてるよ」
とは言ったものの調理場からのいい匂いに、殆ど聞こえていないといった方が正確だろう
フライパンを返す毎に漂う香りに今にも気絶しそうだ


「ただね…ここの参謀長はジークといって、軍事を強化するために常に王様に進言しているいけ好かないやつがいるのさ」

◆ジュッジュ~
「さあ、出来たよー」

女将はいそいそと皿に盛り
「さっき眼を見た時、ピーンと来たんだよ。
あンたは綺麗な眼をしているねぇ。あンたみたいな人が王様の手助けになればと思ったンだよ。さあ、おたべ!」

◆ドンッ!
そういって目の前に出された料理に、胃袋が早く喰わせろとキリキリ痛む

両手を合わせ感謝の言葉をかける


あっ!?
食べようとすると女将が顔をしかめ耳元で囁いた

「噂をすれば、だよ。ホラ」

女将が見つめるその先は何となく嫌な雰囲気だ。いかつく男達がやってくる

やれやれ…

またトラブルか?
何かが起きそうだな‥‥全く
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