189 / 202
第四章
第四十四話
しおりを挟む
読書と訓練の日々が続いた。
私とリレラ、それにウロは切磋琢磨しながら格段に実力を伸ばしてきた。
私の弱点は所謂「引き出し」の少なさだったが、二人から少しずつ新しい技を教えてもらっている。
粗削りながらも「白巌流」の「吹雪」、「泰然流」の「柳」と「理識」は既に使えるようになった。
「吹雪」は「隼斬り」の連撃を凌ぐ速度だし、「柳」は打ち合いになった時に普通の防御に組み込むだけで優位に立てる。そして魔力から敵の動きを予見する「理識」は魔力消費量の甚大さ故に常時使用する訳にはいかないが、汎用性はとにかく高い。
まさに「痒い所に手が届く」技能ばかり授けてもらえた。
リレラは「リズムの取り戻し方」が身体にかなり馴染んできたらしく、形勢を逆転させる瞬間は対峙していても気付かない程。
対戦者は「こちらが追い詰めていたはずが、気付けば今まで通り攻撃しているのに敗北寸前になっている」という摩訶不思議な感覚を味わうことになる。
唯一の弱点が克服されつつある今、リレラは理論上一対一最強の剣士に近付いていると言えるだろう。
ウロは私達との共同訓練と同時並行でジールバードとも訓練し、全体的な身のこなしが洗練されてきた。
それに伴って課題だった技能の純粋な練度も磨かれてきた。
今のウロがあの強力無比な魔具をこの技術力に乗せて扱えばどれぐらいの脅威となるかは明らかだ。
ジールバードは至近距離での戦闘能力の強化を目指し、ウロや魔物を相手に「ゼロ距離射撃」と鉤爪による斬撃技術を高めている。
最初はよく引っ搔き傷と嚙み付き痕だらけで帰って来たものだが、今はかすり傷さえ滅多に負わない。
さらには一度の訓練で仕留めて来る魔物の数も増えてきた。おかげで夕飯が豪華になり少し嬉しい。
マギクについてはあまり詳しくないが、どうやら新しい魔法をいくつか開発・習得しているらしい。
ある程度完成したら私達にも教えてくれるとのことなので気長に待っている。
そしてラーラについて。
ラーラは「獣形態」については一切言及せず、純粋な「魔法使い」としてマギクに師事している。
午前中は起きて来て新しい魔法を習得し、日が沈む頃には眠ってしまう。
しかしマギクの話によると、この一見過剰なように思える長時間睡眠こそが魔術操作の感覚をその身体に定着させ、常軌を逸して効率的な学習を可能にする鍵らしい。
ただ話が出来る時間が少ないのはちょっぴり寂しいような気もしている。
そんなことを感じていたある夜。
「最近背が伸びたんじゃないか?」
ジールバードがふと私の方を見て言う。
「そうですかね? そうだと嬉しいです。私チビなので」
同世代に比べて10cm程背が低い。実際そのせいで先日のウロとの初手合わせではリーチが足りず攻撃が当たらなかった。
あの時は渾身の一撃だっただけに悔しい思いをした。
たとえそのようにまだ不十分だとしても成長しているなら嬉しい。
その時、
「ん…」
食後ゆったりしていた私の横でラーラが唸りながら身体を起こす。
「お! 起きた!」
「…おはようございますグレア様。どうしたんですか? そんな珍しい魔物でも観察しているみたいなこと言って」
「実際珍しい魔物を観察してますからね。夜には滅多に起きてこない珍しい魔物です。さて、今まで起きてこなかった分話したいことがあるんですが?」
「そうですね。付き合わせてください」
さっきまで話相手になってくれていたウロとジールバードに一言断って、私達も森の奥へと歩いて行った。
「みんな行っちまったな。俺達もデートするか?」
「やめろやめろ。オレにそんな趣味はねえっての。てかお前にもねえだろ。大体『そういう感情』自体ねえって知ってんだろうが、狸ジジイ」
二人の愉快なやりとりを背に丁度良い場所を見つけ、二人並んで腰かける。
「話したいことは山々ですが、まずはこれです」
ログラマトの『精神干渉魔法について』を広げて見せる。
「これは…」
「貴方にぴったりの一冊です」
翌朝、朝食を終えて鍛錬に入ろうとする一同をマギクとリレラが呼び止める。
「みんな、どうか聞いて欲しいことがあるんだ」
二人は手を繋いで立っていた。
注目するみんなを前に二人は小声でやりとりした後、今度はリレラが話し始める。
いつもの明朗さとは打って変わり、珍しくもじもじしている。
「実は…その…今月の、『来て』なくてさ…」
その瞬間、一同が目を丸くする。
その日は訓練をやめ、午前中から移動開始。急遽近くの町で祝宴が行われることになった。
私はしばらくリレラの言葉の意味が理解できずにいたが、馬車内でラーラに教えてもらってハッとした。
町でも検査を受け、リレラの懐妊は確定的になった。
夕方から始まった宴は大いに盛り上がり、特に妻に先立たれ息子も一人立ちしたというジールバードはこれまで見たことが無いほどべろべろに泥酔していた。
「おい、お前さんも呑め呑め」
「いいや、あたしはいいよ」
冷静に断るリレラ。
これだけ盛況でも一切アルコールに手を付けなかった彼女の顔には、今まで感じたことのない独特な余裕と凛々しさがあった。
宴が終わった後、ウロがジールバードを、私はラーラをおぶって歩いていた。
それを見たリレラがふと言う。
「あたし達もやろうよ」
僕はあんまり筋力がないから、と弱気なマギク。
「もう、あたしが重いって?」
「いや、そういう訳じゃ…」
事実、特殊体質で筋密度の高いリレラは重いだろう。しかも身長でさえマギクは少し負けている気がする。
同情はするがマギクの方も、もっと他の言い方があるだろう。
「そんなこと言う奴は…」
リレラがマギクを掴み、楽し気に空中へ放り投げる。
「えっ! ちょっと!」
背中で見事にキャッチし、リレラの側がマギクをおんぶする体勢になった。
「びっくりした?」
「…うん。すごく」
二人だからこそ出来る戯れを見て無意識の内ににやにやしていた私だが、ふと気になった。
「そういえば、訓練はしばらく休むんですか?」
「ううん、お腹がもっと大きくなって動けなくなるまでは出来る限り続けたいな。せっかく強くなったんだから腕が鈍ったら嫌だし、この子を守れるようにもっと強くなっておきたいから」
「流石ですね。でも私だってリレラ様”たち”を守りますから、無茶はしないでください」
私は答えた。
これから先、大きな脅威が「夜明けの旅団」に襲い掛かるだろう。
でも守りたい。せっかく出来た私の居場所だから。
決意を胸に夜道をみんなと歩いて行った。
私とリレラ、それにウロは切磋琢磨しながら格段に実力を伸ばしてきた。
私の弱点は所謂「引き出し」の少なさだったが、二人から少しずつ新しい技を教えてもらっている。
粗削りながらも「白巌流」の「吹雪」、「泰然流」の「柳」と「理識」は既に使えるようになった。
「吹雪」は「隼斬り」の連撃を凌ぐ速度だし、「柳」は打ち合いになった時に普通の防御に組み込むだけで優位に立てる。そして魔力から敵の動きを予見する「理識」は魔力消費量の甚大さ故に常時使用する訳にはいかないが、汎用性はとにかく高い。
まさに「痒い所に手が届く」技能ばかり授けてもらえた。
リレラは「リズムの取り戻し方」が身体にかなり馴染んできたらしく、形勢を逆転させる瞬間は対峙していても気付かない程。
対戦者は「こちらが追い詰めていたはずが、気付けば今まで通り攻撃しているのに敗北寸前になっている」という摩訶不思議な感覚を味わうことになる。
唯一の弱点が克服されつつある今、リレラは理論上一対一最強の剣士に近付いていると言えるだろう。
ウロは私達との共同訓練と同時並行でジールバードとも訓練し、全体的な身のこなしが洗練されてきた。
それに伴って課題だった技能の純粋な練度も磨かれてきた。
今のウロがあの強力無比な魔具をこの技術力に乗せて扱えばどれぐらいの脅威となるかは明らかだ。
ジールバードは至近距離での戦闘能力の強化を目指し、ウロや魔物を相手に「ゼロ距離射撃」と鉤爪による斬撃技術を高めている。
最初はよく引っ搔き傷と嚙み付き痕だらけで帰って来たものだが、今はかすり傷さえ滅多に負わない。
さらには一度の訓練で仕留めて来る魔物の数も増えてきた。おかげで夕飯が豪華になり少し嬉しい。
マギクについてはあまり詳しくないが、どうやら新しい魔法をいくつか開発・習得しているらしい。
ある程度完成したら私達にも教えてくれるとのことなので気長に待っている。
そしてラーラについて。
ラーラは「獣形態」については一切言及せず、純粋な「魔法使い」としてマギクに師事している。
午前中は起きて来て新しい魔法を習得し、日が沈む頃には眠ってしまう。
しかしマギクの話によると、この一見過剰なように思える長時間睡眠こそが魔術操作の感覚をその身体に定着させ、常軌を逸して効率的な学習を可能にする鍵らしい。
ただ話が出来る時間が少ないのはちょっぴり寂しいような気もしている。
そんなことを感じていたある夜。
「最近背が伸びたんじゃないか?」
ジールバードがふと私の方を見て言う。
「そうですかね? そうだと嬉しいです。私チビなので」
同世代に比べて10cm程背が低い。実際そのせいで先日のウロとの初手合わせではリーチが足りず攻撃が当たらなかった。
あの時は渾身の一撃だっただけに悔しい思いをした。
たとえそのようにまだ不十分だとしても成長しているなら嬉しい。
その時、
「ん…」
食後ゆったりしていた私の横でラーラが唸りながら身体を起こす。
「お! 起きた!」
「…おはようございますグレア様。どうしたんですか? そんな珍しい魔物でも観察しているみたいなこと言って」
「実際珍しい魔物を観察してますからね。夜には滅多に起きてこない珍しい魔物です。さて、今まで起きてこなかった分話したいことがあるんですが?」
「そうですね。付き合わせてください」
さっきまで話相手になってくれていたウロとジールバードに一言断って、私達も森の奥へと歩いて行った。
「みんな行っちまったな。俺達もデートするか?」
「やめろやめろ。オレにそんな趣味はねえっての。てかお前にもねえだろ。大体『そういう感情』自体ねえって知ってんだろうが、狸ジジイ」
二人の愉快なやりとりを背に丁度良い場所を見つけ、二人並んで腰かける。
「話したいことは山々ですが、まずはこれです」
ログラマトの『精神干渉魔法について』を広げて見せる。
「これは…」
「貴方にぴったりの一冊です」
翌朝、朝食を終えて鍛錬に入ろうとする一同をマギクとリレラが呼び止める。
「みんな、どうか聞いて欲しいことがあるんだ」
二人は手を繋いで立っていた。
注目するみんなを前に二人は小声でやりとりした後、今度はリレラが話し始める。
いつもの明朗さとは打って変わり、珍しくもじもじしている。
「実は…その…今月の、『来て』なくてさ…」
その瞬間、一同が目を丸くする。
その日は訓練をやめ、午前中から移動開始。急遽近くの町で祝宴が行われることになった。
私はしばらくリレラの言葉の意味が理解できずにいたが、馬車内でラーラに教えてもらってハッとした。
町でも検査を受け、リレラの懐妊は確定的になった。
夕方から始まった宴は大いに盛り上がり、特に妻に先立たれ息子も一人立ちしたというジールバードはこれまで見たことが無いほどべろべろに泥酔していた。
「おい、お前さんも呑め呑め」
「いいや、あたしはいいよ」
冷静に断るリレラ。
これだけ盛況でも一切アルコールに手を付けなかった彼女の顔には、今まで感じたことのない独特な余裕と凛々しさがあった。
宴が終わった後、ウロがジールバードを、私はラーラをおぶって歩いていた。
それを見たリレラがふと言う。
「あたし達もやろうよ」
僕はあんまり筋力がないから、と弱気なマギク。
「もう、あたしが重いって?」
「いや、そういう訳じゃ…」
事実、特殊体質で筋密度の高いリレラは重いだろう。しかも身長でさえマギクは少し負けている気がする。
同情はするがマギクの方も、もっと他の言い方があるだろう。
「そんなこと言う奴は…」
リレラがマギクを掴み、楽し気に空中へ放り投げる。
「えっ! ちょっと!」
背中で見事にキャッチし、リレラの側がマギクをおんぶする体勢になった。
「びっくりした?」
「…うん。すごく」
二人だからこそ出来る戯れを見て無意識の内ににやにやしていた私だが、ふと気になった。
「そういえば、訓練はしばらく休むんですか?」
「ううん、お腹がもっと大きくなって動けなくなるまでは出来る限り続けたいな。せっかく強くなったんだから腕が鈍ったら嫌だし、この子を守れるようにもっと強くなっておきたいから」
「流石ですね。でも私だってリレラ様”たち”を守りますから、無茶はしないでください」
私は答えた。
これから先、大きな脅威が「夜明けの旅団」に襲い掛かるだろう。
でも守りたい。せっかく出来た私の居場所だから。
決意を胸に夜道をみんなと歩いて行った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
氷弾の魔術師
カタナヅキ
ファンタジー
――上級魔法なんか必要ない、下級魔法一つだけで魔導士を目指す少年の物語――
平民でありながら魔法が扱う才能がある事が判明した少年「コオリ」は魔法学園に入学する事が決まった。彼の国では魔法の適性がある人間は魔法学園に入学する決まりがあり、急遽コオリは魔法学園が存在する王都へ向かう事になった。しかし、王都に辿り着く前に彼は自分と同世代の魔術師と比べて圧倒的に魔力量が少ない事が発覚した。
しかし、魔力が少ないからこそ利点がある事を知ったコオリは決意した。他の者は一日でも早く上級魔法の習得に励む中、コオリは自分が扱える下級魔法だけを極め、一流の魔術師の証である「魔導士」の称号を得る事を誓う。そして他の魔術師は少年が強くなる事で気づかされていく。魔力が少ないというのは欠点とは限らず、むしろ優れた才能になり得る事を――
※旧作「下級魔導士と呼ばれた少年」のリメイクとなりますが、設定と物語の内容が大きく変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる