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番外編
お兄ちゃんと授業参観 ①
しおりを挟む皆様、いつも閲覧頂きありがとうございます。
私生活でいろいろありまして、ずっと更新ができませんでした。申し訳ありません(詳しくはXをご覧下さい)
また今回は、前回に引き続き、番外編です。
飛鳥が、エレナの授業参観に行く話。
少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
********
「飛鳥兄ぃ!」
年が明け、しばらくがたった頃、真冬の神木家では、華が飛鳥を呼び止めていた。
ミサとのいざこざがあってから、約二ヶ月。
現在は、ミサが入院中のため、神木家がエレナを預かっている。まさに、第二の妹として神木家の一員となったエレナ。
更に、今は侑斗も日本にいるため、現在の神木家は5人暮らし。
そして、飛鳥似のエレナが加わったことで、神木家の華やかさは更に増し、いつも以上に賑やかな日々を過ごしていた。
だが、そんな日常を送る中、こっそりリビングにやってきた華は、酷く神妙な面持ちで、飛鳥に語りかける。
「ちょっと話があるんだけど……」
「話?」
「うん。実はこれが、ゴミ箱に捨ててあって」
遠慮がちに華が差し出してきたのは、クシャクシャになった紙だった。
飛鳥が、開いてみれば、4年1組と書かれているのが見えて、小学校からのプリントだと気づく。そして、そのプリントには、とある行事のお知らせが載っていた。
「授業参観?」
そして、その文字をみて、飛鳥は眉を顰める。
なんでも、2月上旬にエレナの通う桜聖第二小学校で、授業参観があるらしい。だが、これがゴミ箱にあったということは、エレナが捨てたということで……
「アイツ、学校からのプリントは、全部持って来いって言っといたのに」
「でも、ミサさん、今入院してるし、渡しても困らせるだけだと思ったんじゃない?」
「まぁ、そうだろうね」
相変わらず、変なところで、気を回す子だ。
こんな所は、本当に自分の子供の頃にソックリだと、飛鳥は失笑する。
「これ、どうする? ミサさんの代わりに、お父さんに行ってもらう?」
「うーん……」
すると、華の言葉に、飛鳥は更に考えこむ。
授業参観とは、基本、パパやママに、日頃の勉強風景を見てもらう行事だ。
中学生の頃までは、自分たちの授業参観にも、よく父が来てくれた。
どこか恥ずかしくもありながら、やはり嬉しかった。
しかし、神木家の父である侑斗は、エレナにとっては、実の父ではなく……
「いや、頼めば、父さんなら行ってくれるだろうけど、行ったら行ったで、ややこしくなるだろ。ミサの彼氏だとか、再婚相手だとか、変な噂がたっても困るし……なにより、父さんは、エレナとは、なんの繋がりもないわけだし」
エレナは、ミサが二回目に結婚した相手との子供。
当然、血の繋がりは一切なく、前妻の娘の授業参観に、元旦那である父が行くのは、ややこしい意外の何者でもない。
「そっか……そうだよね」
すると、華が酷く心配そうな顔で
「エレナちゃんだけ、誰も見にこないのは可哀想だなーって思ったんだけど……やっぱり、お父さんがいってもダメだよね」
「そんな顔するなよ。授業参観には、俺が行くよ」
「え?」
だが、その兄の言葉に、華は目を丸くし
「あ、飛鳥兄ぃが、行くの!?」
「うん。どう考えても、俺が適任だろ」
「そ、そうだけど……あー、分かった! ミサさんに変装していくんだね!」
「は?」
だが、その後、意味がわからないことを言い出した華に、飛鳥はニッコリと笑いかける。
「なんでそうなるの?」
「だって、飛鳥兄ぃ、ミサさんにそっくりだし!」
「バカなの? いくら見た目が似てるからって、42歳のオバサンになりすませるわけないだろ」
「オバサン!?」
あまりの発言に、華は更に驚く。
あの、20代後半にしか見えない若々しいミサさんを捕まえて、オバサンだと!?
「ひっどい!? ミサさんのどこがオバサンなのよ!? まだ、一回しか見たことないけど、どう見てもお姉さんだったよ!!」
「見た目がどうであれ、中身はオバサンだろ? だいたい、21歳の俺とは、肌ツヤが全く違うよ。それに、オバサンの振る舞い方なんてわかんないし、なりすましてもバレるに決まってる」
「……っ」
全く歯に衣を着せず、ズバズバと言い放つ兄!
あの絶世の美女を掴まえて、オバサンなどと言うのは、きっと、この兄くらいだろう。
「ミサさんが聞いたら、怒りそう」
「ぅ……やめてくんないかな。トラウマ抉《えぐ》り出すの。とにかく、エレナの授業参観は、俺が兄として行ってくるから、心配しなくていいよ」
「兄として!?」
「うん。だって俺、お兄ちゃんだしね♪ あと、エレナには、内緒にしといて。サプライズで行って驚かせてやりたいから!」
「……っ」
そう言って、にこやかに去っていった兄を見て、華はじわりと汗をかく。
あの美人すぎる兄が、サプライズで小学校に??
「……だ、大丈夫かな、エレナちゃん」
同じく美人すぎる兄を持つ妹として、華は、エレナの学校生活を酷く案じたのだった。
②に続く
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