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第8話『まぁ、この程度は大した敵じゃない』 2/3
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リヴィアナ様の封印書庫は、王都の北部に位置する人が寄り付かない森の奥にある。
歩けば半日程度で王都から辿り着くため、ただ距離だけを考えるなら非常に行きやすい場所だ。
しかし、その道中には恐ろしい魔物や、危険な場所を多く通る為、あまり人は寄り付かない場所なのだ。
だから慎重に進まなくてはいけない……のだけれど。
「あっ、危なーい!! 沼地に潜む毒カエル、ジャイアントスワンプフロッグは、別名死への誘いとも呼ばれ……ているんですが、特に何も無かったですね」
「そうだな」
「まぁ、この程度は大した敵じゃない」
「そうですか」
冒険者組合で、危険度Bに登録されている魔物なんですがね。
その大きさは大人と同じくらいで、体は柔らかく衝撃を吸収する為、刃物も通りにくい。
更に、いつも沼の中に潜んでいる事から発見が難しく、魔術で仕留めようにも、強靭な脚力で飛び跳ねるジャイアントスワンプフロッグは狙うのが難しく、冒険者ランクB以上でないと討伐依頼を受けてはいけない魔物なんですけどね。
沼から飛び出して……次の瞬間には胴体が真っ二つにされてました。
何が起きたのだろう……。
シュンさんが何かしたのだろうと思うけど、それしか分からなかった。
が、私は完全に油断していた所を襲い来る、次なる敵に気づいていた。
そして注意を促すべく、近くにいたオーロさんに声を掛ける!
「危ない!! 今、草むらの低い場所が動きました! しかし、姿はない。この様な動きをするのは危険度Aランクのクリアサーペントに違いありません!! この森に分布している種の中で、その様な特徴と体長の生物は他に居ませんから! 気を付けてください! クリアサーペントはその姿が見えないという点も危険ですが、何よりもその速さです! あまりにも早く地面を動くその速度に人は追いつけ……ない筈なんですけど、捕まってますね。あっ! でもそれだけじゃありません! クリアサーペントには強力な毒があり、その牙はどんな鎧も容易く貫く……筈なんですが、大丈夫なんですか? そうですか」
私は地面を走る。見えないハズの毒蛇を捕まえて、両手でちぎっているオーロさんをみて、うーんと唸った。
常識が通じない。
この二人には、まったくと言っていい程、常識が通じない。
「むー」
「なんだ。ミラは何を唸っているんだ」
「別に! 何でもありません!!」
違う。
何か私が思っていたのと違う!!
もっと、こう。強大な魔物にピンチになって、私のアドバイスが切っ掛けになって、魔物を倒す! みたいな展開が待ってると思ってたのに。
現実はシュンさんとオーロさんという暴力装置が暴れまわり、もはや魔物が被害者だ。
歩けば半日程度で王都から辿り着くため、ただ距離だけを考えるなら非常に行きやすい場所だ。
しかし、その道中には恐ろしい魔物や、危険な場所を多く通る為、あまり人は寄り付かない場所なのだ。
だから慎重に進まなくてはいけない……のだけれど。
「あっ、危なーい!! 沼地に潜む毒カエル、ジャイアントスワンプフロッグは、別名死への誘いとも呼ばれ……ているんですが、特に何も無かったですね」
「そうだな」
「まぁ、この程度は大した敵じゃない」
「そうですか」
冒険者組合で、危険度Bに登録されている魔物なんですがね。
その大きさは大人と同じくらいで、体は柔らかく衝撃を吸収する為、刃物も通りにくい。
更に、いつも沼の中に潜んでいる事から発見が難しく、魔術で仕留めようにも、強靭な脚力で飛び跳ねるジャイアントスワンプフロッグは狙うのが難しく、冒険者ランクB以上でないと討伐依頼を受けてはいけない魔物なんですけどね。
沼から飛び出して……次の瞬間には胴体が真っ二つにされてました。
何が起きたのだろう……。
シュンさんが何かしたのだろうと思うけど、それしか分からなかった。
が、私は完全に油断していた所を襲い来る、次なる敵に気づいていた。
そして注意を促すべく、近くにいたオーロさんに声を掛ける!
「危ない!! 今、草むらの低い場所が動きました! しかし、姿はない。この様な動きをするのは危険度Aランクのクリアサーペントに違いありません!! この森に分布している種の中で、その様な特徴と体長の生物は他に居ませんから! 気を付けてください! クリアサーペントはその姿が見えないという点も危険ですが、何よりもその速さです! あまりにも早く地面を動くその速度に人は追いつけ……ない筈なんですけど、捕まってますね。あっ! でもそれだけじゃありません! クリアサーペントには強力な毒があり、その牙はどんな鎧も容易く貫く……筈なんですが、大丈夫なんですか? そうですか」
私は地面を走る。見えないハズの毒蛇を捕まえて、両手でちぎっているオーロさんをみて、うーんと唸った。
常識が通じない。
この二人には、まったくと言っていい程、常識が通じない。
「むー」
「なんだ。ミラは何を唸っているんだ」
「別に! 何でもありません!!」
違う。
何か私が思っていたのと違う!!
もっと、こう。強大な魔物にピンチになって、私のアドバイスが切っ掛けになって、魔物を倒す! みたいな展開が待ってると思ってたのに。
現実はシュンさんとオーロさんという暴力装置が暴れまわり、もはや魔物が被害者だ。
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