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第17話『俺が住んでいた場所はジルスターだ』 3/3
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「そして事件は解決した。これがジルスターの悲劇だ。シュン」
「そうか。ところで気になるんだが」
「なんだ?」
「アダラード。だったか? その男はどうなった」
「……」
私はシュンさんの言葉にヒュっと息を呑んだ。
だって、アダラードは。
「あの事件以降、行方不明だ」
「なるほどな。今ようやく全てが納得したよ。オーロ。お前の旅の終着点はソイツか」
「あぁ」
「え!?」
「お前がヤマトに来たのは、巫女様を求めたのは千里眼か。アダラードの居場所を見つける為に」
「そうだ。奴は俺が見つけ出して……殺す」
思わず逃げ出したくなる程の怒気を背後から感じて、私は震えてしまった。
しかし、それと同じ様に、何故かシュンさんも怒りを発している様だった。
「なるほど。では俺の道の先もお前と同じ所にあるようだな」
「どういう事だ?」
「居るんだよ。ヤマトにも。神を復活させようとして禁忌を犯したバカが」
「っ」
「ソイツは、大いなる神をヤマトに呼び戻す為、天に住まう神々を導く為に光の道を作る必要があると考えた。しかし、それを為す為には二つの要素が必要だ。一つは世界を暗黒に落とす事。そしてもう一つは、黒く染まった空を切り裂く事。そう、天斬りだな」
シュンさんは私たちの前に一本の刀を掲げて目を細める。
「『島風』は永くその担い手が居なかった神刀であり、居たとしても初代様の様に使える者は居なかった。故に男は神の復活を考えつつも、現実として不可能である為、その夢を考えない様にしていた。しかし、生まれたのだ。妾の子ではあったが、島風の担い手となり、その力を発揮できる人間が。そして、その子供を見つけた時、その男、天霧宗謙は夢を叶えるという目的の為に、島風をその子供に握らせ、幻覚剤を飲ませた。より多くの恐怖が力を目覚めさせる様にと」
シュンさんは目を閉じて、息を吐く。
「子供が自分を取り戻した時、周囲には暴れた結果が転がっており、その刃の先には、子供の母が自らの命を使って子供を正気に戻している姿だった。子供は罪人として囚われ、その隙に天霧宗謙は国外へ脱出したらしい。そして、巫女様の千里眼によれば、あの男は、世界を闇に落とそうとしているアダラードなる男と組んでいると聞いた」
「……そうか」
オーロさんとシュンさんはフッと笑うと、それぞれが剣と刀を持ってそれの鞘をぶつけ合う。
「なるほど。面白い偶然だ」
「偶然? 違うな。これも全て巫女様のお導きだ」
「そうか。ではその導きに感謝しよう」
「では、天霧宗謙は俺が」
「アダラードは俺が」
そして二人は笑う。
狂気を滲ませたような笑顔で。
「そうか。ところで気になるんだが」
「なんだ?」
「アダラード。だったか? その男はどうなった」
「……」
私はシュンさんの言葉にヒュっと息を呑んだ。
だって、アダラードは。
「あの事件以降、行方不明だ」
「なるほどな。今ようやく全てが納得したよ。オーロ。お前の旅の終着点はソイツか」
「あぁ」
「え!?」
「お前がヤマトに来たのは、巫女様を求めたのは千里眼か。アダラードの居場所を見つける為に」
「そうだ。奴は俺が見つけ出して……殺す」
思わず逃げ出したくなる程の怒気を背後から感じて、私は震えてしまった。
しかし、それと同じ様に、何故かシュンさんも怒りを発している様だった。
「なるほど。では俺の道の先もお前と同じ所にあるようだな」
「どういう事だ?」
「居るんだよ。ヤマトにも。神を復活させようとして禁忌を犯したバカが」
「っ」
「ソイツは、大いなる神をヤマトに呼び戻す為、天に住まう神々を導く為に光の道を作る必要があると考えた。しかし、それを為す為には二つの要素が必要だ。一つは世界を暗黒に落とす事。そしてもう一つは、黒く染まった空を切り裂く事。そう、天斬りだな」
シュンさんは私たちの前に一本の刀を掲げて目を細める。
「『島風』は永くその担い手が居なかった神刀であり、居たとしても初代様の様に使える者は居なかった。故に男は神の復活を考えつつも、現実として不可能である為、その夢を考えない様にしていた。しかし、生まれたのだ。妾の子ではあったが、島風の担い手となり、その力を発揮できる人間が。そして、その子供を見つけた時、その男、天霧宗謙は夢を叶えるという目的の為に、島風をその子供に握らせ、幻覚剤を飲ませた。より多くの恐怖が力を目覚めさせる様にと」
シュンさんは目を閉じて、息を吐く。
「子供が自分を取り戻した時、周囲には暴れた結果が転がっており、その刃の先には、子供の母が自らの命を使って子供を正気に戻している姿だった。子供は罪人として囚われ、その隙に天霧宗謙は国外へ脱出したらしい。そして、巫女様の千里眼によれば、あの男は、世界を闇に落とそうとしているアダラードなる男と組んでいると聞いた」
「……そうか」
オーロさんとシュンさんはフッと笑うと、それぞれが剣と刀を持ってそれの鞘をぶつけ合う。
「なるほど。面白い偶然だ」
「偶然? 違うな。これも全て巫女様のお導きだ」
「そうか。ではその導きに感謝しよう」
「では、天霧宗謙は俺が」
「アダラードは俺が」
そして二人は笑う。
狂気を滲ませたような笑顔で。
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