聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第18話『私の始まりは酷く暗い世界だった』②

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切っ掛けは私たちが住まう森に、知らない人達が来たという話を聞いた事だった。

森には私たちでは食べきれない程の食料があり、私も村の人たちも分け合えば良いと思っていた。

しかしそう思っていたのは私たちだけであった。

そう。彼らは初めから全てを奪う為に私たちの住んでいた森へ来たのだった。

彼らは私たちの村を突然襲撃し、食料や住処をその手に持った武器で破壊した。

それだけでなく、まだ幼い子供を連れ去ろうとし、その親に手を掛けようとしたのだ。

幸いと言うべきか。私たち村の人間は長く森で生活していたからか、魔王様の加護があったからか、『魔法』という不思議な力が使える様になっており、何とか侵略者を追い返す事に成功したのである。

だが、彼らは武力が無理だと分かると交渉したいと言い、共に手を合わせ闇や他の国を支配しようと言ってきた。

当然。という訳では無いが、村の人たちは誰も頷く事はなく、私たちは彼らと戦争をする事になってしまった。

今考えればそんな事をするべきでは無かった。

逃げれば良かったのだ。

闇に身を隠せば彼らには私たちを追う術は無かったのだから。

そして、戦争の結果、私たちは住んでいた場所を奪われ、多くの仲間の命を奪われ、大切な妹を奪われた。

私は村の人たちの事を魔王様にお願いし、妹を助けるべく彼らの所へ向かい、一瞬の隙を突いて妹を逃げた村の人たちの所へと向かい空に飛ばした。

しかし、それが精一杯であり、私は彼らに捕まってしまったのだった。



そして私は彼らが造ったという強固な檻の部屋に入れられる事となった。

首と手足には重い枷が付けられ、とてもじゃないが逃げられる状況では無かった。

それからの日々は思い出したくもないモノばかりだ。

遠くから聞こえてくる魔王様の声や、無事に生きている村の人たちだけが私の心の支えだった。

しかし、どれだけ時間を掛けても私から得られる物はないと気づいたのか。

もしくは私が従順であったからか、侵略者の王から私に向ける感情に変化が起こった。

強大で恐ろしい王から、一人の男へと変わり、やがて私に妻という役目を求める様になった。

しかし、どれだけ行為を繰り返そうと私に子は出来ない。

当然だろう。

私と彼らは違う生物なのだから。

私は王に諦める様に言い、ここからの解放を願った。

しかし王はそれを激しく拒否し、帰ってきたのはもはや動く事すら難しい程の枷であった。

それから私は無駄な事はするまいと、草花の様に静かな心で日々を過ごした。

その間にも侵略者の王は別の国の王に命を奪われ、またその王も別の王に命を奪われた。

私は王が命を落とす度に、新しい王の元へ運ばれ、一番奥の部屋に囚われ続けた。

どんな王も同じことを私に繰り返した。

体を求め、やがて時が過ぎれば心を求める。

その行為に何の意味もないと知りながら。
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