聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第33話『まだ、彼らの願いは生きていたのですね』③

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大きなお腹を抱えながら笑うマルコさんは、外側の壁近くに置いてあった木の箱から三本の瓶を取り出すと、お兄さん達に投げ、そして自分もその瓶を開けて中の飲み物を飲む。

「今度も優勝は俺たちだ!」

「おぉ!」

「腕の違いって奴を教えてやるぜ!!」

「な、なんだ……?」

先ほどまでのしんみりとした空気から、突然激しく盛り上がる様な空気に代わり、カー君が怯えた様な声を上げた。

私は椅子から立ち上がり、レーニちゃんとカー君を抱き寄せる。

「さて。話が途中だったな。アメリア。それから四百年経った今の話をしよう!! 俺たちは偉大なる男たちの名を貰い、マルコは男たちが話す最も勇敢だった男から名を貰った。そして俺たちは男たちの名を永遠のモノとする為、飛行機の改良を進め、現代まで繋げた」

私は風の魔術で二人を護りながら、自分もこれから吹いてくるであろう突風に耐える為、足に力を入れる。

そして、直後に私たちを拭き飛ばす様な突風が吹き荒れて、家を護っていた魔術やらテントやらが吹き飛んでいった。

「そして、今!! もはや空を目指す男たちは俺たちだけじゃない。この草原には、俺たちと同じ夢に魅せられた連中が集まり、いつしか、大いなる空の覇者を決めるレースが行われる様になった!!!」

「お、おぉー!」

カー君は驚きと歓喜が混じった様な声を上げ、私もまた草原のあらゆる場所に存在する大型の飛行機たちを見据える。

あの人たちの夢が繋がり、一つの形となった景色を目に焼きつけていた。

「うぉぉおお!! 始まりの風が吹いたァ!! 俺たちの戦いが始まるぞ!! 豚共ォ!!」

「お前も豚だろうが」

「こまけぇことは良いんだよ! 今度こそ俺たち、マンマ……む? むむむ? どういう事だ。豚のテントに可憐な人間のお嬢さんがいるじゃねぇか!!」

「っ!」

やや離れた所に居た、マルコさん達よりも大きなオークさんは私を見つけるとすごい勢いで突っ込んできた。

そして、目を覆うゴーグルの中から私をジッと見つめる。
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