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31話 帰り道
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ダンジョンの外に出て辺りを見渡してみると、家がボロボロになっていたり、木が倒れたりしているのが見える。
ダンジョンには自衛隊とか警察とかがたくさん集まってきていて、ダンジョンから出てきた人に何か話を聞いている。
めんどくさそうだったから私とことりさんはとりあえずその場を離れた。
こういう時の隠密ってほんと便利だよ。
「私たちがダンジョンにいる間に何かあったんでしょうか?」
ダンジョンから少し離れたところでそんなことを聞かれた。
「地震でも来たんじゃないかな……震源地はたぶんゴブリンダンジョン」
ここまで言ったら気づいてくれるはずだ。
あと関係ないけどいつの間にかことりさんは敬語に戻っていた。
私はタメ口に慣れてしまったからこのままでいくけどね。
「ゴブリンダンジョンで地震ってことは……あっ、分かりました。犯人は絶対ゴブリンキングですね!」
しばらく経ってようやく気づいたみたい。
「私の予想だけどねー。というわけで正解を見てみよう」
私は【アイテムポーチ】からスマホを取り出し、ゴーグルで検索する。
「あったあった。えっーと、読むよ。本日、午後1時頃、ゴブリンダンジョンを震源地とする震度6弱の地震を観測した。今のところ死者は出ていないそうだって」
「これって死者がでたら私たちのせいになるんでしょうか……?」
「さすがにそれはないと思うよ。だって私たちが地震を起こしたわけじゃないし。悪いのは全てゴブリンキングだからね!」
ネットとかにあげたら叩かれる気しかしないけどね。
「だからことりさんも気にしすぎちゃだめだよ」
ことりさんは無言で頷いた。
その後、私たちは今からどうするかとか色々話した。
話した結果、今日はもう帰ることになった。
元々はスライムダンジョンに行く予定だったけど、地震のせいで近くのダンジョンが全て封鎖されてしまったから行けなくなった。
封鎖されてなくてもゴブリンキングと戦って疲れたから私は行きたくなかったけどね。
「ことりさん今日は一緒に行ってくれてありがとう。また今度!」
私はそう言って帰ろうとしたらことりさんに止められた。
どうしたんだろう?
「あの、ちょっといいですか……」
「何かあったの?」
「私の家は少し遠くにあって、電車でここまで来たんですよ……」
「うんうん」
「今スマホで調べたら地震のせいで電車が止まっちゃったそうなんですよ……」
「なら私の家来る?」
私がそう言った途端、今にも泣き出しそうだったことりさんの顔が笑顔に変わった。
「いいんですか!?」
「一人暮らしだから別に問題ないよ~」
「ありがとうございます! 私、後でアイスを買いに行ってきますね!」
さすがことりさんだ。
言われないと買ってこない“す”から始まる人とは大違いだ。
「それじゃあ行こっか」
私はことりさんの手を引っ張って家に向かった。
いつものように魔石を換金しようと思ったけど、地震のせいで換金する箱みたいなやつが壊れていて換金できなかった。
また今度持ってきたらいいだけだから別にいいけど、少しめんどくさい気もする。
途中、コンビニに寄ってことりさんにアイスを買ってもらった。
買ってもらったアイスを食べながら帰っていると前からさっき言ってた“す”から始まる人が歩いてきた。
噂をすれば~ってやつだね。
「んー? 近くにほかりんの気配がする……」
前から歩いてきてる人が急に立ち止まってそんなことを言い出した。
ものすごく嫌な予感がする。
ていうかどうして私がいるって思ったの?
隠密って感知系スキルにすら引っかからないはずなんだけど……
怖すぎるよ。
「あの人さっきから1人で何かブツブツ言ってるけど、どうしたんでしょう?」
「あの人はものすごくやばい人だから関わらない方がいいよ……」
傍から見たら、何も無い場所で急に立ち止まって1人で何かブツブツ言い始めたやばい人に見えるからあながち間違ってないよね……?
「ほかりん? そこにいるよね……? いるならこっち来て!」
やばい人にはついていったら行けないって習った気がするからここは無視して早く帰ろう。
「5秒以内に私の手をタッチしたらアイスを買ってあげるよ~♪ ごーお……」
アイスをくれる人にはやばい人はいないって習った気がする。
私はそう習った。
私はことりさんの手を離して涼っちの所まで走っていった。
「いーち……ぜーろ!」
と同時に手をタッチした。
これはギリセーフだよね?
セーフって言って!
「やっぱりいた~! ギリギリだけどセーフにしてあげよう」
ありがとうって言いたいところだけど、言っても涼っちに聞こえないんだよね……
それに涼っち誕生日まだだから念話どころかステータスすら持ってないし。
「ことねさん待ってくださいよぉー!」
後ろからことりさんの声が聞こえた。
アイスのことに夢中で忘れていたとかそんなことはないからね?
「ほかりんの友達……? いや、ぼっちのほかりんに私以外の友達がいるとは考え――いたっ!? 事実を言っただけなのに殴られた……」
失礼な。
私にだって友達の1人や2人くらいいるよ。
「ことねさんと一緒にいるのはことねさんがさっきものすごくやばい人だから関わらない方がいいって言ってた人?」
ことりさん!?
本人の前でそれは言っちゃいけないやつだよ……
「ほかりん? 詳しく教えてほしいなー」
これは言葉の綾ってやつで……って言っても聞こえないよね……
聞こえたところで何も変わらない気がするけど……
とりあえず今のわたしにできることは……
「ことりさん今までありがとう。一緒にダンジョンに行けて楽しかったよ。またね……」
「あの、えっと、その、ごめんなさい!?」
ダンジョンには自衛隊とか警察とかがたくさん集まってきていて、ダンジョンから出てきた人に何か話を聞いている。
めんどくさそうだったから私とことりさんはとりあえずその場を離れた。
こういう時の隠密ってほんと便利だよ。
「私たちがダンジョンにいる間に何かあったんでしょうか?」
ダンジョンから少し離れたところでそんなことを聞かれた。
「地震でも来たんじゃないかな……震源地はたぶんゴブリンダンジョン」
ここまで言ったら気づいてくれるはずだ。
あと関係ないけどいつの間にかことりさんは敬語に戻っていた。
私はタメ口に慣れてしまったからこのままでいくけどね。
「ゴブリンダンジョンで地震ってことは……あっ、分かりました。犯人は絶対ゴブリンキングですね!」
しばらく経ってようやく気づいたみたい。
「私の予想だけどねー。というわけで正解を見てみよう」
私は【アイテムポーチ】からスマホを取り出し、ゴーグルで検索する。
「あったあった。えっーと、読むよ。本日、午後1時頃、ゴブリンダンジョンを震源地とする震度6弱の地震を観測した。今のところ死者は出ていないそうだって」
「これって死者がでたら私たちのせいになるんでしょうか……?」
「さすがにそれはないと思うよ。だって私たちが地震を起こしたわけじゃないし。悪いのは全てゴブリンキングだからね!」
ネットとかにあげたら叩かれる気しかしないけどね。
「だからことりさんも気にしすぎちゃだめだよ」
ことりさんは無言で頷いた。
その後、私たちは今からどうするかとか色々話した。
話した結果、今日はもう帰ることになった。
元々はスライムダンジョンに行く予定だったけど、地震のせいで近くのダンジョンが全て封鎖されてしまったから行けなくなった。
封鎖されてなくてもゴブリンキングと戦って疲れたから私は行きたくなかったけどね。
「ことりさん今日は一緒に行ってくれてありがとう。また今度!」
私はそう言って帰ろうとしたらことりさんに止められた。
どうしたんだろう?
「あの、ちょっといいですか……」
「何かあったの?」
「私の家は少し遠くにあって、電車でここまで来たんですよ……」
「うんうん」
「今スマホで調べたら地震のせいで電車が止まっちゃったそうなんですよ……」
「なら私の家来る?」
私がそう言った途端、今にも泣き出しそうだったことりさんの顔が笑顔に変わった。
「いいんですか!?」
「一人暮らしだから別に問題ないよ~」
「ありがとうございます! 私、後でアイスを買いに行ってきますね!」
さすがことりさんだ。
言われないと買ってこない“す”から始まる人とは大違いだ。
「それじゃあ行こっか」
私はことりさんの手を引っ張って家に向かった。
いつものように魔石を換金しようと思ったけど、地震のせいで換金する箱みたいなやつが壊れていて換金できなかった。
また今度持ってきたらいいだけだから別にいいけど、少しめんどくさい気もする。
途中、コンビニに寄ってことりさんにアイスを買ってもらった。
買ってもらったアイスを食べながら帰っていると前からさっき言ってた“す”から始まる人が歩いてきた。
噂をすれば~ってやつだね。
「んー? 近くにほかりんの気配がする……」
前から歩いてきてる人が急に立ち止まってそんなことを言い出した。
ものすごく嫌な予感がする。
ていうかどうして私がいるって思ったの?
隠密って感知系スキルにすら引っかからないはずなんだけど……
怖すぎるよ。
「あの人さっきから1人で何かブツブツ言ってるけど、どうしたんでしょう?」
「あの人はものすごくやばい人だから関わらない方がいいよ……」
傍から見たら、何も無い場所で急に立ち止まって1人で何かブツブツ言い始めたやばい人に見えるからあながち間違ってないよね……?
「ほかりん? そこにいるよね……? いるならこっち来て!」
やばい人にはついていったら行けないって習った気がするからここは無視して早く帰ろう。
「5秒以内に私の手をタッチしたらアイスを買ってあげるよ~♪ ごーお……」
アイスをくれる人にはやばい人はいないって習った気がする。
私はそう習った。
私はことりさんの手を離して涼っちの所まで走っていった。
「いーち……ぜーろ!」
と同時に手をタッチした。
これはギリセーフだよね?
セーフって言って!
「やっぱりいた~! ギリギリだけどセーフにしてあげよう」
ありがとうって言いたいところだけど、言っても涼っちに聞こえないんだよね……
それに涼っち誕生日まだだから念話どころかステータスすら持ってないし。
「ことねさん待ってくださいよぉー!」
後ろからことりさんの声が聞こえた。
アイスのことに夢中で忘れていたとかそんなことはないからね?
「ほかりんの友達……? いや、ぼっちのほかりんに私以外の友達がいるとは考え――いたっ!? 事実を言っただけなのに殴られた……」
失礼な。
私にだって友達の1人や2人くらいいるよ。
「ことねさんと一緒にいるのはことねさんがさっきものすごくやばい人だから関わらない方がいいって言ってた人?」
ことりさん!?
本人の前でそれは言っちゃいけないやつだよ……
「ほかりん? 詳しく教えてほしいなー」
これは言葉の綾ってやつで……って言っても聞こえないよね……
聞こえたところで何も変わらない気がするけど……
とりあえず今のわたしにできることは……
「ことりさん今までありがとう。一緒にダンジョンに行けて楽しかったよ。またね……」
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