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十七

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「雅人、1時間目サボろ」

「…俺、無遅刻無欠席なんだけど…いいよ…今日は付き合う」

「やった」

フェンスにもたれ掛かって、空を仰ぐ。
穏やかで気持ちいい…。身体の熱がさめていく。
今日は最高のサボリ日和だな。

「雅人…」

「…何だよ、その目。あんま見つめられると勃つんだけど」

「…へっ!?や、ちがっ…そういうつもりないけど…キスしたいなって思っただけ…///」

「いいよ…勃ったらごめん」

フェンスにもたれて座ってた成海の膝の上に跨って座る。
さっそくキスをねだる。
成海はキスが上手い。
唇を離して成海の肩に顔を埋める。

「気持ちいい…雅人、キスうまいすぎ」

「…どうも」

「大好き」

「何だよ…俺も好き」

「大好き?」

「大好き」

「うへへ」

「ッチ」

パチーンとデコピンされた。
地味に痛い。

「雅人、髪切らないの?」

「いきなりだな…切らない」

「何で?」

「俺顔いいって知ってるし。モテんの嫌なんだよな…小、中といい思い出ない。…お前だけが知ってたらいいよ」

風に靡く前髪をめんどくさそうにかきあげる。
普段、滅多に喋らないし…俯かなくても前髪で前が隠れるから根暗なイメージは完璧すぎてる。

「演技力すごいな」

「演技は違う。普通に毒吐くしな。…見た目だろ?姉に地味にしてって頼んだらこうなった。髪は今まで切らなかっただけ」

「そんなの知らない」

「今言った。知らないことあるの嫌?何でも答えてやるから知りたいことは?」

「兄弟は?」

「姉と兄。下はいない」

「…付き合ってた人は?」

「聞きたいのか?」

「う、うん…」

「5人」

「えぇっ!!!!!?」

「だから言ったろ、聞きたいのかって」

え、でもでもでもでも!!!
そんな多いって普通思わないじゃん!
…セフレもいたんだよね?

「…付き合ってる人いるのにセフレいたの?」

「…いた。……そんなこと聞くなよ。…お前が悲しくなるんだろ?俺、もうお前だけだから」

「絶対だよ?セフレ作ったら嫌」

「作らないよ。…何回俺はあんたに好きだって言えばいいんだ」

「うん。ごめん…な、それバレたことある?」

「…何で興味津々なんだ。…ある」

「あるの!?どんなだった?喧嘩した?」

「喧嘩なんてもんじゃなくて、殴られた」

「うっ…あははははっ!!やべぇ、ウケる。で、で?」

「…は?」

「だから!それどうなった?いたかった?セフレどうしたの?」

「…痛いだろ。殴られたのは2回。バレたのは3回。セフレは解消しなかった。1から探すの面倒だったし」

「3回バレたんだ!?(笑)1回は殴られなかったんだ」

「…泣かれた。そいつと自分どっちがいいのって」

「そんなんあるんだ~(笑)つか、何で付き合ってたのにセフレとか作ってたんだ?」

「…何でそんなん知りたがるんだ」

「え、何か面白い…」

「嫌じゃないの…こんなん聞いて」

「…嫌だけど。どんなことでも知りたいんだもん」

ため息つかれた。

「そういうなら…教えてやる。聞きたくなくなっても聞けよ。…キスしてやるから」



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