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消えた鍵の在処について (1)

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ある日、母が死んだ。俺の大嫌いな母親。俺を殴ってばかりいた母親。なのに何故葬儀を開き、片付けをしてるのか自分でも分からない。憂鬱な気分だ。
「あれ?」
そこにあったのはとても綺麗な鍵だった。とても心惹かれ俺は憎しみの気持ちをもつ母の私物を宝物とし14年間持ち続けた
 
 こんな俺ももう28になろうとしている。今も鍵は大切にしまい置いてある。たまに見て、心を落ちつける。最近では仕事になれずよく出していた。そのせいか…
「な...い?」「ないぞ!」
そう、鍵が無くなったのだ。自分でも分からない。いつ無くしたのか、どこで無くしたのか。家の中を明け方まで探した。なかった...どこにもなかった。おれの鍵がなくなったのだ。
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