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 いよいよ今月最後の金曜日、日曜日が30日の為平日の派遣最終日を迎えた。

 しかし、と言うかやっぱり次の平日の派遣は決まっていなかった。そうだよね、世の中バッサバッサ切られてて、なかなか募集ないもん。次が決まる気がしない・・・。あまり高い家賃の所には住んでないが、それでも諭吉さんがまとまって出て行ってしまう。

 どうしよう、京極さんの話し受けようかな?土日の家政婦派遣を続けて、マンションに住ませてもらって、平日疲れを癒しに来た京極さんのお世話。うん、大丈夫な気がする。次の仕事も探していいって事は、そのまま住んでもいいって事だろうし。

 明日、マンションにお世話になりますって返事しよう。



 しかし、土曜日に京極さんに会う事は無かった。

 日曜日朝一、生田さんに京極さんに話したい事があると伝えると、

 「ああ、マンションの件ですね?樹さんは今日も夜しか戻らないので、私が聞きますよ。引っ越します?」

 「はい、次の仕事も決まらなかったので、お世話になろうかなと」

 「そうですか、あなたが決めたなら。帰りに鍵と地図を渡しますね」





 渡された地図には、最寄り駅とマンションの位置にマーカー印が付けてあった。余白には部屋番号・暗証番号、京極さん・生田さんの携帯番号が書かれている。早速月曜日から生活出来るように少しずつ荷物を運び、不要な家具・家電は売りに出そう。
 


 のんびりとした朝を過ごし、天音は数日分の着替えと生活するための身の回りの物、貴重品を持ってマンションに向かった。既にお昼を過ぎている。

 う~ん、お腹空いた。冷蔵庫空にしたから、朝は菓子パンと紅茶のみでお昼はまだ食べてないのだ。

 マンションに着き、何となく冷蔵庫を開けてみる。すると、先日は水とビールしか入っていなかったのに、牛乳や卵、ベーコンや肉、野菜なども量は多くないが色々なモノが入っていた。そして、リビングには薔薇をメインにしたお花が飾らせていて、

 『部屋のモノは好きに使え。ココでの生活費はカードを使え』

 メモと一緒に天音名義のクレジットカードが置いてあった。

 「ええっ!?カード!!いや、怖くて使えないでしょう」

 カードは使わないと決めた。

 とりあえず、聞いていた携帯にお礼と今日から住む報告のショートメールを送っておいた。

 キッチンにはレトルトなども色々なモノが用意してあり、お皿類も多種揃えられていて、天音を驚かせた。遅いお昼はパスタにし、その後、天音の部屋に持って来た少ない荷物を運び入れようとしてまた、びっくりした。ベッドや布団サイドテーブルがあるのだ。こないだは何も無い部屋だったのに・・・。

 びっくりしてばっかりだ。


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