家政婦の代理派遣をしたら花嫁になっちゃいました

ゆきりん(安室 雪)

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 美和子の旅館にお世話になり、2週間程経った頃、美和子が旅館の茶室で待ってるから来て欲しいと、中居さんから連絡がきた。

 珍しい、初めてだ。

 この2週間、美和子はとても良くしてくれた。朝・昼・夜の3食に加えて、おやつの時間にも読んでくれた。お茶の時間は樹さんの所のおやつの時間みたいだ。それと、泊まらせてもらう分の1日2回の食器洗も、ほとんど食器を拭くだけだった。

 茶室に着き、

 「美和子、入るわね?」

 と声をかけ、襖を開ける。何故か幻覚が見えてしまい、思わず襖を閉じた。

 「?」

 私、とうとう病気か何か?

 確かに、樹さんの事はもう忘れようと何度も思った。その度に、ふとした事で思い出し、泣けてきた事もこの2週間、1度や2度じゃない。だからって、幻を見るなんて、重症じゃない?

 その時、

 「天音っ!!」

 ば~んっ!と襖が開けられた。そして、ギュウギュウと抱きしめられる。苦しく腕をバンバンと叩くが離して貰えない。

 「樹さん。そろそろ天音さん、死にますよ」

 生田さんの冷静な声が無ければ、確実に死んでいたと思われる。




 茶室の中には、天音・美和子・樹さん・生田さんの4人が座っている。

 「天音、もう許して貰えないか?もう、あんな風にはしない」

 「・・・。」

 「頼む、天音。戻って来てくれる」

 「竹田さん、あなたがいなくなってから樹さんは手がつけられなくて。ブン殴ってもいいから戻ってきてくれませんか?」

 生田さんからの言葉もあるが・・・。

 「私は、戻るつもりは無いんです。誰かの代わりとか、心の中に誰かがいる人には抱かれたくは無い」

 冷ややかに答える。本心だ。

 「天音?誰かの代わりなんて・・・」

 「ハッキリ言えばいいですか?美希さんとやらの代わりにはなれないと」

 涙が出そうだが、グッと堪える。もう、これでホントに最後にするんだ。

 樹さんは首を傾げ、生田さんは『プッ!』と笑い、美和子を連れて出て行った。

 「あ~、もしかしてあの日の会話か・・・。弁解するとなーーー」




 は、恥ずかしい誤解をしてしまった!

 美希さんは、樹さんの従兄弟のお嫁さんで、京極姓で樹さんの奥さんと勘違いして誘拐されたらしい。確かに、美希さんに冗談で『俺の嫁に』と、言った事はあるが、従兄弟に対する嫌がらせの範囲内だそうだ。

 「うっ・・・」

 「他は何かあるか?」

 「あ、うっ、樹さんのご職業は?」

 「京極カンパニーって、IT系の社長兼ヤの付く職業だな?まあ、そっちは段々と縮小傾向にあるし、ヤクやチャカには手を出してないぞ?クリーン系だ」

 その職業にクリーンって、どうなの?

 「誤解が解けたな?天音。お前には仕置はしないと心に決めたが、躾は必要だよな?東京に帰ったら、しっかりと躾られるんだぞ?」

 美和子への挨拶も出来ず、車に乗せられ、マンションに連れて帰られたのだ。(生田さんは新幹線でキャリーケースを持ち帰ってくれた)





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