新しい道へ

ゆきりん(安室 雪)

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 そして2人で部署に戻ると、一斉に視線が集まる。一日中何やら視線が痛かったけど、何とか就業時間を終え、部屋に戻る。

 はぁ~、疲っれた~っ!

 う~、でもご飯が届いてるのは嬉しいっ。とりあえず、食べよ。とテーブルに料理を並べる。

 すると、まだ早い時間なのに玄関が『ガチャ』と開きリョウが帰ってくる。

「あれ?早いですね~。私も今からご飯ですよ~、すぐ食べますか?」

「ああ、新事業の話し、しながら食べていいかな?」

「そうですねっ、お願いします」

 急な話しだけど、四月から本格的に社内に部署が出来るらしい。今までリョウが1人で受けていた仕事を会社として受けるようになる。で、今まで働いてきて使えそな人材を何人か他部署から引き抜いている。それにはもちろん、桜も入ってるし何とっ!

「松田さんもっ!派遣担当のっ!」

 あ~、こないだ声かかってるって言ってたけど、断ってる感じだったのに受けたんだ。

 で、新事業として実際に何をやるかと言うと、CMで使う音楽やナレーションを今までリョウがチマチマ受けていたのを大々的にはじめると言う。軌道に乗ったら更に色々広げていきたいと話すが・・・。

「で、私は今まで通りリョウのサポートかな?」

 それ以外、出来る事なしい。

「桜ちゃんにはサポートの量を少し減らして、音楽の方を手伝ってもらおうと思ってるよ。めでたく(?)バンド活動無くなったからいいよね?CMソング歌いたくない?たまに笑える歌もあるけど、作詞とか作曲出来る場合もあるよ?」

 「へぇ~、ちなみにリョウの面白ソングは?何?」

 興味ある。

「桜ちゃん、それ聞く?」

 ちょっとイヤそうな顔をする。

「えっ、だって気になるし。あ、『ジュエルアイス』以外でお願いします」

「それは知ってるんだね」

 はぁ~、とため息を吐いてから、すっと息を吸い歌い始める。
 

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