お見合いに代理出席したら花嫁になっちゃいました

ゆきりん(安室 雪)

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 奥さんと一緒に現れたお嬢様は、確かに綾美と似た背格好だ。

 軽く自己紹介し、すぐに本題に入っていく。

 綾美は真っ黒なストレートヘアを肩より少し長くしているが、真理亜さん(代理するお嬢様)は肩位で毛先を少し巻いている。なので、まず、明日は朝から真理亜さん行きつけの美容院に行く事になり、午後はデパートの人がココ一条家にやって来て、真理亜さんメイクの伝授。昼は一条家でマナーを覚えながらランチ、夜も同じ。

 そこまでするんですか・・・。

 綾美は途中から、顔が引きつってしまう。

 普通にお見合いお断りすればいいのに。

「角が立たない様に、向こう様からお断り頂きたいの。取引先と言うのもありますけれど、あちらの方が格上ですから」

 はあ、そんなモノですか。



 そんな訳で、綾美は翌日曜日、朝から一条家に行き、タクシーで美容院に行き、真理亜と同じ髪型にさせられる。担当美容師曰く『髪質が比較的似て良かったよ。剛毛・天パだと無理だからね~』らしい。

 そして、一条家に戻りランチ。軽めのパスタのランチコースみたいだ。前菜から始まりサラダ・スープ・パスタ・デザート・紅茶。その都度、カラトリーの説明を受けてから食べる。持ち方なんて気にした事が無かったので、苦労した。パスタはさすがにズルズルすすって食べはしないが、フォークに巻く量が真理亜さんは少なく、ゆっくり食べるので、綾美はいつも巻く量よりも少なくする。紅茶もティースプーンを器の手前では無く、奥に置いたりと知らない事もある。ふむ。こんな知識は勉強する機会が無いから、タダで、じゃなくて報酬まで貰えるんだからしっかり身につけたいな。

 そして午後になり、メイクのお勉強。綾美は雑誌を参考にドラッグストアのお値打ちコスメを愛用している。なので、デパートのコスメ担当の荒木さんにスキンケアの指導を1から受ける。まずは今の化粧を落とすクレンジングから始まり、保湿。夜のお手入れ。朝の洗顔。そしてやっとメイクの伝授になる。眉毛も真理亜さん寄りに整えられる。

 チラリと横を見ると、膨大な量の化粧品が並んでいる。

「朝用、夜用はちゃんと分けて袋に入れますね。使い方の順番や注意書きも入ってます。わからない事があれば、こちらに連絡下さい」

 と、名刺を貰う。

「はあ、ありがとうございます」

 出来上がった顔は、双子で通りそうな位だ。

 仕上がりを見に来た奥様は

「まあ、これなら大丈夫だわ~」

 上機嫌だ。

 真理亜さんは、おっとりと笑ったまま。


 
 そして約2週間、真理亜さんになりきる為のレッスンは続き、いよいよ明日がお見合い当日になるのだ。

 
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