お見合いに代理出席したら花嫁になっちゃいました

ゆきりん(安室 雪)

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 毎日、大体19時過ぎに涼は帰ってくるので、綾美はすぐにパスタを茹でれる様にお湯を沸かし、クリームの液体は材料を合わせてボウルに入れておく。帰って来るまでにサラダとスープは作り終えておく。

 『ガチャリ』と玄関が開く音がして、すぐに涼がリビングに顔を出す。

「ただいま」

「お帰りなさい、今日はカルボナーラです。すぐにパスタ茹でるね」

 実際は玄関の開く音が聞こえた瞬間、パスタは鍋に投入済みなのだが。フライパンにベーコンを入れ、こんがり焼く。サラダとスープをテーブルに運び、茹で上がったパスタとベーコンを手早くボウルに入れて、クリームと合わせる。うん、いい感じ。お皿に取り分け、テーブルに持って行く。

「黒胡椒はお好みで、もっとかけてもいいし」

 テーブルに胡椒ミルを置く。

「美味そうだな、いただきます」

 涼はパスタから食べ始める。

「うまっ!店みたいだな」

「私もお昼間に思った。美味しいよね~」

  褒められると嬉しい。

「綾美、昼食ったなら明日でも良かったのに。次からは次の日でいいぞ?」

「でも、すぐに復習したかったし」

 実際、事実だ。明日になったら、何か忘れそう。

 ペロリと平らげた涼は満足気だ。

「スイカあるんだけど、食べる?」

「ああ、食う」

 冷蔵庫に、向かいながら、綾美はクスリと笑う。子供の返事みたいだ。あらかじめカットして冷やしておいたので、すぐに持っていく。涼はパクパク食べながら

「スイカ、何年ぶりだろうな?」

 嬉しそうだ。

 綾美は1人暮らしだからあまり食べる事に重点は置いていなかったが、涼と2人で暮らす間は、季節感のあるものを一緒に食べるのもいいかも。お財布は涼持ちだし。うん、そうしよう。

「今、何か企んだ?」

「ん?なんでもないよ?」

 顔に出てしまった?

 でも、悪い事じゃないからいいよね。



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