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『ブフッ』と2か所から吹き出す音が聞こえる。綾美の予想は横だけのハズだったのに。
「そうか、何かに似ているとは常々思っていたんだが。マトリョーシカか。なるほどな、納得だ」
父親が笑い転げてしまった。もう、堪えよういう気が無いらしい。
「マトリョーシカって何よ?」
娘の方は、何に例えられたか分からないようだ。放っておこう、美味しそうなメニューが運ばれてきたのだ。
綾美は綺麗なカラトリー使いで、サクサク食べていく。内心、マトリョーシカよりも優雅に食べているんじゃない?と思うくらいだ。好き嫌いなくペロリと食べ終わったお皿は綺麗だ。一方、斜め向かいのお皿には食べ残しがかなりある。
「あら、偏食をすると身体のバランスが崩れますわよ?」
また、ザクリと綾美は刺してみる。
相手は睨むだけて、何も言わない。
その後も大した会話は無く、綾美は美味しい料理を完食する。食後のデザートとケーキは好きなものを選べれたので、綾美はケーキ3つとシャーベットを頼み、紅茶と共に頂く。残りの3人はシャーベットのみだった。
「綾美、食べ過ぎじゃないか?」
涼が聞いてくる。
「ん?遠慮したんだけど」
の、返事に目の前の親子の顔が唖然となるが、気にしない。だってもう、会う事ないもん。
食事が終わり、娘の方は悔しそう顔をしているが、父親の方は納得したようだった。
「お2人とも、お幸せに」
と言ってくれる。娘は無言のままだ。
歩きだした、綾美と涼に向かい、怒鳴り声が聞こえる。
「あんたなんか、怪我でもなんでも、すれば良いのよ~っ」
何枚かのお皿が綾美に向かって投げられる。
しかし、綾美は避けたり叩き落としたりして難を逃れる。
「昔、護身術を習いましたのよ?」
不敵に笑いながら言う綾美を見て、娘は走って逃げて行くのだ。
「も、申し訳ありませんっ!!」
父親は必死で頭を下げる。別にこの人に謝ってもらいたい訳じゃないし、怪我もしなかった。どっちかと言うと、お店の人に謝った方がいいんじゃないかな?可哀想だな、この人。
「私は大丈夫なので、気にしないで下さい。それよりも、お店が・・・」
周りには割れた食器が散乱しているのだ。しかも、注目の的。
お店の人がすぐに食器を片付け、父親が平謝りしている。お会計はいいからと、綾美と涼は帰らされてしまった。
帰りの車に乗り、溜息が出る。
「今日も疲れた」
ボソリと綾美は呟く。
「マトリョーシカはハマりだな」
クスクス2人は笑いながら、家路に着くのだった。
「そうか、何かに似ているとは常々思っていたんだが。マトリョーシカか。なるほどな、納得だ」
父親が笑い転げてしまった。もう、堪えよういう気が無いらしい。
「マトリョーシカって何よ?」
娘の方は、何に例えられたか分からないようだ。放っておこう、美味しそうなメニューが運ばれてきたのだ。
綾美は綺麗なカラトリー使いで、サクサク食べていく。内心、マトリョーシカよりも優雅に食べているんじゃない?と思うくらいだ。好き嫌いなくペロリと食べ終わったお皿は綺麗だ。一方、斜め向かいのお皿には食べ残しがかなりある。
「あら、偏食をすると身体のバランスが崩れますわよ?」
また、ザクリと綾美は刺してみる。
相手は睨むだけて、何も言わない。
その後も大した会話は無く、綾美は美味しい料理を完食する。食後のデザートとケーキは好きなものを選べれたので、綾美はケーキ3つとシャーベットを頼み、紅茶と共に頂く。残りの3人はシャーベットのみだった。
「綾美、食べ過ぎじゃないか?」
涼が聞いてくる。
「ん?遠慮したんだけど」
の、返事に目の前の親子の顔が唖然となるが、気にしない。だってもう、会う事ないもん。
食事が終わり、娘の方は悔しそう顔をしているが、父親の方は納得したようだった。
「お2人とも、お幸せに」
と言ってくれる。娘は無言のままだ。
歩きだした、綾美と涼に向かい、怒鳴り声が聞こえる。
「あんたなんか、怪我でもなんでも、すれば良いのよ~っ」
何枚かのお皿が綾美に向かって投げられる。
しかし、綾美は避けたり叩き落としたりして難を逃れる。
「昔、護身術を習いましたのよ?」
不敵に笑いながら言う綾美を見て、娘は走って逃げて行くのだ。
「も、申し訳ありませんっ!!」
父親は必死で頭を下げる。別にこの人に謝ってもらいたい訳じゃないし、怪我もしなかった。どっちかと言うと、お店の人に謝った方がいいんじゃないかな?可哀想だな、この人。
「私は大丈夫なので、気にしないで下さい。それよりも、お店が・・・」
周りには割れた食器が散乱しているのだ。しかも、注目の的。
お店の人がすぐに食器を片付け、父親が平謝りしている。お会計はいいからと、綾美と涼は帰らされてしまった。
帰りの車に乗り、溜息が出る。
「今日も疲れた」
ボソリと綾美は呟く。
「マトリョーシカはハマりだな」
クスクス2人は笑いながら、家路に着くのだった。
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