お見合いに代理出席したら花嫁になっちゃいました

ゆきりん(安室 雪)

文字の大きさ
27 / 52

27

 綾美は料理教室と買い物以外は、ほぼ涼のマンションにいる。部屋で何をしているかと言えば、ネット小説を黙々と書いていたり、他の作家さんのお話を読んでいる。


 そんな平穏な日々を壊すのが現れたのだ。



「今日はいいお天気だから布団干そうかなぁ~」

 と布団をベランダに干し、喉が渇いたからアイスティーを飲んでいる時にインターフォンが鳴る。来客の予定は無い。

 また涼父かなぁ?暇人だね、仕事忙しいはずなのにね。と思って、モニターを確認すると何故かマトリョーシカだ。

 無視していいかな?

 インターフォンは無視し、涼に電話する。

「あ、涼?何故か今、マトリョーシカがインターフォン鳴らしてるんだけど、出るべき?」

「あ?俺は住所教えて無いから無視しろ」

「うん、わかった」

 その後、約1時間にも渡るインターフォン攻撃を無視する事にした。



 そして、その夜。綾美は珍しく愚痴を言う。

「涼に言っても仕方ないのかも知れないけどさ、あのマトリョーシカのインターフォン攻撃参った。1時間近くもだよ?何考えてるんだか!」

「まあ、明日は来ないだろ?」

 涼も呆れ顔で言う。

「だよね?そんな暇人いないよね?」

 2人でそんな話をし、怖い笑い話にしたのだが、そんな嫌がらせが1週間続くとは、この時の2人には予想が付かなかったのだ。



 翌日の午前中、綾美が料理教室に向かう為、部屋を出ようとした丁度その時、インターフォンが鳴る。まさか?と思いながらも、イヤイヤ2日連続でそんなアホな事はしないでしょと、モニターを見るとマトリョーシカ!!

 うっ、出かけたいんだけど?地下の駐車場からこっそり出かけようかな?5分待ち、インターフォンが鳴り止まなかったので、地下の駐車場からでる。そして、駅に向かいながら涼にメールを入れる。

『今日もマトリョーシカ来た!料理教室に行く時間だったから地下の駐車場から出た。帰りには流石にいないよね?』

 全く、嫌がらせにも程があるっ!

 その話を咲先生に話したら、

「じゃあ帰りはマンションの地下まで車で送るよ?多分通り道だし。ね?」

 と言ってくれる。

「えっ、いいんですか?」

「もちろん、ホントに帰り道だから遠慮しないでね?で、もしまだいるようだったら、私を部屋に上げてくれない?私がそのインターフォン出て、部屋間違えてませんかって言ってあげるよ?」

「ありがとうございますっ!いない方がいいんですけど、部屋間違いを話して貰えるならマトリョーシカにはまだいて貰った方がいいかも。あれ?でもコンシェルジュいるんじゃなかった?」

「そうなんですけど、コンシェルジュの人も怖かったって強く言えなかったみたいで。まさか2日連続とは、私も予想外だし」
 
「そうよね~、ま、後から様子見ましょ?」

「はい、お願いします」

 ペコリと咲先生に頭を下げる。



感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】私は義兄に嫌われている

春野オカリナ
恋愛
 私が5才の時に彼はやって来た。  十歳の義兄、アーネストはクラウディア公爵家の跡継ぎになるべく引き取られた子供。  黒曜石の髪にルビーの瞳の強力な魔力持ちの麗しい男の子。  でも、両親の前では猫を被っていて私の事は「出来損ないの公爵令嬢」と馬鹿にする。  意地悪ばかりする義兄に私は嫌われている。

優しい紳士はもう牙を隠さない

なかな悠桃
恋愛
密かに想いを寄せていた同僚の先輩にある出来事がきっかけで襲われてしまうヒロインの話です。

異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない

木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。 生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。 ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。 その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

冷徹義兄の密やかな熱愛

橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。 普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。 ※王道ヒーローではありません

女性執事は公爵に一夜の思い出を希う

石里 唯
恋愛
ある日の深夜、フォンド公爵家で女性でありながら執事を務めるアマリーは、涙を堪えながら10年以上暮らした屋敷から出ていこうとしていた。 けれども、たどり着いた出口には立ち塞がるように佇む人影があった。 それは、アマリーが逃げ出したかった相手、フォンド公爵リチャードその人だった。 本編4話、結婚式編10話です。

旦那様が素敵すぎて困ります

秋風からこ
恋愛
私には重大な秘密があります。実は…大学一のイケメンが旦那様なのです! ドジで間抜けな奥様×クールでイケメン、だけどヤキモチ妬きな旦那様のいちゃラブストーリー。

彼と私と甘い月

藤谷藍
恋愛
白河花蓮は26歳のOL。いつも通りの出勤のはずが駅で偶然、橘俊幸、31歳、弁護士に助けられたことからお互い一目惚れ。優しいけれど強引な彼の誘いに花蓮は彼の家でバイトを始めることになる。バイトの上司は花蓮の超好みの独身男性、勤務先は彼の家、こんな好条件な副業は滅多にない。気になる彼と一緒に一つ屋根の下で過ごす、彼と花蓮の甘い日々が始まる。偶然が必然になり急速に近づく二人の距離はもう誰にも止められない? 二人の糖度200%いちゃつきぶりを、こんな偶然あるわけないと突っ込みながら(小説ならではの非日常の世界を)お楽しみ下さい。この作品はムーンライトノベルズにも掲載された作品です。 番外編「彼と私と甘い月 番外編 ーその後の二人の甘い日々ー」も別掲載しました。あわせてお楽しみください。