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席に着き、涼が婚約者として紹介してくれる。今までとは心持ちが少し違い、緊張する。少し前までは他人事だったからなぁ~と思いつつ、真理亜の皮を被った顔で微笑む。表情筋にも慣れがあるのか、口角の上げ方も普通に馴染んでいる。
「涼君、急にすまないねぇ。どうしても娘達が、君達と食事をしたいときかなくてね」
食前酒を手に、父がまず詫びる。
「いえ、僕も将来妻になる人を紹介する機会が出来て、嬉しいですよ?社長にはいつもよくしていただいてますからね」
にっこり涼は微笑む。外面用笑顔だ。それを見たマトリョーシカ2号・3号は目がキラキラと輝く。『うわ~っ、上っ面笑顔にときめいてるっ』と観察し、心の中で呟いてしまった。
涼と父が何やら話しているが、マトリョーシカが話しかけてくる。
「綾美さん、どこかでお会いしましたか?」
1号が話しかけてきたと思ったら
「姉様、真理亜さんに似てるだけですよ?」
と、2号が言いながら鼻でふふんっと笑う。
「私、てっきり真理亜さんと結婚されるのかと思ってましたわ?お似合いですからね」
続け2号が言う。感じ悪い。
「真理亜はいとこだから、妹みたいな感じですよ?綾美とは違う」
そして涼は見せびらかす様に、綾美の頭を優しく撫でる。その後は大して話しもなく、美味しいけど気まずい料理を食べる。そして、2号が異常に絡んでくる。
「真理・・・、綾美さんでしたね?真理亜さんには会われた事あります?」
わざといい間違えたな、コイツ!と綾美は思うが、聞き流す。
「ありますわよ?お宅にお邪魔した事もありますし。素晴らしい調度の揃ったリビングでお茶を頂いたり、ああ、夕食を頂いたりも。このお店も素晴らしいけど、一条家のシェフも素晴らしいです」
真理亜スマイルでにっこりと微笑んで、左手の指輪を見せつけつつ、仲いいけど、何か?オーラを出してみると、2号・3号は眉間にシワを寄せて黙り込んだ。なので、気にせずランチを堪能する事にした。その日はお皿が飛んでくる事もなく、比較的平穏に帰る事が出来た。
帰りの車で綾美はブツブツ言う。
「マトリョーシカシリーズは性格悪いよね?性格悪い人はあのメイクになるの?と思う位だよ」
「ははっ。でもまあ、今日はおとなしかったんじゃないか?綾美も」
「どう言う意味?」
ぷうっと頬を膨らませるが、涼は綾美の頬を撫でて笑うだけだった。
「涼君、急にすまないねぇ。どうしても娘達が、君達と食事をしたいときかなくてね」
食前酒を手に、父がまず詫びる。
「いえ、僕も将来妻になる人を紹介する機会が出来て、嬉しいですよ?社長にはいつもよくしていただいてますからね」
にっこり涼は微笑む。外面用笑顔だ。それを見たマトリョーシカ2号・3号は目がキラキラと輝く。『うわ~っ、上っ面笑顔にときめいてるっ』と観察し、心の中で呟いてしまった。
涼と父が何やら話しているが、マトリョーシカが話しかけてくる。
「綾美さん、どこかでお会いしましたか?」
1号が話しかけてきたと思ったら
「姉様、真理亜さんに似てるだけですよ?」
と、2号が言いながら鼻でふふんっと笑う。
「私、てっきり真理亜さんと結婚されるのかと思ってましたわ?お似合いですからね」
続け2号が言う。感じ悪い。
「真理亜はいとこだから、妹みたいな感じですよ?綾美とは違う」
そして涼は見せびらかす様に、綾美の頭を優しく撫でる。その後は大して話しもなく、美味しいけど気まずい料理を食べる。そして、2号が異常に絡んでくる。
「真理・・・、綾美さんでしたね?真理亜さんには会われた事あります?」
わざといい間違えたな、コイツ!と綾美は思うが、聞き流す。
「ありますわよ?お宅にお邪魔した事もありますし。素晴らしい調度の揃ったリビングでお茶を頂いたり、ああ、夕食を頂いたりも。このお店も素晴らしいけど、一条家のシェフも素晴らしいです」
真理亜スマイルでにっこりと微笑んで、左手の指輪を見せつけつつ、仲いいけど、何か?オーラを出してみると、2号・3号は眉間にシワを寄せて黙り込んだ。なので、気にせずランチを堪能する事にした。その日はお皿が飛んでくる事もなく、比較的平穏に帰る事が出来た。
帰りの車で綾美はブツブツ言う。
「マトリョーシカシリーズは性格悪いよね?性格悪い人はあのメイクになるの?と思う位だよ」
「ははっ。でもまあ、今日はおとなしかったんじゃないか?綾美も」
「どう言う意味?」
ぷうっと頬を膨らませるが、涼は綾美の頬を撫でて笑うだけだった。
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