40 / 52
40
遅れて到着した刑事達は、既に事が片付いているのに唖然としたが、すぐに真理亜さんの保護と綾美、渋谷さんに事情を聴き始めた。
「綾美さん、多分ヒールでグリグリした人、ヒールで身体に穴が空いてるらしいよ?」
「えっ、渋谷さん。私そんなにグリグリしてないですよ?」
「いや、目一杯グリグリしてたよ・・・」
犯人3人は項垂れ、静かに車に乗せられて行った。
その後綾美は、明日再度警察で事情聴取を受けるように言われるが、今日の所は帰っても良いと言われた。一条家の車が来て、綾美は一条家で夕食を頂く事になった。
「本当に綾美さんは、真理亜にソックリだなぁ?並んで座ると双子じゃないか」
真理亜父は、真理亜さんが無事に戻り、お金も全額戻って来たので、上機嫌だ。
「化粧を落とすと、あんまり似てませんよ?」
「それはさて置き、君には特別報酬を出さねばと思っているんだが、何か望みのモノはないかな?」
「いえ、充分な報酬を頂いていますので、それは不要です」
「君は謙虚だね。でもまあ、勝手に考えさせてもらうよ。お礼の気持ちだからね」
「はあ、ありがとうございます」
以前の綾美なら、欲しいものを言っていただろうが、今の綾美には欲しいものは特にない。あるとすれば、涼さんとゆっくり過ごす時間だ。
夕食会が終わり、タクシーを呼んであるとの事で、ソレに乗ろうと玄関を出た所で、渋谷さんに声をかけられる。
「綾美さん、帰りながらお話ししてもいいですか?」
「え?渋谷さん?いいですけど」
明日には、また警察に出向く予定になってるのに、何か急ぎの用事かな?と思い、一緒にタクシーに乗ってもらう。
一見スラリとした渋谷さんだが、あの身のこなしをするのだ。多分細マッチョなんだろうなぁ~と思っていると、渋谷さんが口を開く。
「昼間に言った事なんだけど」
「はい?」
何言ってたっけ?
「綾美さん、俺と付き合ってくれませんか?」
真剣な顔で、渋谷さんは綾美の手を握りながら言う。
「俺、綾美さんの闘う姿に魂持っていかれました。結婚を前提でお願いしますっ!」
ガバッと頭を下げてくる。
タクシーの運転手は、そんな2人のやり取りをチラチラ見てくる。
「あ、あの・・・、渋谷さん。お昼間も言いましたが、私、お付き合いしてる人がいるんです」
「あれは、本当だったんですか。でも、俺は結婚も視野にっ!」
渋谷は必死な顔で言うが、きちんとお断りしなければいけない。
「婚約者がいるんです。一緒に暮らしていて、親公認なんです」
ニッコリ笑いながら言う。
「なので、ごめんなさい」
ペコリと謝り、渋谷さんに握られていた手を引き抜く。タクシーはすでに綾美のタワーマンションに着いていて、涼がエントランスから外に出て来る所だ。
綾美は車を降り、涼に微笑みかけ中に入って行く。
その後のタクシーで、渋谷さんは運転手に慰めの言葉をもらうのだった。
「綾美さん、多分ヒールでグリグリした人、ヒールで身体に穴が空いてるらしいよ?」
「えっ、渋谷さん。私そんなにグリグリしてないですよ?」
「いや、目一杯グリグリしてたよ・・・」
犯人3人は項垂れ、静かに車に乗せられて行った。
その後綾美は、明日再度警察で事情聴取を受けるように言われるが、今日の所は帰っても良いと言われた。一条家の車が来て、綾美は一条家で夕食を頂く事になった。
「本当に綾美さんは、真理亜にソックリだなぁ?並んで座ると双子じゃないか」
真理亜父は、真理亜さんが無事に戻り、お金も全額戻って来たので、上機嫌だ。
「化粧を落とすと、あんまり似てませんよ?」
「それはさて置き、君には特別報酬を出さねばと思っているんだが、何か望みのモノはないかな?」
「いえ、充分な報酬を頂いていますので、それは不要です」
「君は謙虚だね。でもまあ、勝手に考えさせてもらうよ。お礼の気持ちだからね」
「はあ、ありがとうございます」
以前の綾美なら、欲しいものを言っていただろうが、今の綾美には欲しいものは特にない。あるとすれば、涼さんとゆっくり過ごす時間だ。
夕食会が終わり、タクシーを呼んであるとの事で、ソレに乗ろうと玄関を出た所で、渋谷さんに声をかけられる。
「綾美さん、帰りながらお話ししてもいいですか?」
「え?渋谷さん?いいですけど」
明日には、また警察に出向く予定になってるのに、何か急ぎの用事かな?と思い、一緒にタクシーに乗ってもらう。
一見スラリとした渋谷さんだが、あの身のこなしをするのだ。多分細マッチョなんだろうなぁ~と思っていると、渋谷さんが口を開く。
「昼間に言った事なんだけど」
「はい?」
何言ってたっけ?
「綾美さん、俺と付き合ってくれませんか?」
真剣な顔で、渋谷さんは綾美の手を握りながら言う。
「俺、綾美さんの闘う姿に魂持っていかれました。結婚を前提でお願いしますっ!」
ガバッと頭を下げてくる。
タクシーの運転手は、そんな2人のやり取りをチラチラ見てくる。
「あ、あの・・・、渋谷さん。お昼間も言いましたが、私、お付き合いしてる人がいるんです」
「あれは、本当だったんですか。でも、俺は結婚も視野にっ!」
渋谷は必死な顔で言うが、きちんとお断りしなければいけない。
「婚約者がいるんです。一緒に暮らしていて、親公認なんです」
ニッコリ笑いながら言う。
「なので、ごめんなさい」
ペコリと謝り、渋谷さんに握られていた手を引き抜く。タクシーはすでに綾美のタワーマンションに着いていて、涼がエントランスから外に出て来る所だ。
綾美は車を降り、涼に微笑みかけ中に入って行く。
その後のタクシーで、渋谷さんは運転手に慰めの言葉をもらうのだった。
あなたにおすすめの小説
【完結】私は義兄に嫌われている
春野オカリナ
恋愛
私が5才の時に彼はやって来た。
十歳の義兄、アーネストはクラウディア公爵家の跡継ぎになるべく引き取られた子供。
黒曜石の髪にルビーの瞳の強力な魔力持ちの麗しい男の子。
でも、両親の前では猫を被っていて私の事は「出来損ないの公爵令嬢」と馬鹿にする。
意地悪ばかりする義兄に私は嫌われている。
異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない
木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。
生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。
ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。
その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません
女性執事は公爵に一夜の思い出を希う
石里 唯
恋愛
ある日の深夜、フォンド公爵家で女性でありながら執事を務めるアマリーは、涙を堪えながら10年以上暮らした屋敷から出ていこうとしていた。
けれども、たどり着いた出口には立ち塞がるように佇む人影があった。
それは、アマリーが逃げ出したかった相手、フォンド公爵リチャードその人だった。
本編4話、結婚式編10話です。
旦那様が素敵すぎて困ります
秋風からこ
恋愛
私には重大な秘密があります。実は…大学一のイケメンが旦那様なのです!
ドジで間抜けな奥様×クールでイケメン、だけどヤキモチ妬きな旦那様のいちゃラブストーリー。
彼と私と甘い月
藤谷藍
恋愛
白河花蓮は26歳のOL。いつも通りの出勤のはずが駅で偶然、橘俊幸、31歳、弁護士に助けられたことからお互い一目惚れ。優しいけれど強引な彼の誘いに花蓮は彼の家でバイトを始めることになる。バイトの上司は花蓮の超好みの独身男性、勤務先は彼の家、こんな好条件な副業は滅多にない。気になる彼と一緒に一つ屋根の下で過ごす、彼と花蓮の甘い日々が始まる。偶然が必然になり急速に近づく二人の距離はもう誰にも止められない?
二人の糖度200%いちゃつきぶりを、こんな偶然あるわけないと突っ込みながら(小説ならではの非日常の世界を)お楽しみ下さい。この作品はムーンライトノベルズにも掲載された作品です。
番外編「彼と私と甘い月 番外編 ーその後の二人の甘い日々ー」も別掲載しました。あわせてお楽しみください。