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彩音は午後からはスタジオのブースで、昨日アヤトに指示してもらった楽譜を見ながら歌っていたが、昨日までの様には歌えなかった。母・美緒子の食べ物の好みをあれだけ知ってるって、どういう関係なのだろう?仕事関係ってだけで、あんな個人的に好きな紅茶やパンの好みって覚えれるもの?
う~ん。
「彩音、下のカフェで休憩しておいで」
ふぅ~、とため息をつかれてしまう。
彩音はヘッドホンを譜面台にかけて、楽譜を持ってブースを出る。
「ごめんなさい」
と呟きをながらアヤトとは視線を合わせずスタジオを出る。集中出来ないよ。
スタジオを出てエレベーターに乗るため廊下を歩いていると、等々力さんとバッタリ会う。
「あれ、彩音ちゃん休憩?アヤトは?」
「アヤトはスタジオで、私は一階カフェで頭冷やしてきます」
「え?」
まだ、話したそうな等々力さんを残し、階下へ降りる。カフェはオフィス街の為か、テイクアウト待ちは何人かいたけれど、店内は空いていた。
ロイヤルミルクティーを窓の外をぼ~~~っと眺めながら飲んでいると、先程置き去りにした等々力さんがやってきた。
「彩音ちゃん、調子悪いんだって?」
等々力さんはカフェ・オ・レを飲みながら話しかけてくる。
「色々気になる事があって」
しょんぼりしながら答える。
「ま、数日で環境が一転したからね。いきなりスノスタ・アヤトにレコーディングされるとか、無いよね~」
苦笑しながら等々力さんは言う。
「でもさ。彩音ちゃんにとっては今後の人生を左右する曲になるはずだから、邪念は一旦振り払ってみてよ。『誰だって1つ、悩み事くらいは隠し持ってるんだから』ね?」
はっ、とする。
「等々力さんっ、それ、その歌詞っ!」
「あ?ああ、俺とアヤトの『祈り』。俺、スノスタ初代メインボーカルよ?」
ウィンクばちっと、する。
「ええ~っ!!」
う~ん。
「彩音、下のカフェで休憩しておいで」
ふぅ~、とため息をつかれてしまう。
彩音はヘッドホンを譜面台にかけて、楽譜を持ってブースを出る。
「ごめんなさい」
と呟きをながらアヤトとは視線を合わせずスタジオを出る。集中出来ないよ。
スタジオを出てエレベーターに乗るため廊下を歩いていると、等々力さんとバッタリ会う。
「あれ、彩音ちゃん休憩?アヤトは?」
「アヤトはスタジオで、私は一階カフェで頭冷やしてきます」
「え?」
まだ、話したそうな等々力さんを残し、階下へ降りる。カフェはオフィス街の為か、テイクアウト待ちは何人かいたけれど、店内は空いていた。
ロイヤルミルクティーを窓の外をぼ~~~っと眺めながら飲んでいると、先程置き去りにした等々力さんがやってきた。
「彩音ちゃん、調子悪いんだって?」
等々力さんはカフェ・オ・レを飲みながら話しかけてくる。
「色々気になる事があって」
しょんぼりしながら答える。
「ま、数日で環境が一転したからね。いきなりスノスタ・アヤトにレコーディングされるとか、無いよね~」
苦笑しながら等々力さんは言う。
「でもさ。彩音ちゃんにとっては今後の人生を左右する曲になるはずだから、邪念は一旦振り払ってみてよ。『誰だって1つ、悩み事くらいは隠し持ってるんだから』ね?」
はっ、とする。
「等々力さんっ、それ、その歌詞っ!」
「あ?ああ、俺とアヤトの『祈り』。俺、スノスタ初代メインボーカルよ?」
ウィンクばちっと、する。
「ええ~っ!!」
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