花笑みの庭で

ゆきりん(安室 雪)

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 次の日ベッドの上で目覚めた彩音は、アヤトにゆるく抱きしめられていた。この腕の中で目が覚めるのにも何だか慣れちゃったな。

 何だかとっても安心する。

 思わずギュッとアヤトを抱きしめてしまった。

 するとアヤトが少し身じろぐ。

 あ、アヤト起こしちゃったのかな?

「ん、彩音おはよ」

「おはよう、アヤト」

 アヤトの腕の中で目覚めるのには慣れたけど、この朝イチの挨拶が慣れないっ。

 めちゃ、照れるっ。

「体調どお?」

 寝たままの状態で顔を覗き込まれる。

「うん、多分大丈夫。迷惑かけてごめんなさい」

 結局、昨日は全然歌えなかった。

 予定ではスノスタバージョン、明日中に録り終わらなきゃなのに。

「大丈夫だ。彩音とならタイムリミットまで充分だ。さ、朝ごはん食べるぞ」



 朝食を食べ終わり、スタジオに向かうためエレベーターで下に降りる。途中で止まり蓮が乗ってくる。

 あ、昨日助けてもらったんだ。

「蓮さん、昨日はあり・・.」

「お前、自己管理位きちんとしとけ」

 お礼を言ってる途中で遮られる。そして、またムカつく口調でグサリとキズを抉ぐる。ただでさえ、アヤトに申し訳なく思ってるのに。

 チンッとエレベーターがスタジオの階で止まる。アヤトに促され降りる。
 
 蓮を振り返るが、目は合わなかった。

 スタジオに入り、ブースには入らずアヤトと椅子に座りながら歌を合わせていく。1日空いてしまったので復習しながら歌って感覚を戻さなきゃ。

 集中して歌っていると『ぐぅ~っ』とお腹がなる。

「ぷぷっ、そうだな。昼食べに行くか。ぷぷぶっ」

 2人揃って食堂に向かうとお昼真っ只中でかなりの混みである。しかもアヤトがいるのでさらに人が動かなくなってしまい、だんだん身動きがとれなくなってきた。

「彩音、移動しよう」

 アヤトに引っ張られエレベーターで部屋まで戻ってくる。

「はぁ、何だか疲れた」

「だな、とりあえず食べ物頼もう」

 アヤトはタブレットを持ってきて、鼻歌を歌いながらメニューを見る。

「彩音、何食べたい?」

 顔を上げ聞いてくる。

「う~ん、アヤトは?」

「胃袋に入れば何でもいいかな。食堂だとAセットとかBセットとかで楽なのにな」

「私も実はそんな感じで」

 歌の事で頭がいっぱいで、食べれれば何でもいい状態なのだ。

 するとアヤトはスマホで電話をかけはじめる。

「颯さん?俺アヤト、何でもいいから2人分部屋までお願い」

 電話を切って彩音に向かい、

「多分10分位で何か届くから」



 そして数分後、届いたカレーを平らげる。デザートにはタピオカと果物の盛り合わせ。

「ふぅ、お腹いっぱい~。食べ過ぎたかも」

「そうだな、少し休憩だな」

 急な食事リクエストにも答えれるように、カレーはいつもストックがあるらしく、たっぷり運ばれてきた。あまりにも美味しくガツガツ食べてしまった。

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