カサノヴァとネロに溺愛されて調教されてます

ゆきりん(安室 雪)

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 美礼は溜息を吐く。

 美礼は就職先が見つからず、全く収入が無くなるのは困るので、とりあえず派遣会社に登録し、働きながら仕事を探そうと、面接に行くが断られてしまう。

 やっぱり長く勤める気が無いのがバレバレだからなのか、このパッとしない外見のせいなのか。派遣はすぐに仕事が決まると言うが、もう、10社派遣の面接に行っているが、全て断られている。しかも、会社を出た瞬間、派遣の担当者に電話が入って断られるのだ。

 再び溜息を吐き、道を間違え地下鉄とは逆の角を曲がってしまった。そこには『紅茶専門店』と書かれた看板がある。美礼は紅茶が好きだ。ついつられてお店の中に入るが、予算が足りるか心配になり、すぐにお店の外に出て、財布の中身を確認する。ケーキセットは無理でもお茶だけなら・・・。うん、大丈夫。そして再び扉を押し、店内に入る。

 美礼はまだ、気がつかない。

 開いた扉が、運命の扉だと言う事を。

 


 昨日の面接はダメだった。会社を出た瞬間、担当者にかかって来た電話で予想は付いた。派遣の担当者も、何度も落とされ続けているせいで、対応が冷たく感じる。

 夕方になり、近所のスーパーへ特売品を買いに行き、帰りにアパートのポストを覗く。すると、昨日面接に行った会社の封筒が入っていた。派遣なのに封筒でお断りって・・・。と思いながら、自分の部屋で封を切り、中を見る。

 すると、あり得ない文字が書かれているのだ。

『採用通知書』

『社長秘書室』

 は!?

 そもそも、美礼が受けたのは『総務課』だ。

 新手の嫌がらせなの!?

 入社日、明日ってあり得ないでしょ。



 翌日、美礼は休みモード全開で、朝からゴロゴロしていた。だって、仕事が無いんだもん。

 朝、10時。

 ネットで求人募集を見ていたら、スマホが鳴る。知らない番号だ。基本、登録してある番号以外は出ない事にしている。ホントに用事があれば留守電に入れるだろうし。

 しばらくするど、留守電の表示が点く。

 美礼が留守電を聞くと、相手は『根室物産社長秘書室』だ。一昨日面接で派遣を断られた、昨日、意味不明な採用通知書が届いた会社だ。ヤバイ会社なのか?

 とりあえず、登録の派遣に問い合わせの電話をするが、担当者に不審がられた。仕方なく、着歴のある根室物産社長秘書に電話をする。多分人違いである事を伝え、電話を切る。



 その夜、部屋着でゴロゴロしていた美礼は、何故かイケメン2人の襲撃に合うのだ。




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