国外追放ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)

ゆきりん(安室 雪)

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  アナトリアに向かう馬の上で、セイラは護衛騎士と追放された後の話を聞き出した。初めは渋っていた騎士だが、実は顔見知りだったのだ。

 頻度は多く無かったが、ジェイ王子の側にいつも控えていたので何となく覚えていた。

 ザルツの国境を越え、アナトリアに入り、大して時を経たずに冒険者達が魔獣狩りをしているのが目に入った。

 深夜なのに?

「深夜に魔獣狩りは危険では無いですか?」

 騎士にたずねると、

「もう、危険だからと言っている状況では無いのです。出たらすぐに狩らなければ民は殺されてしまいます。その分、冒険者には報酬を上乗せしてます。もちろん我々騎士も対応に当たってはいるのですが、魔獣の数は増えるばかりで。やはり聖なる力が高いセイラ様を追放するべきでは無かったのだと思います」

 そう、この騎士にはジェイ王子から断罪され追放を言い渡される瞬間を目撃されているのだ。もちろん、ソレの前の交渉から。

「聖女達の状況はどうなっているの?」

 確かに現役世代の聖女達は力の強いものがおらず、セイラ達聖女候補も午後の一定の時間帯は一緒に祈りを捧げていた。だからといって一気に聖女の力が弱まってしまったのは何故かしら?

「セイラは様が追放されてから明らかに聖女の祈りの力は弱まり、アナトリアを出られた直後から魔獣が徘徊し始め、聖女達も必死で祈りはしているのですが・・・。やはり、セイラ様の力が大きかったのだと思います」

 えっ、そんな事あるのかな?

 あるのかも・・・。

「セイラ様を国の守り神にすべく、王はジェイ王子と結婚させようとしていたと言う噂があるくらいです」

 確かに聖女の力があると言われ、聖女候補生として力を測った時に、大聖女様と神殿の神官様達が騒めいてはいた気がする。

 その数日後だ、ジェイ王子との婚約を結ばされそうになったのを、何とか卒業するまで引き延ばしてもらったのは。

「でも、これで国は救われます。セイラ様が戻ればーーーー」

「私は戻りたくは無いわ。聖女にもならないわ」

 セイラはアッサリと言い切る。

「な、なんでですかっ!?」




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