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2 命が輝けば
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踏切から生い茂る雑草林の空き地を抜けて、通りに出る頃には僕はだいぶ自分を取り戻していた。
ただ、酷く疲れてはいたものの。
「和也の家はここから近いの?」
「う、うん、そんなに遠くはないよ。隣の学区だから。歩いて二十分くらいかな」
「そうなんだ。じゃあ送るよ」
「送るって、芹那の家は近いの?」
「遠いよ。バスに三十分ほど乗って、そこから山道歩かなきゃいけないし」
「そんな、じゃあ僕を送ったあとどうやって帰るのさ?」
「歩いて帰るよ。どうせ財布失くしてバスに乗るお金もないし」
「そんなの無理でしょ!」
「だって、奈良まで歩かされたんだよ? それに比べればどってことない」
「そんなの! こんな夜の道、独りで歩かせられないよ。それなら僕が送るよ」
「あら、嬉しいこと言ってくれるのね? 私のこと女の子扱いしてくれるんだ? 和也、学校でモテるでしょ?」
「な、なに言ってるんだい……」
「あ、そっか。和也にはもう彼女いるんだもんね?」
「か、彼女!?」
「美津子、って言ったっけ? あの可愛い子」
「み、美津子はその! 彼女って言うか、友達で……」
「まあいいわ。でも困ったわね。ここで朝まで立ち話ってわけにもいかないし。それに少し寒いわ」
「そう言われれば、少し寒いね」
「それじゃあこうしましょう。和也の家まで行って、今晩は泊めて? それで、できたらバス代だけ貸してくれるとありがたい。すぐ返すから。ただ……」
「ただ?」
「和也の家の人がなんて言うかだね。何か月も家に帰ってこないで、いきなり女の子連れて帰ってきちゃうんだもん」
「うん……、でも、それ以外なさそうだし、そこは何とか言い訳するよ」
「よし、決まり! じゃあ行こう」
それにしても、やはり少し寒かった。
僕はティーシャツとズボンだし、芹那もティーシャツに短パンだ。しかも二人ともぼろぼろ。
「なんでこんなに寒いんだろ……」震える芹那のその言葉を聞いて、僕はスマホを取り出した。
「寒いはずだよ。もう九月二十八日だ」そう言って僕は、何か違和感があった。
「九月二十八日? そんなはずないわよ。私があの世界に行ったのは二週間前だったけど、八月の初めだったわよ?」
「あ、そうか。それで僕もおかしいと思ったんだ。僕があの世界に行ったのは夏休みに入ってしばらくしてからで、三か月以上いたはずなのに、まだ九月だなんて」
「ああ、なるほどね。行きも帰りも、時間に少しずれがあるのかもね。それをお姉さまが意図してやったのか偶然かはわからないけれど。気にしないでおきましょう」
「その、お姉さまって誰だい?」
「誰って、アマテラスよ。和也も見たでしょ? この世界に帰ってくるときに、八咫鏡(やたのかがみ)を持っていた女の人よ」
「ヤタノカガミ? なんだいそれ?」
「なんにも知らないのね! って、まあ仕方ないか。これは私が自分で興味持って調べたことだから。あのね、アマテラスって言うのはね……」と芹那が話し始めたところで、「ちょっとちょっと君たち? 何してるの?」といつの間にか後ろにいたお巡りさんに声をかけられた。後ろにはパトカーが止まっている。
「え、いや、あの……、これは私の弟で、今から帰るところなんです」と芹那はとっさにそう言った。
「帰るところって、どこから来たの? 家はこの辺?」
「は、はい。隣町です」
「知ってるだろ? 夜は結界のお札を貼った車以外、外を出歩いちゃいけないんだ」
「け、結界?」僕と芹那はそう言ったまま状況が把握できず、金魚みたいに口と目をポカーンと開いたままお巡りさんを見た。
「まさか知らないんじゃないだろうね。学校で教わるだろ? 歩いて出歩くなんて、いつ化け物に襲われてもおかしくないんだぞ?」そう言ったお巡りさんの後ろの空を、ごおおおおおおおお…………! と炎をあげながら飛んでくるものがあった。「えっ、えっ、えええ!!!???」と僕と芹那は鯉みたいに口と目をポカーンと見開いたまま空から飛んでくるものを見た。それは直径三メートルはあろうかという老婆の顔をした炎だった。
「う、うわあっ! まずいまずい! 出た出た出た! 君たち、早くパトカーに乗りなさい!」そう言いながらお巡りさんは僕たちをパトカーに乗せようとした。けれど咄嗟に芹那が「和也、こっち!」と言って僕の手を引いて逃げるので、僕も考える間もなく走り出していた。
「な、なんだったんだろ今の」僕が息を切らせながら言うと、「化け物に決まってるじゃない」と芹那は答えた。
「そ、そうだけど、どうしてこっちの世界にまで化け物がいるんだよ?」
「知らないわよ。知らないけどきっと、きっと……」芹那も息を切らしてうまく話せない。
「きっと、なんなのさ?」
「未来が変わったのよ」
「み、未来が変わった? ここは未来なんかじゃないよ」
「違うわよ。奈良時代にいた私たちから見た未来よ。きっと私たちが過去に行ったことで、未来が変わってしまったのよ」
「そ、そんな……、でもいったい、何が未来を変えたんだい?」
「わからないけど……、和也の方が思い当たるんじゃない? だって私、二週間歩いたあと、あそこに閉じ込められていただけだもん」
「僕だってわからないよ。てか、ま、まだ追ってくる!!!」と僕が見上げた空に、さっきの老婆の顔をした巨大な炎が、ごおおおおおおおおおおお!!!!! とさっきよりも勢いを増して追いかけてきた。
「やだやだやだ、もう!」と言う芹那を横目に、僕は背中から矢を一本抜き、鏃を舐めると「一矢必殺」と言って矢を放った。その瞬間、僕は「ん?」と思い、飛んで行く矢と自分の体を見た。「いつもとちがう……」
放った矢は、老婆の大きく開けた口の中に突き刺さり、「うぎゃあああああ!!!」と耳障りな悲鳴とともに夜空に消え去った。
「やったあ!」と芹那は飛び跳ねるようにして喜んだ。
けれど僕はそんなことより……。
「ねえ、どうしたの? 和也」
「いや、どうもしないんだけど……」
「なんか和也の体、金色に光ってたね」
そう、そうなんだ。今までだったら亡霊のように白い靄に包まれているだけだったのに、さっきはなぜか、放った矢も自分の体も、金色の靄に包まれていた。これっていったい……。
「やっと自分を信じるようになったな」久しぶりに聞いた亡霊の声だった。
「え? え? 今の声だれ?」芹那は周りを見回したが、誰もいない。
「僕にとりついている亡霊だよ」
「と、とりついてる? 亡霊!?」
「うん。話したろ? 前に」
「そ、そうだっけ? 亡霊? 私聞いた?」
「うん。話したよ」それより自分を信じれたって言うのは……。
「お前さんは自分が神であること、そして自分がなんたるかを、なんであるべきかを信じ始めておる」
「自分がなんたるかを、なんであるべきかを……」僕はその言葉を繰り返し、自分の目の前で拳を作ってじっと見つめた。すると作った拳の隙間から、光の粒子が風に舞う砂のように漏れ出てきた。これってスサノオの体から出ていた光だ。
「それは神の持つ光じゃ。神としての命が輝けば輝くほどその光は強くなり、光が強くなればなるほどお前さんの力は強くなる」
命が、輝けば……。
ただ、酷く疲れてはいたものの。
「和也の家はここから近いの?」
「う、うん、そんなに遠くはないよ。隣の学区だから。歩いて二十分くらいかな」
「そうなんだ。じゃあ送るよ」
「送るって、芹那の家は近いの?」
「遠いよ。バスに三十分ほど乗って、そこから山道歩かなきゃいけないし」
「そんな、じゃあ僕を送ったあとどうやって帰るのさ?」
「歩いて帰るよ。どうせ財布失くしてバスに乗るお金もないし」
「そんなの無理でしょ!」
「だって、奈良まで歩かされたんだよ? それに比べればどってことない」
「そんなの! こんな夜の道、独りで歩かせられないよ。それなら僕が送るよ」
「あら、嬉しいこと言ってくれるのね? 私のこと女の子扱いしてくれるんだ? 和也、学校でモテるでしょ?」
「な、なに言ってるんだい……」
「あ、そっか。和也にはもう彼女いるんだもんね?」
「か、彼女!?」
「美津子、って言ったっけ? あの可愛い子」
「み、美津子はその! 彼女って言うか、友達で……」
「まあいいわ。でも困ったわね。ここで朝まで立ち話ってわけにもいかないし。それに少し寒いわ」
「そう言われれば、少し寒いね」
「それじゃあこうしましょう。和也の家まで行って、今晩は泊めて? それで、できたらバス代だけ貸してくれるとありがたい。すぐ返すから。ただ……」
「ただ?」
「和也の家の人がなんて言うかだね。何か月も家に帰ってこないで、いきなり女の子連れて帰ってきちゃうんだもん」
「うん……、でも、それ以外なさそうだし、そこは何とか言い訳するよ」
「よし、決まり! じゃあ行こう」
それにしても、やはり少し寒かった。
僕はティーシャツとズボンだし、芹那もティーシャツに短パンだ。しかも二人ともぼろぼろ。
「なんでこんなに寒いんだろ……」震える芹那のその言葉を聞いて、僕はスマホを取り出した。
「寒いはずだよ。もう九月二十八日だ」そう言って僕は、何か違和感があった。
「九月二十八日? そんなはずないわよ。私があの世界に行ったのは二週間前だったけど、八月の初めだったわよ?」
「あ、そうか。それで僕もおかしいと思ったんだ。僕があの世界に行ったのは夏休みに入ってしばらくしてからで、三か月以上いたはずなのに、まだ九月だなんて」
「ああ、なるほどね。行きも帰りも、時間に少しずれがあるのかもね。それをお姉さまが意図してやったのか偶然かはわからないけれど。気にしないでおきましょう」
「その、お姉さまって誰だい?」
「誰って、アマテラスよ。和也も見たでしょ? この世界に帰ってくるときに、八咫鏡(やたのかがみ)を持っていた女の人よ」
「ヤタノカガミ? なんだいそれ?」
「なんにも知らないのね! って、まあ仕方ないか。これは私が自分で興味持って調べたことだから。あのね、アマテラスって言うのはね……」と芹那が話し始めたところで、「ちょっとちょっと君たち? 何してるの?」といつの間にか後ろにいたお巡りさんに声をかけられた。後ろにはパトカーが止まっている。
「え、いや、あの……、これは私の弟で、今から帰るところなんです」と芹那はとっさにそう言った。
「帰るところって、どこから来たの? 家はこの辺?」
「は、はい。隣町です」
「知ってるだろ? 夜は結界のお札を貼った車以外、外を出歩いちゃいけないんだ」
「け、結界?」僕と芹那はそう言ったまま状況が把握できず、金魚みたいに口と目をポカーンと開いたままお巡りさんを見た。
「まさか知らないんじゃないだろうね。学校で教わるだろ? 歩いて出歩くなんて、いつ化け物に襲われてもおかしくないんだぞ?」そう言ったお巡りさんの後ろの空を、ごおおおおおおおお…………! と炎をあげながら飛んでくるものがあった。「えっ、えっ、えええ!!!???」と僕と芹那は鯉みたいに口と目をポカーンと見開いたまま空から飛んでくるものを見た。それは直径三メートルはあろうかという老婆の顔をした炎だった。
「う、うわあっ! まずいまずい! 出た出た出た! 君たち、早くパトカーに乗りなさい!」そう言いながらお巡りさんは僕たちをパトカーに乗せようとした。けれど咄嗟に芹那が「和也、こっち!」と言って僕の手を引いて逃げるので、僕も考える間もなく走り出していた。
「な、なんだったんだろ今の」僕が息を切らせながら言うと、「化け物に決まってるじゃない」と芹那は答えた。
「そ、そうだけど、どうしてこっちの世界にまで化け物がいるんだよ?」
「知らないわよ。知らないけどきっと、きっと……」芹那も息を切らしてうまく話せない。
「きっと、なんなのさ?」
「未来が変わったのよ」
「み、未来が変わった? ここは未来なんかじゃないよ」
「違うわよ。奈良時代にいた私たちから見た未来よ。きっと私たちが過去に行ったことで、未来が変わってしまったのよ」
「そ、そんな……、でもいったい、何が未来を変えたんだい?」
「わからないけど……、和也の方が思い当たるんじゃない? だって私、二週間歩いたあと、あそこに閉じ込められていただけだもん」
「僕だってわからないよ。てか、ま、まだ追ってくる!!!」と僕が見上げた空に、さっきの老婆の顔をした巨大な炎が、ごおおおおおおおおおおお!!!!! とさっきよりも勢いを増して追いかけてきた。
「やだやだやだ、もう!」と言う芹那を横目に、僕は背中から矢を一本抜き、鏃を舐めると「一矢必殺」と言って矢を放った。その瞬間、僕は「ん?」と思い、飛んで行く矢と自分の体を見た。「いつもとちがう……」
放った矢は、老婆の大きく開けた口の中に突き刺さり、「うぎゃあああああ!!!」と耳障りな悲鳴とともに夜空に消え去った。
「やったあ!」と芹那は飛び跳ねるようにして喜んだ。
けれど僕はそんなことより……。
「ねえ、どうしたの? 和也」
「いや、どうもしないんだけど……」
「なんか和也の体、金色に光ってたね」
そう、そうなんだ。今までだったら亡霊のように白い靄に包まれているだけだったのに、さっきはなぜか、放った矢も自分の体も、金色の靄に包まれていた。これっていったい……。
「やっと自分を信じるようになったな」久しぶりに聞いた亡霊の声だった。
「え? え? 今の声だれ?」芹那は周りを見回したが、誰もいない。
「僕にとりついている亡霊だよ」
「と、とりついてる? 亡霊!?」
「うん。話したろ? 前に」
「そ、そうだっけ? 亡霊? 私聞いた?」
「うん。話したよ」それより自分を信じれたって言うのは……。
「お前さんは自分が神であること、そして自分がなんたるかを、なんであるべきかを信じ始めておる」
「自分がなんたるかを、なんであるべきかを……」僕はその言葉を繰り返し、自分の目の前で拳を作ってじっと見つめた。すると作った拳の隙間から、光の粒子が風に舞う砂のように漏れ出てきた。これってスサノオの体から出ていた光だ。
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