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正人の話 其の参
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少しウトウトしてたようだ。
時計を見た。
1から12までの数字が円になって並んでいる。
それを指し示す棒が二本、中心から出ている。
あれ?
あれは何をするものだっけ?
俺はあれを見て何かを知ろうとしたんだ。
けれど、何を知ろうとしたんだっけ?
あれは……、何だっけ?
頭が混乱した。
そして俺はまた、目の前に蓋をされるように意識が閉じていくのを感じた。
少しウトウトしてたようだ。
さっきまでの記憶がない。
あれ?
妙に部屋が明るい。
電気は消しているはずなのに……。
どうしてこんなに明るいんだ?
いや、違う……。
明るいんじゃない。
暗いけど、見えるんだ。
暗いのに、部屋の隅々までよく見えた。
どうして急に目が良くなるんだ?
ああ、なんだ。
何がどうなっちまったんだ。
少しウトウトしてたようだ。
妙に気分がいい。
最高だ。
腹いっぱいに食った後、死ぬほど寝まくっていたような気分だ。
それより、俺はここで何してるんだ?
俺はここで何してたんだ?
いつからここにいるんだ?
ここはどこだ?
何も思い出せない。
妙に心地いい。
けどなんだか腹が減った。
なにか食いたい。
ああ、なにか食いたい。
若い女がいい。
ああ、そうだ。
クシナダヒメ。
どこにいるんだ……。
クシナダヒメ。
少しウトウトしてたようだ。
食い物が欲しい。
食い物を探しに行こう。
ズルリと巣から降りると、何やら手のようなものが落ちていた。
なんだこれ?
俺、こんなもの食ったか?
まあいい。
腹が減った。
探しに行こう。
それにしてもなんだ。
変な場所だな。
どうやって外に出るんだ。
俺は光の漏れる場所を見つけ、そこを開けて外に出た。
眩しいな……。
なんだここは。
今は夜じゃないのか?
なんでこんなに眩しいんだ。
俺はその光から逃げるように動き回った。
そしてなんとか外に出ることができた。
外はやはり夜だった。
月が見える。
あれ? ところで俺は前からこんな動き方をしてただろうか。
そんなことを考えながら、体をくねらせ地面を這った。
食い物、食い物だ……。
俺は物陰に隠れ、獲物がやって来るのを待った。
少しウトウトしてたようだ。
腹の下に獲物の近づく振動を地面に感じた。
臭いもする。
舌を出し、空気の動きを見る。
人だ。
女が歩いてくる。
女が独りで歩いてくる。
早く……、早くこっちへこい……。
待ちきれない。
腹が減った。
女は何も知らず歩いてきた。
コツ、コツ、コツ、コツ……。
足音が振動となって腹の下に感じた。
コツ、コツ、コツ……。
女の発する熱を鼻先に感じた瞬間、俺は首をもたげ、口を開けて女に襲い掛かった。
女は俺の姿を見るとへなへなとその場に倒れ、「ひ……、ひ、ひぃ……」と息もできないのか奇妙な悲鳴を上げた。
そして俺は女に噛みつくと、そのまま体をねじるように巻き付けた。
女は悲鳴を上げる代わりにミシミシと骨の軋むような音を鳴らした。
首に噛みついたので血が流れた。
さらに女の体を締め上げた。
関節が外れ、いくつか細い骨が折れる音がした。
女がもう動けないことを知り、俺は女を頭から丸呑みにした。
血の匂いとともに、女の体が喉を通り抜けて行く感触に恍惚となった。
また……、また……、俺は眠くなり、身を潜めることのできる場所を求め、ズルズルと重くなった体をくねらせ地面を這った。
時計を見た。
1から12までの数字が円になって並んでいる。
それを指し示す棒が二本、中心から出ている。
あれ?
あれは何をするものだっけ?
俺はあれを見て何かを知ろうとしたんだ。
けれど、何を知ろうとしたんだっけ?
あれは……、何だっけ?
頭が混乱した。
そして俺はまた、目の前に蓋をされるように意識が閉じていくのを感じた。
少しウトウトしてたようだ。
さっきまでの記憶がない。
あれ?
妙に部屋が明るい。
電気は消しているはずなのに……。
どうしてこんなに明るいんだ?
いや、違う……。
明るいんじゃない。
暗いけど、見えるんだ。
暗いのに、部屋の隅々までよく見えた。
どうして急に目が良くなるんだ?
ああ、なんだ。
何がどうなっちまったんだ。
少しウトウトしてたようだ。
妙に気分がいい。
最高だ。
腹いっぱいに食った後、死ぬほど寝まくっていたような気分だ。
それより、俺はここで何してるんだ?
俺はここで何してたんだ?
いつからここにいるんだ?
ここはどこだ?
何も思い出せない。
妙に心地いい。
けどなんだか腹が減った。
なにか食いたい。
ああ、なにか食いたい。
若い女がいい。
ああ、そうだ。
クシナダヒメ。
どこにいるんだ……。
クシナダヒメ。
少しウトウトしてたようだ。
食い物が欲しい。
食い物を探しに行こう。
ズルリと巣から降りると、何やら手のようなものが落ちていた。
なんだこれ?
俺、こんなもの食ったか?
まあいい。
腹が減った。
探しに行こう。
それにしてもなんだ。
変な場所だな。
どうやって外に出るんだ。
俺は光の漏れる場所を見つけ、そこを開けて外に出た。
眩しいな……。
なんだここは。
今は夜じゃないのか?
なんでこんなに眩しいんだ。
俺はその光から逃げるように動き回った。
そしてなんとか外に出ることができた。
外はやはり夜だった。
月が見える。
あれ? ところで俺は前からこんな動き方をしてただろうか。
そんなことを考えながら、体をくねらせ地面を這った。
食い物、食い物だ……。
俺は物陰に隠れ、獲物がやって来るのを待った。
少しウトウトしてたようだ。
腹の下に獲物の近づく振動を地面に感じた。
臭いもする。
舌を出し、空気の動きを見る。
人だ。
女が歩いてくる。
女が独りで歩いてくる。
早く……、早くこっちへこい……。
待ちきれない。
腹が減った。
女は何も知らず歩いてきた。
コツ、コツ、コツ、コツ……。
足音が振動となって腹の下に感じた。
コツ、コツ、コツ……。
女の発する熱を鼻先に感じた瞬間、俺は首をもたげ、口を開けて女に襲い掛かった。
女は俺の姿を見るとへなへなとその場に倒れ、「ひ……、ひ、ひぃ……」と息もできないのか奇妙な悲鳴を上げた。
そして俺は女に噛みつくと、そのまま体をねじるように巻き付けた。
女は悲鳴を上げる代わりにミシミシと骨の軋むような音を鳴らした。
首に噛みついたので血が流れた。
さらに女の体を締め上げた。
関節が外れ、いくつか細い骨が折れる音がした。
女がもう動けないことを知り、俺は女を頭から丸呑みにした。
血の匂いとともに、女の体が喉を通り抜けて行く感触に恍惚となった。
また……、また……、俺は眠くなり、身を潜めることのできる場所を求め、ズルズルと重くなった体をくねらせ地面を這った。
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