86 / 128
平原の遺跡編
出立の日
しおりを挟む
俺たち三人がクロス村を発つ日、村の入り口にたくさんの人が集まってくれていた。その中にはクララやイルナ、もちろんジータの姿もある。
「しっかり淫魔たちを成敗してきてよ、ゆ・う・しゃ・さ・ま!」
ジータはそう言って俺の胸を人差し指で突いた。数日前に熱烈な別れの挨拶(白目)をしたからか、そこまで寂しそうではなかった。……念話したときに子供生まれてたらどうしよう。
「助けが必要なら遠慮なく呼べよ」
イルナはわざわざソフィをおんぶしてきてくれていた。正直俺より何倍もイルナは強いから、いざとなればすぐにでも呼ぼう。死にたくないからな。
「それじゃあ皆さん、行ってきますね」
アナが最後の挨拶をすると村の人たちが口々に別れを惜しんだ。親が既にいないことやその優しさも手伝って村全体から愛されていたんだろう。村の人たちのためにもアナのことは大切にしなきゃな……(新婚早々不貞を働いたのは許してほしい)。
「ここからが本当の冒険、か」
「勇者らしくなってきましたね!」
ゲームで言えば恐らくクロス村はチュートリアルの範疇。まさにここからがスタートというわけだ。
クロス村の淫魔石を破壊したおかげで森の中の淫魔はきれいさっぱりいなくなっていた。そういえば俺が最初にアナと出会ったのがこのあたりだったな。その次の日にアナがタチバックウルフに犯されたのもほぼひと月前のことだ。
「それでこの先にスピカの言うメイランの町があるんだよな?」
「は、はい! このまま森を抜けてもっと行ったところです!」
スピカが一人で来れたのだから歩いていけないことはないんだろうが、一か月さまよっていたことを考えるとまっすぐ行っても一週間以上はかかるかもしれない。
「スピカちゃんは途中砂漠を通ってきましたか?」
「いえ? 多分ずっと森の中だったと思います」
「だとしたら相当遠回りしてきたんですね。メイランへは砂漠を突っ切るほうが早いですから」
「え、これから砂漠に行くのか」
旅の序盤でいきなり砂漠か……いくらか水と食料があるとはいえ炎天下の中歩き続けるのはきついぞ……。
「大丈夫ですよ。一週間もあれば着きますから」
やっぱり一週間かかるんじゃねえか。ファンタジー世界の住人は逞しいよなまったく……。
「あ! 勇者様! おいしそうなキノコを見つけましたよ! さっそく味見してm」
「まてまてまて!!!」
スピカのドジっ子属性もあるし。この旅本当に大丈夫なんだろうなあ。
代り映えのない森の中を歩きながら俺は深くため息をついた。
「しっかり淫魔たちを成敗してきてよ、ゆ・う・しゃ・さ・ま!」
ジータはそう言って俺の胸を人差し指で突いた。数日前に熱烈な別れの挨拶(白目)をしたからか、そこまで寂しそうではなかった。……念話したときに子供生まれてたらどうしよう。
「助けが必要なら遠慮なく呼べよ」
イルナはわざわざソフィをおんぶしてきてくれていた。正直俺より何倍もイルナは強いから、いざとなればすぐにでも呼ぼう。死にたくないからな。
「それじゃあ皆さん、行ってきますね」
アナが最後の挨拶をすると村の人たちが口々に別れを惜しんだ。親が既にいないことやその優しさも手伝って村全体から愛されていたんだろう。村の人たちのためにもアナのことは大切にしなきゃな……(新婚早々不貞を働いたのは許してほしい)。
「ここからが本当の冒険、か」
「勇者らしくなってきましたね!」
ゲームで言えば恐らくクロス村はチュートリアルの範疇。まさにここからがスタートというわけだ。
クロス村の淫魔石を破壊したおかげで森の中の淫魔はきれいさっぱりいなくなっていた。そういえば俺が最初にアナと出会ったのがこのあたりだったな。その次の日にアナがタチバックウルフに犯されたのもほぼひと月前のことだ。
「それでこの先にスピカの言うメイランの町があるんだよな?」
「は、はい! このまま森を抜けてもっと行ったところです!」
スピカが一人で来れたのだから歩いていけないことはないんだろうが、一か月さまよっていたことを考えるとまっすぐ行っても一週間以上はかかるかもしれない。
「スピカちゃんは途中砂漠を通ってきましたか?」
「いえ? 多分ずっと森の中だったと思います」
「だとしたら相当遠回りしてきたんですね。メイランへは砂漠を突っ切るほうが早いですから」
「え、これから砂漠に行くのか」
旅の序盤でいきなり砂漠か……いくらか水と食料があるとはいえ炎天下の中歩き続けるのはきついぞ……。
「大丈夫ですよ。一週間もあれば着きますから」
やっぱり一週間かかるんじゃねえか。ファンタジー世界の住人は逞しいよなまったく……。
「あ! 勇者様! おいしそうなキノコを見つけましたよ! さっそく味見してm」
「まてまてまて!!!」
スピカのドジっ子属性もあるし。この旅本当に大丈夫なんだろうなあ。
代り映えのない森の中を歩きながら俺は深くため息をついた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる