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プロローグ
しおりを挟む落雷に当たる確率、百億分の一。
落下隕石に当たる確率、百六十万分の一。
宝くじ一等に当たる確率、二千万分の一。
その中で、私は落雷にあった。とてつもないアンラッキー。
その日、帰宅途中の空はどんより今にも泣き出しそうだった。今朝見た予報では傘マークが横並びしていて、雷注意報も発令されていた。
今日は花の金曜日。飲み会に誘われていたけれど、そんな気分になれなくて断った。
こういう日はさっさと帰宅するに限る。私は折り畳み傘を片手に最寄駅を降りると家路を急いだ。
そこの角を曲がれば自宅に着くという時、ポツリと一粒の雨が顔に当たった。ふと立ち止まって見上げると、まだ夕方の時間帯だというのに分厚い雲に覆われた空は真っ暗だ。先ほどからゴロゴロと地の底から響き渡るような雷の音が響き渡っている。
漠然とした不安と焦燥感。立ち止まっていた私が再び歩を進めようとしたその時だった。ピカッという眩い光に目が眩んだのと同時に全身を駆け抜ける凄まじい衝撃。
あ、これダメなやつ。
雷に打たれたんだとすぐに分かった。そして次の瞬間、私の意識はブラックアウトした。
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