オーシャンエッジプロジェクト プロミネンス 

sin art

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25話 セントラルスクール

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 海輝たちが保護されて一か月が経過した。


 海輝とセリアの保護者は現れず、マリアが二人の保護者となることなり、ユウキは父方の祖父からの引き取りの連絡があったがユウキ自身がマリアに保護されることを望み、ユウキの祖父もそれを了承。代わりに生活の支援をしてくれることになった。


「では、あなた達は正式に私が保護することになりました。改めてよろしくお願いします。」

「よ、よろしくお願いします」

「よろしく、マリアさん」

「わーい、マリアと一緒♪みんなと一緒。これからもよろしくね!」

 ユウキの花の咲いたような笑顔にみんなの顔がほころぶ。

 「あなた達はこれからオーシャーンエッジ中央部にあるセントラルスクールに通ってもらいます。手続きはもう済んでるので明日からでも通うことが出来るわ。セントラルスクールは各サークルエリア関係なく年齢でのクラス分けとなります。海輝君とセリアは同じクラスだけどユウキは下の学年のクラスになるわね」

「えー、ユウキも海輝とセリアと同じクラスがいいー」

「んー、ルールで決まってるからそれは難しいわね。ユウキが頑張って飛び級したらできるかもだけど」

「とびきゅうって何?」

「上の学年に行きたい子の為にテストがあるの。そのテストを合格したら上の学年に進めるのよ」

「うん!ユウキ飛び級する!」

「頑張って。私も教えられるところは教えてあげるわ」

「わーい、飛び級、飛び級」

 ユウキは海輝とユウキと同じクラスになれることにワクワクして喜びのダンスでマリアの周りグルグルと回る。


「マリアさん、セントラルスクールって通わないといけないんですか?」

「え?」

 「私、勉強よりマリアさんのように強くなりたいんです。マリアさんの格闘術を教えてください」

「セリア…。分かったわ。でもそれは学校の勉強をしながらでも習得できる。実際私がそうだったし。まずは学校に通ってみましょう。それから考えても遅くはないと思うけど、どう?」

「…マリアさんがそういうなら」

 「ふふ、案外気に入るかもしれないわよ。それじゃあ、これから少しセントラルスクールへ見学へ行きましょうか?」




 


 助手席にユウキが乗り四人は車に乗ってセントラルスクールへと向かった。途中水路へ入りいくつかのサークルのゲートをくぐる。

「ひゃっほー。すごいね、マリア。この車水の上でも走れるんだ!」

「ええ、この車は全てのサークルのゲートをくぐる許可得ているの。セントラルまでの一番早いルートはこの水路。だから水の上も走れるように作られてるのよ」

 いくつかのゲートをくぐるたびに通りの人々がマリアの車を珍しそうに見ていた。

「さあ、つくわよ。ブレーキをかけるから何かに掴って」

 三人は慌てて車内の取っ手を掴むとマリアはそれを確認して逆噴射モードにギアを入れる。前方斜め下の水中にジェット水流が噴射されしばらくすると車は停止した。



「さあ、着いたわ。ここがセントラルスクールよ」

 マリアは車から降りるとサングラスを取り、懐かしそうに校舎を眺めた。

「久しぶりに来たけど変わってないわね」

「マリアも通っていたの?」


 ユウキも助手席から降りて校舎を見上げる。いくつかの棟に分かれすでに校舎には学生が授業を受けているようでグラウンドで生徒がサッカーをしていた。

「ええ、私も通っていたわ。つい最近までね。セントラルスクールはオーシャンエッジに住んでいる人は誰でも通えるの。小、中、高は年齢が決まっていて、18歳以降は別校舎になるわ。忙しい人の為にもネット学習にも対応しているしとても学習環境が整えられているの」

「へぇー。すごいね。ユウキもお勉強したい!」

「そうね。色んなことを教えてもらえるわ。ここを卒業した人は優先的に職を斡旋してもらえるの。
 各サークルの人たちとも交流できるのも魅力ね。就職したらなかなか交流は難しくなるから」

 ユウキは楽しみでしょうがないといった感じで校舎のフェンスを掴み校庭の様子をながめる。その様子を何人かの生徒が気づき近づいてくる。


「こんにちわ。新しい生徒さんですか?あ、マリア先輩!お久しぶりです。ハルヒです。鈴木ハルヒ。覚えてますか?」

 艶やかな長い黒髪と穏やかそうな目が特徴的ではきはきとした口調の女の子がマリアに声をかけてきた。
 
「まあ、ハルヒ!もちろんよ。大きくなったわね。隣にいるのは…」

「オリビアです!初めまして。ハルヒの先輩っていうことは私の先輩でもありますね。よろしくお願いします!」

「はじめまして。オリビア。ハルヒと仲良くしてあげてね。ここにいる三人もこれから入学する予定なの。海輝とセリアは同じ年かしら?色々と教えてあげてくれると助かるわ」
 
「わー。仲間がまた増えるのね。嬉しいです!こちらからもよろしくお願いします。お名前は?」
 
「か、海輝です。島田海輝と言います。よろしくおねがいします」

「セリアです。よろしく」

「ユウキだよ!リー・ユウキ。よろしくお願いします、お姉ちゃん!」
 
「海輝君に、セリアちゃん、ユウキちゃん。よろしくね!」

 オリビアは笑顔で3人と握手をした。

「よろしくね!入学歓迎します。いつ頃入学予定?」


 海輝たちは顔を見合わせ戸惑う姿を見てマリアが代わりに答える。

 「順調に手続きが進めば来週の月曜日から入学できると思うわ」

「来週から!?やったー!スクール楽しみー!」

 ユウキは万歳しながらマリアの周りをグルグル回っていると授業の開始五分前の鐘が鳴った。

「あ、私達そろそろ行かなきゃ!オリビア、次の授業は鬼の坂田の授業よ、急ごう!」

「げ、忘れてた。それじゃあ、またね!」

 二人は駆け足で校舎の中へ姿を消した。


 
 ひとしきり校舎を散策するとマリアと海輝たち三人は一旦ブラックエリアの自宅へ戻った。

「ああ、楽しそうだったな~。あんな大きな公園、ずーっと走ってられるね」

「公園?ああ、校庭の事ね。休み時間はどんなに走っても怒られないわよ」

「わくわく」


 ユウキはセンタースクールを気に入ってくれたようでマリアは少しほっとした。

 他の二人の様子をうかがうと海輝は少し不安げで、セリアはあまり気に入ってない表情を見せていた。

「海輝とセリアはどう?うまく通えそう?」

「は、はい。僕は少し不安ですがここに来る前にも学校へは行っていたので大丈夫です」

 「…来週からね。分かったわ」


 セリアは少々不満げに言い放った。

「それじゃあ、手続きは進めておくので来週までには心の準備はしておいてね」
 
 ピンポーン
 
 不意にインターホンがなった。

「あ、来たかしら。あなた達の学習セットと制服一式を頼んでいたの。はーい」

 マリアはインターホンのボタンを押し対応する。

「白猫ヤマトです。お届け物が届いてます」

「はい、少々お待ちください」

 マリアは玄関の重い扉を軽く開け放った。白猫ヤマトの配達員は車から三人分の荷物を一度に持って玄関まで歩いてくる。

「お荷物は間違いないですか?」

 マリアは荷物を確認するために玄関に出るとただならぬ殺気を感じた。



「…あなた何者?」

「へへへ、さすがだな。完璧に変装したと思ったけどな」
 
 配達員は帽子を脱ぎ取り一瞬で間合いを取る。


「あ、あなたは!?」
 


 配達員は以前マリアが咸陽亭で叩きのめしたあの大男であった。
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