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第十話
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あらすじ
巨漢のお兄さん、転生者だったね!同じだ!
めちゃくちゃテンション高い!イェー!
門の前の敵一緒に倒して欲しいって!イェー!
でもどうやって倒すのあれ!イェー!
「さて、まずはやけど....お前の能力、見してや!それが分からんと話にならんわな!」
「....能力?」
彼は能力を見せて欲しいというが、生憎僕は能力など持ち合わせていない。
生まれ持った能力を磨いてこなかった代償だ。
「えっと...英検4級に漢検6級。あと...」
「あー、ちゃうちゃう。
...もしかしてお前、『能力』まだ知らん感じ?」
....どうやら、彼の言う『能力』と、僕の『能力』は違うようだ。
無駄に恥をかいた。
「えーっとな、『能力』ってのは、うちらが転生の試験受ける為に与えられる能力の事や。
始めは使いもんにならんやろうけど、そのうちレベルも上がって使いこなせるようになるで!
一応俺はここに来る前に聞かされてたんやけど...あんた、知らんの?」
彼はそう言うが、僕はそんな事は聞いた覚えがない。
「なるほど...あんたの場合、『能力』が分からんまま送られてきてるみたいやなぁ...
折角やし、『能力』使ってみたらどうや?こう、ブワーってする感じで手ぇに力込めるんや!
そしたら何かしら出るやろ!」
物凄く適当なレクチャーだが、実践してみる。
手に神経を集中させ、力を込める....真似をする。
すると、僕の体はどこか温かくなるような感覚がした。
「なんか....温かい....」
その時、何処かから例の器械音声が聞こえてきた。
ピッピッピッピッ
「34番、『能力の発現』を確認。説明を開始します。
『能力』
貴方が試験を乗り越える際、我々はあなたに『能力』を授けます。能力は戦闘に特化したものや
サポートに特化したもの、ボーナスに特化したものがあります。
例を取って言うならば、『戦闘』に特化したものは自身のスピード強化、
『サポート』に特化したものは通信機能。
『ボーナス』に特化したものは武器の耐久上昇など。
また、場合によって能力には使用制限、回数制限等があります。
貴方の能力は我々の管理下に置かれており、発現の際、不正などは出来ないように作られています。
それを承知の上、計画的に利用してください。
.....貴方の能力は、『麻酔』です。
分類:サポート
効果:自身に対する麻酔効果、及び即死効果。
現在のレベル:1
...以上で、能力の説明を終了します」
僕は手に込めていた力を緩ませる。
「どうや?何か分かったか?」
彼は僕の顔を覗き込む。相変わらずテンション高いなぁ...
それはともかく、僕は彼に先程聞いた器械音声を説明した。あと、僕の能力『麻酔』についても。
「ふーん、なるほどねぇ...サポートの能力かぁ...ってサポートやのにお前自身にしか効果無いやん!
それサポートちゃうやろwていうか即死効果ってそれ自殺やんww」
僕の話を聞いて彼は笑った。こっちにとっては死活問題なんだけど。
「いやぁでも、そんだけしか分からんかぁ...多分レベルの関係やな。俺は『戦闘』特化やから
『サポート』がどういう仕組みなんか知らんけど、レベル上がったら開示される情報も、能力の効果も
増える筈やから。まぁ頑張ってレベル上げせなあかんな!」
色々言いたいことはあるけれど、僕はどうやらレベル上げをしなければ能力を有効活用することは難しい
という事らしい。
「丁度ええわ!あのバケモンでレベル上げするで!!」
何というか....この手際の良さとサクサク話を進めて僕にものを言わせない感じ。
....もしかしてこの人、最初から僕を化け物と闘わせるつもりだった?
巨漢のお兄さん、転生者だったね!同じだ!
めちゃくちゃテンション高い!イェー!
門の前の敵一緒に倒して欲しいって!イェー!
でもどうやって倒すのあれ!イェー!
「さて、まずはやけど....お前の能力、見してや!それが分からんと話にならんわな!」
「....能力?」
彼は能力を見せて欲しいというが、生憎僕は能力など持ち合わせていない。
生まれ持った能力を磨いてこなかった代償だ。
「えっと...英検4級に漢検6級。あと...」
「あー、ちゃうちゃう。
...もしかしてお前、『能力』まだ知らん感じ?」
....どうやら、彼の言う『能力』と、僕の『能力』は違うようだ。
無駄に恥をかいた。
「えーっとな、『能力』ってのは、うちらが転生の試験受ける為に与えられる能力の事や。
始めは使いもんにならんやろうけど、そのうちレベルも上がって使いこなせるようになるで!
一応俺はここに来る前に聞かされてたんやけど...あんた、知らんの?」
彼はそう言うが、僕はそんな事は聞いた覚えがない。
「なるほど...あんたの場合、『能力』が分からんまま送られてきてるみたいやなぁ...
折角やし、『能力』使ってみたらどうや?こう、ブワーってする感じで手ぇに力込めるんや!
そしたら何かしら出るやろ!」
物凄く適当なレクチャーだが、実践してみる。
手に神経を集中させ、力を込める....真似をする。
すると、僕の体はどこか温かくなるような感覚がした。
「なんか....温かい....」
その時、何処かから例の器械音声が聞こえてきた。
ピッピッピッピッ
「34番、『能力の発現』を確認。説明を開始します。
『能力』
貴方が試験を乗り越える際、我々はあなたに『能力』を授けます。能力は戦闘に特化したものや
サポートに特化したもの、ボーナスに特化したものがあります。
例を取って言うならば、『戦闘』に特化したものは自身のスピード強化、
『サポート』に特化したものは通信機能。
『ボーナス』に特化したものは武器の耐久上昇など。
また、場合によって能力には使用制限、回数制限等があります。
貴方の能力は我々の管理下に置かれており、発現の際、不正などは出来ないように作られています。
それを承知の上、計画的に利用してください。
.....貴方の能力は、『麻酔』です。
分類:サポート
効果:自身に対する麻酔効果、及び即死効果。
現在のレベル:1
...以上で、能力の説明を終了します」
僕は手に込めていた力を緩ませる。
「どうや?何か分かったか?」
彼は僕の顔を覗き込む。相変わらずテンション高いなぁ...
それはともかく、僕は彼に先程聞いた器械音声を説明した。あと、僕の能力『麻酔』についても。
「ふーん、なるほどねぇ...サポートの能力かぁ...ってサポートやのにお前自身にしか効果無いやん!
それサポートちゃうやろwていうか即死効果ってそれ自殺やんww」
僕の話を聞いて彼は笑った。こっちにとっては死活問題なんだけど。
「いやぁでも、そんだけしか分からんかぁ...多分レベルの関係やな。俺は『戦闘』特化やから
『サポート』がどういう仕組みなんか知らんけど、レベル上がったら開示される情報も、能力の効果も
増える筈やから。まぁ頑張ってレベル上げせなあかんな!」
色々言いたいことはあるけれど、僕はどうやらレベル上げをしなければ能力を有効活用することは難しい
という事らしい。
「丁度ええわ!あのバケモンでレベル上げするで!!」
何というか....この手際の良さとサクサク話を進めて僕にものを言わせない感じ。
....もしかしてこの人、最初から僕を化け物と闘わせるつもりだった?
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