β大学総合病院～雲、スピンオフpartⅠ

sideA～秋月秋風編～

弟の結婚

　私の不倫地獄が続く中、弟の春斗の結婚が決まった。お相手の恵梨夏さんは、とても真面目で、清楚な方、不倫なんて、世界とは、かけ離れた世界の、初々しいお嬢さん。

　｢春斗おめでとう。｣

　私も、看護大学に入り、看護士と言う職業は、真剣に考えてた。この不倫地獄に、はまるまでは、真面目に生きてきた。弟の春斗も私を真面目で一生懸命な姉として、尊敬してくれている。

　実際は、倫理に反した事をしている。道徳の授業って、小学校の授業であったよなあ。人の物を盗らないとか、人として、当たり前な事の教えだよね。今の私は、人として反している。

　結納の日、弟の婚約者の恵梨夏さんに逢った。眩しかった。今の私には、眩しすぎた。



｢初めまして、お姉様。お姉様は、老人病院で、看護士をされているそうですね。春斗さんの憧れの存在で、私も、老人ホームで、介護士をしてます。私も、お姉様に、憧れてもよろしいですか？｣



　純粋で、ひたむきな、その瞳が眩しすぎた。私の目は、不倫で、どんどん雲っているだろう。彼女を見てると私は、この世から消えたくなる。