上 下
23 / 45
sideB~冬馬夏翔編~

再会

しおりを挟む
 明日夏とのセックスレスの期間が続き、ギクシャクした関係が続く。こんな時は、決まって行く場所がある。城跡の公園。



 ここからの眺めは、格別だった。江戸川を挟んで、東京の街が見える。東京タワー、スカイツリー
新宿の高層ビル群。ここから、眺めると全てがミニチュアのように見える。特に、夜景が好きだ。



 今日も、夕方から、ここの展望台で、景色を観ていると、後ろから、声をかけられる。




 振り返ると、そこには、前勤めていた病院のナースの秋月秋風さんがいた。



 後で知った話だが、俺の奥さん、明日夏が、ずっと恋い焦がれていた男、秋月春斗は、秋月秋風の弟さんである。


 この公園で、再会した時点では、俺は、その事実をし知るよしもなかった。



 秋風さんは、この公園の石垣に興味があるそうだ。立派な石垣だなとは、思ったが、歴史にそれほど、感心がなかったから、東京の街の夜景しか俺の眼中には、なかった。



 俺は、彼女の座っていたベンチに座り、一緒に夜景を観た。ここまでは、車で来たから、ジャージだったから、11月の夜としては、薄手で、寒かった。
だから、自然と、人肌が欲しくて、だんだんと彼女に近づいていった。極めて、自然に。




 最初は、太股と太股が触れあう程度から、肩と肩が触れあう距離に。元々、俺は、病院に勤めていた頃から、彼女に興味があり、どんな顔で、感じるか?夜の顔が見てみたかった。

 

 



しおりを挟む

処理中です...