53 / 120
高校生
第52話 亜美と六花のその後……亜美編
しおりを挟む
六花の一件から翌日。
今度は亜美が奇妙な行動をとっていた。
俺は学校に登校するなり、美月から「今日の亜美はヤバい」ということを聞いた。
何がヤバいのか、聞いてみると、
「亜美ちゃん、学校に来るなり、男子を睨みつけまくってるらしい」
一体、亜美に何があったということなのだろうか。
そして、放課後。
亜美は案の定、その行為が仇となり、生徒指導の先生に呼び出された。
亜美が俺1人しかいない教室に戻ってくると同時に何があったのか聞いた。
「亜美、今日のお前はどうしたんだよ」
「どうしたって何が?」
「なんか、男子を睨みつけまくってるって聞いたけど、なんで睨みつけてるんだ?」
「はぁあああああ?!」
何?!今の大声は!びっくりしたよ!
「私、全然睨みつけてないんですけどっ!」
「でも、クラスの男子は全員睨みつけられたって言って、すごく落ち込んでたぞ?」
男子が全員落ち込んでるというわけではないが、ほとんどの男子は落ち込んでいる。
なぜかというと、亜美も結構、男子の中では人気があり、その女の子に睨みつけられたとなると、嫌われたんじゃないかと思うからだ。
「えぇっ?!なんで落ち込んでるの?!」
亜美は不思議そうな顔をして驚いていた。
「逆に聞くけど、なんでそんなことをしたんだよ」
すると、亜美は俯きながら小さい声で言った。
「だって……モテまくりたかったんだもん……」
モテまくりたい?
あんなに睨みつけまくって、どうモテようとしたのだろうか、不思議なんだが。
「ほら…男子って、上目遣いされると、なんかキュンキュンするんでしょ?だから、それをしてモテようと思ったの……」
「なるほど……睨みつけてたわけじゃなくて、上目遣いだったのか!」
俺はそう思ったけど、上目遣いでキュンキュンするやつなんているのだろうか……いや、俺は想像だけでしたぞ!思わず、キュン死にしそうだったわ…
だけど、亜美のはどう見ても上目遣いではなく、睨みつけているだけである。
それに……
「なんでモテまくりたかったんだ?」
亜美ならもうモテまくっているというのに。
それを気づいていないのだろうか。
すると、亜美は少し黙ったあと、顔を赤くして言った。
「モテまくりになれば…隼人を振り向かせることができると思った……から」
表情こそ俯いていたため分からなかったが、俺はその言葉を聞いて胸が締め付けられるように苦しくなった。
なんて一途なんだろうか。
こんないい子を俺は振ったというのか…って、あれ?
俺は亜美との交際は解消したものの、嫌いになったわけじゃないし、今でも好きだ。
ただ、俺は「六花のことも好きだから、その気持ちが整理できるまではどちらとも付き合わない」って、まえに言ったと思う。
こいつ、俺が言ったこと理解してないな。
「亜美、俺はお前のことが好きだ」
「じゃ、じゃあ!……」
「でも、それはまえに伝えただろ?だから俺の整理がつくまでは待っててくれないか?」
「……どれくらい待てばいいの?」
「それは分からない。でも、その間にお前に好きな人ができたら、そいつと付き合ってくれ。そのときは俺はお前を諦める」
そう言い終わると同時に亜美は俺との間の距離を詰め、抱き着いてきた。
そして、亜美は最後にこう言った。
「絶対に待ってるから……絶対に私を選んでね」
亜美は俺から離れると、鞄を手に持ち、教室から出て行った。
今度は亜美が奇妙な行動をとっていた。
俺は学校に登校するなり、美月から「今日の亜美はヤバい」ということを聞いた。
何がヤバいのか、聞いてみると、
「亜美ちゃん、学校に来るなり、男子を睨みつけまくってるらしい」
一体、亜美に何があったということなのだろうか。
そして、放課後。
亜美は案の定、その行為が仇となり、生徒指導の先生に呼び出された。
亜美が俺1人しかいない教室に戻ってくると同時に何があったのか聞いた。
「亜美、今日のお前はどうしたんだよ」
「どうしたって何が?」
「なんか、男子を睨みつけまくってるって聞いたけど、なんで睨みつけてるんだ?」
「はぁあああああ?!」
何?!今の大声は!びっくりしたよ!
「私、全然睨みつけてないんですけどっ!」
「でも、クラスの男子は全員睨みつけられたって言って、すごく落ち込んでたぞ?」
男子が全員落ち込んでるというわけではないが、ほとんどの男子は落ち込んでいる。
なぜかというと、亜美も結構、男子の中では人気があり、その女の子に睨みつけられたとなると、嫌われたんじゃないかと思うからだ。
「えぇっ?!なんで落ち込んでるの?!」
亜美は不思議そうな顔をして驚いていた。
「逆に聞くけど、なんでそんなことをしたんだよ」
すると、亜美は俯きながら小さい声で言った。
「だって……モテまくりたかったんだもん……」
モテまくりたい?
あんなに睨みつけまくって、どうモテようとしたのだろうか、不思議なんだが。
「ほら…男子って、上目遣いされると、なんかキュンキュンするんでしょ?だから、それをしてモテようと思ったの……」
「なるほど……睨みつけてたわけじゃなくて、上目遣いだったのか!」
俺はそう思ったけど、上目遣いでキュンキュンするやつなんているのだろうか……いや、俺は想像だけでしたぞ!思わず、キュン死にしそうだったわ…
だけど、亜美のはどう見ても上目遣いではなく、睨みつけているだけである。
それに……
「なんでモテまくりたかったんだ?」
亜美ならもうモテまくっているというのに。
それを気づいていないのだろうか。
すると、亜美は少し黙ったあと、顔を赤くして言った。
「モテまくりになれば…隼人を振り向かせることができると思った……から」
表情こそ俯いていたため分からなかったが、俺はその言葉を聞いて胸が締め付けられるように苦しくなった。
なんて一途なんだろうか。
こんないい子を俺は振ったというのか…って、あれ?
俺は亜美との交際は解消したものの、嫌いになったわけじゃないし、今でも好きだ。
ただ、俺は「六花のことも好きだから、その気持ちが整理できるまではどちらとも付き合わない」って、まえに言ったと思う。
こいつ、俺が言ったこと理解してないな。
「亜美、俺はお前のことが好きだ」
「じゃ、じゃあ!……」
「でも、それはまえに伝えただろ?だから俺の整理がつくまでは待っててくれないか?」
「……どれくらい待てばいいの?」
「それは分からない。でも、その間にお前に好きな人ができたら、そいつと付き合ってくれ。そのときは俺はお前を諦める」
そう言い終わると同時に亜美は俺との間の距離を詰め、抱き着いてきた。
そして、亜美は最後にこう言った。
「絶対に待ってるから……絶対に私を選んでね」
亜美は俺から離れると、鞄を手に持ち、教室から出て行った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
158
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる