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高校生
第77話 居候
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リア充というのは本当にクソみたいだ。
彼氏彼女関係になっていつでもどこでもイチャイチャ。
デートをすれば、彼女は彼氏に可愛く見せようと、おしゃれをする。一方で、彼氏は彼女にかっこよく見せようと、デートスポットなどを予めリサーチし、リードする。
俺は中学のころ、こんな関係に憧れていた。
周りの連中はどんどんと彼女を作っていき、気が付けば、中学時代に彼女が一度もできなかったやつは俺1人。
頑張って優希を振り絞って告白したときもあった。
でも、結果は「少し喋ったことがあるだけで勘違いするとかキモッ」である。
これ以来俺は女子とはあまり接触することを避け、中学を卒業した。
ラブコメとかアニメの世界だけでいい。現実のラブコメはクソくらいだ。
そう思っていたのだが、現在はそのクソである。
「お前らここは合宿所かなんかと勘違いしてねぇーか?」
時はあっという間に過ぎ、7月下旬。
高校生活最後の夏休みということもあり、俺は進路活動で忙しい。
だが、そんな俺の忙しさをよそに毎日のように美月、水姫、亜美が泊まり込んでいた。
「いいじゃん!隼人も楽しいでしょ?」
そう嬉々として声をあげたのは亜美である。
こいつも大学に進学するとか言っているけど勉強とかしなくていいのだろうか。
ちなみに俺は推薦枠が取れたのでその心配はない。
「全然楽しくない!むしろ邪魔だ!」
俺はそう言い放つが…聞いてねぇのかよ!
「あ、そーいえば、六花ちゃんはどこ行ったの?」
そのことに気づいたのは美月である。
こいつはもう進路が決まっている。いいなぁ。楽で。
「六花は祖父母の家に行ってるよ。なんか、夏休みの間だけでも来なさいって前から言われてたみたいで、昨日の昼頃お前らがどこかに行っているときに出かけたよ」
「へぇー。じゃあ、今日は私と一緒に寝よ♪」
なぜそうなるのか分からないがそんな馬鹿なことを言い放ったのは水姫である。
こいつは…進路希望調査表に専業主婦と書いて進路指導主任に怒られたばかりだ。
で、こいつの馬鹿な発言はスルーすることにした。
いちいち言い返してたらきりがないからね。
「で、君たちはいつになったら帰るのかな?」
こいつらが泊まりに来たのが、夏休みに入ってから翌日のことだ。
もう10日ぐらいは居座り続けている。
ここは合宿所でもなければホテルでもない俺の家だ。
もうそろそろ帰ってもらわないと激おこぷんぷん丸になっちゃうぞ?
「いつ帰る?」
「8月いっぱいまで?」
「そうしよー♪」
亜美が切り出し、美月が提案、水姫がその提案に賛成して決まった。
「いやいやいや、8月いっぱいまでって夏休みの間ずっとじゃねぇーか」
そんなに長期滞在されてしまったら俺の進路にも影響がきてしまう。
こいつら毎日ギャーギャーうるさいから近所から苦情が来ないかびくびくしている。
だがら、絶対に長期滞在はさせない。俺的には今すぐにでも帰ってもらいたいぐらいだ。
「なら、いつまでならいいの?」
亜美がそう切り出した。
「今日まで」
俺は真顔でそう答えると、どれだけ本気か伝わったのか、3人がそれぞれ考え出した。
そして、3人で再び話し合い、結果が出たようで、亜美が口を開いた。
「じゃあ、7月いっぱいまで」
「うん、それでいいよ!」
俺は即答した。
だって、当初の8月いっぱいまでに比べればましになった方だよ。
ここでもし渋って下手すれば、延びてかもしれない。
まだ7月いっぱいまでならどうにか我慢はできる。
こうして美月たちの滞在期間は決まったのだが……
8月中旬暑さがますます増してきたころ。
「なんでまだお前らはいるんだよ…」
俺の家のリビングには美月たち3人がそれぞれソファーに寝っ転がったり、座ったり、床に仰向けになったりしてくつろいでいた。
7月いっぱいまでと話は決まっていたのだが、こいつらは堂々と約束を破り、それから半月経った今でも居座り続けている。
もうこれはあれだ。居候と一緒だ。
結局それからずっと居座り続け、やっと帰ったと思ったら、気づけば明日には9月に入るところだった。
俺の夏休みを返してくれぇ~
彼氏彼女関係になっていつでもどこでもイチャイチャ。
デートをすれば、彼女は彼氏に可愛く見せようと、おしゃれをする。一方で、彼氏は彼女にかっこよく見せようと、デートスポットなどを予めリサーチし、リードする。
俺は中学のころ、こんな関係に憧れていた。
周りの連中はどんどんと彼女を作っていき、気が付けば、中学時代に彼女が一度もできなかったやつは俺1人。
頑張って優希を振り絞って告白したときもあった。
でも、結果は「少し喋ったことがあるだけで勘違いするとかキモッ」である。
これ以来俺は女子とはあまり接触することを避け、中学を卒業した。
ラブコメとかアニメの世界だけでいい。現実のラブコメはクソくらいだ。
そう思っていたのだが、現在はそのクソである。
「お前らここは合宿所かなんかと勘違いしてねぇーか?」
時はあっという間に過ぎ、7月下旬。
高校生活最後の夏休みということもあり、俺は進路活動で忙しい。
だが、そんな俺の忙しさをよそに毎日のように美月、水姫、亜美が泊まり込んでいた。
「いいじゃん!隼人も楽しいでしょ?」
そう嬉々として声をあげたのは亜美である。
こいつも大学に進学するとか言っているけど勉強とかしなくていいのだろうか。
ちなみに俺は推薦枠が取れたのでその心配はない。
「全然楽しくない!むしろ邪魔だ!」
俺はそう言い放つが…聞いてねぇのかよ!
「あ、そーいえば、六花ちゃんはどこ行ったの?」
そのことに気づいたのは美月である。
こいつはもう進路が決まっている。いいなぁ。楽で。
「六花は祖父母の家に行ってるよ。なんか、夏休みの間だけでも来なさいって前から言われてたみたいで、昨日の昼頃お前らがどこかに行っているときに出かけたよ」
「へぇー。じゃあ、今日は私と一緒に寝よ♪」
なぜそうなるのか分からないがそんな馬鹿なことを言い放ったのは水姫である。
こいつは…進路希望調査表に専業主婦と書いて進路指導主任に怒られたばかりだ。
で、こいつの馬鹿な発言はスルーすることにした。
いちいち言い返してたらきりがないからね。
「で、君たちはいつになったら帰るのかな?」
こいつらが泊まりに来たのが、夏休みに入ってから翌日のことだ。
もう10日ぐらいは居座り続けている。
ここは合宿所でもなければホテルでもない俺の家だ。
もうそろそろ帰ってもらわないと激おこぷんぷん丸になっちゃうぞ?
「いつ帰る?」
「8月いっぱいまで?」
「そうしよー♪」
亜美が切り出し、美月が提案、水姫がその提案に賛成して決まった。
「いやいやいや、8月いっぱいまでって夏休みの間ずっとじゃねぇーか」
そんなに長期滞在されてしまったら俺の進路にも影響がきてしまう。
こいつら毎日ギャーギャーうるさいから近所から苦情が来ないかびくびくしている。
だがら、絶対に長期滞在はさせない。俺的には今すぐにでも帰ってもらいたいぐらいだ。
「なら、いつまでならいいの?」
亜美がそう切り出した。
「今日まで」
俺は真顔でそう答えると、どれだけ本気か伝わったのか、3人がそれぞれ考え出した。
そして、3人で再び話し合い、結果が出たようで、亜美が口を開いた。
「じゃあ、7月いっぱいまで」
「うん、それでいいよ!」
俺は即答した。
だって、当初の8月いっぱいまでに比べればましになった方だよ。
ここでもし渋って下手すれば、延びてかもしれない。
まだ7月いっぱいまでならどうにか我慢はできる。
こうして美月たちの滞在期間は決まったのだが……
8月中旬暑さがますます増してきたころ。
「なんでまだお前らはいるんだよ…」
俺の家のリビングには美月たち3人がそれぞれソファーに寝っ転がったり、座ったり、床に仰向けになったりしてくつろいでいた。
7月いっぱいまでと話は決まっていたのだが、こいつらは堂々と約束を破り、それから半月経った今でも居座り続けている。
もうこれはあれだ。居候と一緒だ。
結局それからずっと居座り続け、やっと帰ったと思ったら、気づけば明日には9月に入るところだった。
俺の夏休みを返してくれぇ~
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