上 下
116 / 120
大学生

第22話

しおりを挟む
 「やっぱりお前も来てたか……」

 今日は六花と二人で海に来ていた。
 六花がどうしても行きたいと言うので入れていたバイトのシフトも店長に無理言って変えてもらった。
 このまま二人で楽しくカップルみたいなことをして過ごすのかなぁと少しウキウキしながら海に来たのだが……なぜか今俺たちの隣には亜美がいる。
 しかも、ばっちりと準備はして来たらしく水着もなかなかのものだ。おかげで俺は周りの童貞男たちから睨まれている。

 「隼人が呼んでくれたじゃん!」

 「呼んでねぇよ!……いやホントだよ!六花そんな射殺すかのような目で見ないで!」

 俺が浮気してるみたいな空気になったんだが……。
 六花は一気に不機嫌になるし、亜美は逆に機嫌が良くなるし……俺はどうしろと?ねぇ、誰か教えてくれない?

 「とりあえず……何か食うか?ちょうど昼だし」

 俺は気まずい空気の中なんとかして状況を変えようと近くの海の家で昼食を提案した。
 が、亜美は俺の提案に従ってくれたが、六花はやっぱり従ってくれそうにない。
 まぁ、ここはひとまず六花を一人にした方がいいのかもしれない。
 俺は六花に焼きそばを買ってくるとだけ言い残して亜美と一緒に海の家に向かった。
しおりを挟む

処理中です...